スクライド - 力と闘争の物語
2001年に放送されたTVアニメシリーズ「スクライド」は、サンライズ制作のもと、谷口悟朗監督の指揮の下で生まれた作品です。このアニメは、突如として日本本土から隔絶された「ロストグラウンド」という特殊な地域を舞台に、特殊能力「アルター」を持つ少年たちの戦いと成長を描いています。以下では、「スクライド」の詳細な情報とその魅力を紹介します。
■公開メディア
TVアニメシリーズ
■原作メディア
アニメオリジナル
■放送期間
2001年07月04日 ~ 2001年12月26日
テレビ東京系列 2001年7月4日~2001年12月26日(1回~26回)毎週水曜 18:00~18:30
■放送局
テレビ東京
■分数
30分
■話数
26話
■監督
谷口悟朗
■制作
・制作/サンライズ
・製作/TV TOKYO、読売広告社、サンライズ
■著作
©サンライズ
■ストーリー
今から22年前、突如発生した大地殻隆起現象により日本本土から隔絶され、その後独立自治領として特殊な社会を形成してきたロストグラウンド。その中の未開発地区でなんでも屋をしているカズマは、物質を一旦分解し、別物(=アルター)として再構成する特殊能力を持つアルター使いでもあった。その能力は同じ能力者たちの中でも抜きん出ており恐れられているが、一度家に戻ると、人見知りな性格ながら生活力があってしっかりとした少女、かなみには頭があがらない。
ある日、相棒である君島邦彦のいざこざの仲介で助っ人に行ったカズマは、そこで対アルター能力者特殊部隊ホーリーの隊員、劉鳳に敗れ、捕えられてしまう。自分の力を信じて突き進むカズマと、自分のルールで悪を断罪する劉鳳。根幹では共通するものを持ちながらも相容れない二人は、互いのアルターをぶつけあい、戦い続けていくことになる。
その間にもロストグラウンドでは、特殊能力アルターを巡っての様々な思惑と陰謀が、さらなる抗争の渦を広げていった。保護を謳いながら能力者を次々に狩り立てるホーリー。大隆起現象との関連を疑い、アルターを狙う本土側の暗躍。そうした中で、成長を続けるカズマと劉鳳の能力の衝突は、再びロストグラウンドに隆起現象を引き起こしてしまう。
このことから本土側は、二人の能力が“向う側の世界”への鍵となることに気づき、アルター使いである無常矜侍を使い、その鍵を開かせるべく様々な罠を仕掛けてくる。そしてついに、無常は二人の力によって鍵が開いたところで、向う側の世界と接触し、莫大なアルターをその身に吸収することに成功したのだった。
カズマと劉鳳は、無常の野望を阻止すべく、無常が待つアルター要塞へと戦いに赴いた。強力なパワーにボロボロになる二人。しかしその闘志はますます燃え上がり、向う側の世界から能力を引き出し、さらなる進化を遂げた二人は、ついに無常を打ち砕く。しかしロストグラウンドへの介入はとどまらず、さらには本土側からも大軍団が送り込まれてくるが、カズマたちはそれさえも撃破する。
ロストグラウンドにこだわり続け、すべての介入を阻止したカズマと劉鳳。だが、彼らには未だ重要なことが残っている。そう、二人で決着をつけるのだ。荒野で互いに拳を繰り出し、アルター能力を出し合いながらの“喧嘩”を最高に楽しむ二人。やがて二人は力尽き、地面に倒れこむ。だが、その直後一つの拳だけが高々と振り上げられた。その手の主は、果たして…。
■解説
突然の大隆起によって形成された大地『ロストグラウンド』。 日本本土から隔絶されたその大地では、崩壊からの復興を果たした住人と、そのままの爪痕を残す崩壊地区の住人との間に、特殊な二層社会が発展していた。 その中に、生まれながら特殊能力を持つ者たちがいた。 アルター能力者―――そう呼ばれる彼らの力は、弱肉強食の世界で生きる少年たちを、強烈に刺激した。 ロストグラウンドの崩壊地区で育ち、自らのアルター能力を頼りに生きる少年、カズマは、ささいな事件から、アルターをめぐるさまざまな思惑の中に巻き込まれることになる。 自分の力を信じてぶつかりあう少年たちのヒロイズムを描く、鮮烈格闘アクション。
