YAMATO2520：宇宙戦艦ヤマトシリーズのOVA版を徹底評価、西崎義展と白土武の監督作品として

YAMATO2520 - 宇宙戦艦ヤマトシリーズの新たな挑戦

■概要

『YAMATO2520』は、1995年にOVAとしてリリースされた『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの続編作品です。星暦2520年を舞台に、地球連邦とセイレーン連邦の対立を描いたオリジナルビデオアニメーションです。全7巻もしくは全9巻での発売が予定されていましたが、製作サイドの事情により第3巻までしか発売されず、未完結のままとなっています。

■ストーリー

星暦2520年、地球の移民星である惑星リンボスはセイレーン連邦の圧政下にあり、閉鎖的な生活を余儀なくされていました。そんな中、少年ナブは山中に埋もれていた第17代宇宙戦艦YAMATOの中でデータディスクを発見します。このデータディスクには、ヤマトの設計データだけでなく、超古代文明の秘密も記録されていました。ナブと仲間たちは、このデータを基にリンボス脱出のための船「第18代宇宙戦艦YAMATO」を建造します。しかし、そのデータをめぐって地球連邦とセイレーン連邦の争いが勃発し、ナブたちは大きな戦いに巻き込まれていくことになります。

■解説

『YAMATO2520』は、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの続編として制作されました。第1作から約300年後の未来を舞台に、地球連邦とセイレーン連邦の対立を描いています。監督は西崎義展と影山楙倫、総監督は白土武が務め、企画・原作・製作総指揮は西崎義展が担当しました。キャラクターデザインには窪岡俊之や北爪宏幸、メカニックデザインには小林誠や竹内敦志など、豪華なスタッフが集結しています。また、音楽監督には羽田健太郎、作曲にはデビッド・マシューズが参加し、壮大な音楽が物語を盛り上げています。

■キャスト

主人公ナブ・エンシェント役には錦織一清、マーシィ・シマ役には桜井智、アガ・セリーヌ役には松本保典がキャスティングされました。彼らの演技が物語を引き立て、視聴者に深い感動を与えています。

■メインスタッフ

企画、原作、製作総指揮：西崎義展
フューチャーコンセプトデザイン：シド・ミード
ヤマトオリジナルデザイン：松本零士
総監督：白土武
監督：西崎義展、影山楙倫
監修：舛田利雄
脚本：平野靖士、山本暎一、西崎義展
キャラクターデザイン：窪岡俊之、北爪宏幸、つなきあき、長野伸明、宇田川一彦
メカニックデザイン：小林誠、竹内敦志、橋本敬史
作画監督：宇田川一彦、橋本敬史
美術監督：竹田悠介、高遠和茂
絵コンテ：前田真宏、白土武、影山楙倫
作曲・編曲：デビッド・マシューズ
音楽監督：羽田健太郎
制作：スタジオ テイク・オフ、STUDIO YAMATO
製作、著作、発売：ボイジャーエンターテインメント
販売：バンダイビジュアル

■メインキャラクタ

ナブ・エンシェント
主人公。惑星リンボスに住む少年グループのリーダー。セイレーン連邦の圧政に辟易する中、第17代宇宙戦艦YAMATOのデータディスクを発見。これがきっかけで地球連邦とセイレーン連邦の争いに巻き込まれていく。第18代宇宙戦艦YAMATOでは戦闘班長を担当。

マーシィ・シマ
ナブの幼なじみ。コンピューター技術に精通した少女。第18代宇宙戦艦YAMATOではコンピュータオペレーターとして情報解析を担当。

アガ・セリーヌ
ナブのライバルの少年。ナブに反感を持ちつつも第18代宇宙戦艦YAMATOの建造に協力、機関長を担当することに。

■メインロボ・アイテム

第18代宇宙戦艦YAMATO
地球連邦の第17代宇宙戦艦YAMATOの設計データを基に、セイレーンの技術も加えられて惑星リンボスの自動造船工場で建造された。主機関にセイレーン製モノポールエンジンを1基、地球製の波動エンジンを2基装備しており、外観的にも技術的にも地球側とセイレーン側の両陣営の折衷となっている。武装は艦首マルチモード波動砲のほか主砲12基などを備える。

■サブタイトル

・Vol.1／「明日への希望」(1995/01/21)
・Vol.2／「YAMATO発進!! 」(1995/12/18)
・Vol.3／「戦闘」(1996/08/25)
・Vol.4／「 古代遺跡の謎」(未発売)
・Vol.5／「 惑星宇宙船」(未発売)
・Vol.6／「 宇宙存亡の危機」(未発売)
・Vol.7／「 ビックバン　最後の選択」(未発売)

■関連作品

・TVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』
・TVアニメ『宇宙戦艦ヤマト2』
・TVアニメ『宇宙戦艦ヤマトIII』
・TVアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』
・劇場アニメ『宇宙戦艦ヤマト』
・劇場アニメ『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』
・劇場アニメ『ヤマトよ永遠に』
・劇場アニメ『宇宙戦艦ヤマト 完結編』
・劇場アニメ『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』
・劇場アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』
・劇場アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』
・劇場アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』

■主題歌・楽曲

OP1
・All That I Need is You(アメシスのテーマ)
・歌／キャロリン・レンハート

IM1
・明日の君を守りたい ～YAMATO2520～
・作詞／工藤哲雄
・作曲／都志見隆
・編曲／白井良明
・歌／TOKIO

IM2
・永遠の星座
・作詞／山田ひろし
・作曲／住吉中
・編曲／重実徹
・歌／TOKIO

■評価と感想

『YAMATO2520』は、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの新たな挑戦として注目されました。特に、星暦2520年という未来を舞台にすることで、シリーズの新たな可能性を追求しています。ナブたちの冒険と成長、そして地球連邦とセイレーン連邦の対立を通じて描かれるテーマは、視聴者に深い感動を与えます。また、豪華なスタッフとキャストが集結したことで、映像や音楽も非常に高品質です。

しかし、製作サイドの事情により未完結となってしまったことは非常に残念です。もし全巻が発売されていたら、さらに深いストーリーとキャラクターの成長が描かれていたことでしょう。それでも、第3巻までに描かれた内容は十分に魅力的であり、ファンにとっては貴重な作品となっています。

■推薦ポイント

『YAMATO2520』は、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズのファンだけでなく、SFアニメやアドベンチャーアニメが好きな人にもおすすめです。特に、未来の宇宙を舞台にした壮大なストーリーと、キャラクターたちの成長に焦点を当てた展開は、視聴者を引き込む力があります。また、シド・ミードや松本零士といった豪華なスタッフによるデザインも見逃せません。

さらに、音楽も大きな魅力の一つです。デビッド・マシューズの作曲と羽田健太郎の音楽監督による壮大なサウンドは、物語の雰囲気を一層引き立てています。TOKIOの歌う主題歌も印象的で、視聴後の余韻を深めてくれます。

未完結という点は残念ですが、それでも『YAMATO2520』は『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの新たな魅力を感じられる作品です。ぜひ一度、視聴してみてください。