※サンライズ公式サイトより引用
■キャスト
・カズマ/保志総一朗
・劉鳳/緑川光
・由詑かなみ/田村ゆかり
・シェリス・アジャーニ/倉田雅世
・君島邦彦/山崎たくみ
・桐生水守/永島由子
・マーティン・ジグマール/高田裕司
・ストレイト・クーガー/津久井教生
・無常矜侍/白鳥哲
■メインスタッフ
・企画/サンライズ
・原案/矢立肇、サンライズ
・企画/岩田圭介(テレビ東京)、小林真一郎、国崎久徳
・監督/谷口悟朗
・キャラクターデザイン/平井久司
・ビジュアルコンセプター/神宮司訓久
・デザインワークス/森木靖泰、荒牧伸志、まさひろ山根*1
・美術/鈴木朗
・色彩設計/岩沢れい子
・撮影/長谷川洋一、八木寛文
・演出チーフ/吉本毅 [6話~26話]
・編集/布施由美子
・デジタル特効/長谷川敏生(マリックス)
・3Dエフェクト/林秀則、大川威
・演出チーフ/吉本毅
・CGディレクター/三好正人
・編集/野尻由紀子(ウインズ)
・編集協力/板部浩章(ジェイ・フィルム)
・ビデオ編集/山手実、梶田倫之(キュー・テック)
・デザイン協力/シンクポート、大河広行
・タイトルデザイン/萩原栄一(bigbody)
・協力/石川恭二
・音響制作/オーディオ・プランニング・ユー
・録音スタジオ/APUスタジオ
・ミキサー/田中章喜
・アシスタントミキサー/田口信孝
・音響効果/庄司雅弘(フィズサウンド・クリエイション)
・漫画連載/戸田泰成『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)
・広報/松坂忠光(テレビ東京)、田中紀明
・制作デスク/池谷浩臣
・設定制作/兵頭一歩
・制作事務/田中久美
・企画担当/中山浩太郎
・音響監督/浦上靖夫
・音楽/中川幸太郎
・音楽プロデューサー/石川吉元
・音楽協力/テレビ東京ミュージック
・プロデューサー/東不可止(テレビ東京)、高城一典、河内山隆
・脚本/黒田洋介
・制作/サンライズ
・製作/TV TOKYO、読売広告社、サンライズ
■メインキャラクタ
・カズマ
ロストグラウンドの崩壊地区でなんでも屋をしている少年で、その過去、経歴、本名などはほとんど不明。崩壊地区にある朽ち果てた診療所で、2年前に出会った少女かなみと一緒に暮らしている。幼い頃から一人で生きてきたためか、物事に対しての決断が早い。直情的な性格で妥協や諦めを嫌い、自分の力を信じて突き進むという独自のルールで行動している。またその強い闘争心に裏打ちされた、打撃力に特化したアルター「シェルブリット」を持っている。
・劉鳳
対アルター能力者特殊部隊ホーリーの隊員で、冷徹に任務を遂行する。幼い頃は、自らの能力に戸惑う心優しく繊細な少年だったが、6年前に目の前で母親と愛犬の絶影を謎のアルター使いに殺害されたことを契機に、完全自立型アルター絶影を発現させる。以後、その優しさは影を潜め、傍若無人とも見える行動で、ロストグラウンドの秩序を乱すネイティブアルターたちに激しい憎悪を向けるようになった。また、同時に母親の殺害犯の行方を捜し求めている。
・由詑かなみ
2年前、カズマと行きずりに出会い、以来崩壊地区にある朽ち果てた診療所で同居することになった少女。両親、経歴など過去は不明。人見知りの激しい性格で、他人に対して敬語を使いカズマにしか本音で語ろうとはしない。カズマに対しては、母性愛にも似た感情を抱き、彼の日常生活をきっちりコントロールするしっかり者である。
・シェリス・アジャーニ
対アルター能力者特殊部隊ホーリーの隊員。情報関連のエキスパートで、部隊の指揮をとることもある。ネイティブアルターだった頃は、荒廃地区で自らチームを率いて生き抜いていたが、敵対勢力にチームを潰滅させられ、自身も傷つき捕えられていたところを、劉鳳に救われホーリーに入隊。以来、その身を劉鳳に捧げることを決めた健気な少女。
・君島邦彦
何でも屋への仕事の仲介業をしている崩壊地区育ちの気のいい男。その言動は、一見口が達者なお調子者のようだが、義に篤い好男子。カズマとの出会いは3年前で、最初からカズマが信頼できると直感し、以来仕事を超えた良き相棒としてつるんでいる。
・桐生水守
劉鳳の幼馴染で、ホーリーの最大スポンサー桐生忠範の令嬢。隆起現象とアルター研究のため7年ぶりに本土からロストグラウンドを訪れ、ホーリーの作戦情報処理及びアルター研究班に着任する。その目的の大半は、幼馴染以上の感情を抱いていた劉鳳との再会だったのかも知れない。
・マーティン・ジグマール
対アルター能力者特殊部隊ホーリーの隊長で、ホーリー内での全ての決定権を持つ。 最初期に発見されたアルター能力者、故に最年長のアルター能力者であるのだが、実年齢より老成して見える。そのアルター能力は絶大だが、滅多なことでは使用されることはなく、その実体を知るものは、ホーリー内でも一握りしかいない。社会でのアルター能力者の地位を固めるべくホーリー設立に乗り出し、その後も活動を続けているが、本土側の強力な圧力に対抗して目的を遂行させるためには、多少の犠牲がでることは厭わないと考えている。
・ストレイト・クーガー
対アルター能力者特殊部隊ホーリーの隊員。速さこそが力と信じる男。
・無常矜侍
本土側からロストグラウンドに派遣されてきた特別顧問代理でアルター使い。もとは劉家に潰された一族の出身で、その頃の悲惨な経験から劉家への憎しみと、力への飽くなき渇望をつのらせ、本土で自ら志願して精製を受ける。その際に、“向こう側の世界”を垣間見たことで、強力なアルター能力を有することになった。性格は嫉妬深く、陰険。その冷たい視線が語る通り、蛇のような男である。
■メインロボ・アイテム
・シェルブリット
右腕に発現する融合装着型アルター。
・絶影
自立型アルター。主に劉鳳の愛犬の体を触媒として構成され、その名を受け継いだ。
・ラディカルグッドスピード
どんな物でも最速の乗り物にする事ができる。
■サブタイトル
・第1話/カズマ(2001/07/04)
・第2話/劉鳳(2001/07/11)
・第3話/ホーリー(2001/07/18)
・第4話/ビッグ・マグナム(2001/07/25)
・第5話/桐生水守(2001/08/01)
・第6話/絶影(2001/08/08)
・第7話/橘あすか(2001/08/15)
・第8話/最悪の脚本[マッド・スプリクト](2001/08/22)
・第9話/シェルブリット(2001/08/29)
・第10話/スーパーピンチ(2001/09/05)
・第11話/アルターズ(2001/09/12)
・第12話/君島邦彦(2001/09/19)
・第13話/ロストグラウンド(2001/09/26)
・第14話/無常矜侍(2001/10/03)
・第15話/はぐれ者(2001/10/10)
・第16話/来夏月 爽(2001/10/17)
・第17話/寺田あやせ(2001/10/24)
・第18話/ストレイト・クーガー(2001/10/31)
・第19話/常夏3姉妹(2001/11/07)
・第20話/由詑かなみ(2001/11/14)
・第21話/ホーリーアイ(2001/11/21)
・第22話/マーティン・ジグマール(2001/11/28)
・第23話/シェリス・アジャーニ(2001/12/05)
・第24話/拳(2001/12/12)
・第25話/ネイティブ(2001/12/19)
・第26話/夢(2001/12/26)
■関連作品
・スクライド オルタレイション 前編 TAO
・スクライド オルタレイション 後編 QUAN
■主題歌・楽曲
・OP1
・期間/1~25
・Reckless fire
・作詞/酒井ミキオ
・作曲/鈴木Daichi秀行
・編曲/鈴木Daichi秀行
・歌/井出泰彰
・OP2
・期間/26
・Drastic my soul
・作詞/酒井ミキオ
・作曲/酒井ミキオ
・編曲/酒井ミキオ
・歌/酒井ミキオ
・ED1
・期間/1~25
・Drastic my soul
・作詞/酒井ミキオ
・作曲/酒井ミキオ
・編曲/酒井ミキオ
・歌/酒井ミキオ
・ED2
・期間/26
・旅立ちの鐘が鳴る
・作詞/酒井ミキオ
・作曲/酒井ミキオ
・編曲/酒井ミキオ
・歌/酒井ミキオ
・IN1
・期間/14、17
・All I need is love
・作詞/酒井ミキオ
・作曲/酒井ミキオ
・編曲/酒井ミキオ
・歌/酒井ミキオ
・IN2
・期間/19
・Magma
・作詞/酒井ミキオ
・作曲/鈴木Daichi秀行
・歌/井出秦彰
・IN3
・期間/25
・Discovery
・作詞/酒井ミキオ
・作曲/酒井ミキオ
・編曲/酒井ミキオ
・歌/酒井ミキオ
スクライドの魅力と評価
「スクライド」は、2001年に放送されたアニメでありながら、今なお多くのファンに愛され続けている作品です。その魅力は、何と言っても主人公カズマと劉鳳の成長と戦い、そして彼らを取り巻く壮大な物語にあります。以下では、「スクライド」の魅力と評価について詳しく解説します。
■ストーリーの魅力
「スクライド」のストーリーは、特殊能力「アルター」を持つ少年たちの戦いと成長を描いています。ロストグラウンドという隔絶された地域を舞台に、カズマと劉鳳の対立と共闘が描かれます。物語は、単なるバトルアクションだけでなく、キャラクターの内面や人間関係、そして社会的なテーマも描かれており、深みのあるストーリー展開が魅力です。
特に、カズマと劉鳳の関係性は作品の核となっています。カズマは自分の力を信じて突き進む直情的な少年であり、劉鳳は冷徹な任務遂行者でありながら、母親の仇を探す心の傷を抱えています。彼らの対立と共闘は、視聴者に強い印象を与えます。また、物語の後半では、二人の能力が「向う側の世界」への鍵となることが明らかになり、さらなるスケールの大きな展開が待ち受けています。
■キャラクターの魅力
「スクライド」のキャラクターは、それぞれが個性的で魅力的です。主人公カズマは、自分の力を信じて突き進む姿勢が視聴者に共感を呼びます。また、劉鳳の冷徹さと心の傷、かなみのしっかり者な性格、シェリスの健気さなど、各キャラクターの背景や心情が丁寧に描かれています。
特に、カズマと劉鳳の関係性は作品の魅力を引き立てる重要な要素です。彼らの対立と共闘は、視聴者に強い印象を与えます。また、君島邦彦や桐生水守などのサブキャラクターも、物語に深みを与える重要な役割を果たしています。
■バトルシーンの魅力
「スクライド」のバトルシーンは、アルターという特殊能力を駆使した迫力ある戦闘が魅力です。カズマの「シェルブリット」や劉鳳の「絶影」など、各キャラクターのアルターが個性的で、視覚的に楽しめるバトルが展開されます。また、物語の後半では、二人の能力が「向う側の世界」への鍵となることが明らかになり、さらなるスケールの大きな展開が待ち受けています。
■音楽の魅力
「スクライド」の音楽は、作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素です。オープニングテーマ「Reckless fire」やエンディングテーマ「Drastic my soul」は、視聴者の心を捉える力強い曲となっています。また、挿入歌「All I need is love」や「Magma」なども、物語の展開に合わせて感情を揺さぶる効果を発揮しています。
■評価と推薦
「スクライド」は、ストーリー、キャラクター、バトルシーン、音楽など、全ての要素が高水準でまとまっており、視聴者に強い印象を与える作品です。特に、主人公カズマと劉鳳の成長と戦い、そして彼らを取り巻く壮大な物語は、視聴者に感動と興奮を提供します。
この作品は、バトルアクションが好きな人だけでなく、深いストーリーとキャラクターの成長を楽しみたい人にもおすすめです。また、2001年に放送された作品でありながら、今なお多くのファンに愛され続けていることからも、その魅力の高さが伺えます。
「スクライド」は、視聴者に感動と興奮を提供する、まさに「力と闘争の物語」です。ぜひ、この作品を視聴して、その魅力を体感してみてください。 |