NINKU -忍空- 特別編「ナイフの墓場」レビュー：忍者の戦いと感動の物語

NINKU -忍空-<特別編>「ナイフの墓場」 - ニンクウトクベツヘンナイフノハカバ - の詳細な評測と推薦

■公開メディア

イベント

■原作メディア

漫画

■公開日

1994年11月06日 ～ 0000年01月01日

■初出方法

集英社

■分数

43分

■話数

1話

■原作

・原作／桐山光侍

■監督

・監督／阿部紀之

■制作

・制作／読売広告社、スタジオぴえろ

■著作

©1995　桐山光侍／集英社

■ストーリー

終戦の傷跡が各地にまだ残るEDO歴４年。気ままに旅をしていた元忍空の風助、藍_、橙次。そんな彼らが乗る小型飛行機が突然の不具合である村の付近に不時着。そんな事情で立ち寄った天原村は、螺旋龍率いる海賊により、村人が囚われていた。その村で風助は、戦友であった栄治の妹・麻琴と出会い、栄治の遺品のナイフを彼女に返す。その矢先、麻琴が螺旋龍一派の海賊に攫われてしまい、風助たちは敵地へと彼女を助けにいく。

■解説

1994年10月から始まった集英社主催のイベント「ジャンプ・スーパー・アニメツアー'95」にて公開された劇場用短編アニメ。集英社刊行「週刊少年ジャンプ」にて桐山光侍が執筆していた『NINKU -忍空-』が原作となっている。ＴＶアニメ放送スタート以前に公開された貴重な映像作品で、当時、ＶＨＳビデオでのレンタル販売もされた。同時上映作品は『キャプテン翼 最強の敵！オランダユース』。

■キャスト

・風助／松本梨香
・藍眺／真殿光昭
・橙次／小杉十郎太
・麻琴／林原めぐみ
・螺旋龍／谷口節
・佐吉／石田彰
・大介／城山堅
・中次／大川透
・小政／鈴木勝美
・暁海／小関一

■メインスタッフ

・原作／桐山光侍
・企画／週刊少年ジャンプ編集部、集英社メディアミックス編集部、集英社宣伝部
・音楽／本間勇輔
・脚本／橋本裕志
・絵コンテ／阿部紀之
・演出／水野和則
・アニメーションキャラクターデザイン／北山真理、西尾鉄也
・作画監督／西尾鉄也
・美術監督／長崎斉
・撮影監督／福島敏行
・音響監督／水元完
・プロデューサー／大野実（読売広告社）、木村京太郎（読売広告社）、萩野賢（スタジオぴえろ）
・監督／阿部紀之
・制作／読売広告社、スタジオぴえろ
・製作・著作／集英社
・ED1
・「それでも明日はやってくる」
・作詞／鈴木結女
・作曲／鈴木結女
・編曲／崩場将夫
・歌／鈴木結女
・（メディアレモラス）

■メインキャラクタ

・風助
元忍空組1番隊隊長・子忍で、「風の風助」と呼ばれている小柄な少年。常にツバを後ろに向けて被っているキャップ帽とドングリ眼が特徴。しばしば舌も口からはみ出す。基本は争いごとを嫌い、平和を好むが、戦闘になれば敵に容赦ない攻撃を加えることも。

・藍_
元忍空組10番隊隊長・酉忍。二つ名は「空の藍_」。戦争中に人間不信に陥るが、風助と橙次と出会い、忍空組となる。性格は男らしく荒っぽい。ちなみに女嫌いでもある。元不良でもあり、ガンの付け方と口の悪さは天下一品。

・橙次
元忍空組6番隊隊で、巳忍。「大地の橙次」とも呼ばれる。温厚でおおざっぱな性格の青年で、周囲からの人望も厚い。白いフンドシがトレードマークで、戦闘時になると、なぜか必ずフンドシ姿になる。大地に潜むエネルギーを指先に溜めて、攻撃を繰り出す。大の女好き。

・麻琴
ヒロイン。風助の戦友であった栄治の妹。天原村に住む少女だが、螺旋龍率いる海賊の目を逃れるため、男装していた。性格は勝気で、女だてらに打倒・螺旋龍を掲げている。

・螺旋龍
天原村を制圧する海賊の首領。元忍空組5番隊辰忍の生き残り。麻琴を人質にとり、彼女を救出に来た者を殺害してしまう。その後、本気を出した風助にあっさり倒される。

■主題歌・楽曲

・ED1
・「それでも明日はやってくる」
・作詞／鈴木結女
・作曲／鈴木結女
・編曲／崩場将夫
・歌／鈴木結女
・（メディアレモラス）

・IN1
・「Ｊａｓｍｉｎ」
・作詞／桂花
・作曲／西司
・編曲／深井克則
・歌／西司
・（メディアレモラス）

詳細な評測

『NINKU -忍空-<特別編>「ナイフの墓場」』は、1994年に公開された短編アニメであり、原作は桐山光侍による『NINKU -忍空-』である。この作品は、集英社主催の「ジャンプ・スーパー・アニメツアー'95」の一環として上映され、当時としては珍しいイベント上映形式を採用した。さらに、ＶＨＳビデオでのレンタル販売も行われ、ファンにとっては貴重な映像作品となった。

ストーリーは、終戦後のEDO歴４年を舞台に、元忍空の風助、藍_、橙次が小型飛行機の不具合で天原村に不時着する場面から始まる。天原村は螺旋龍率いる海賊によって制圧されており、風助はそこで戦友の妹・麻琴と出会う。麻琴が海賊に攫われたことをきっかけに、風助たちは彼女を救出するために敵地へと向かう冒険が展開される。このストーリーは、友情や正義、そして戦後の混乱を描いたものであり、原作の世界観を忠実に再現している。

キャラクターの描写も見事で、特に風助のキャラクターは原作の魅力をそのままにアニメ化されている。風助は小柄な少年ながらも強い意志を持ち、争いを好まないが、必要とあれば容赦なく敵を倒す姿が印象的だ。また、藍_の人間不信から立ち直る過程や、橙次の温厚な性格と戦闘時のフンドシ姿など、各キャラクターの個性がしっかりと描かれている。麻琴の勝気な性格や螺旋龍の冷酷さも、物語を盛り上げる重要な要素となっている。

キャストも豪華で、風助役の松本梨香、藍_役の真殿光昭、橙次役の小杉十郎太、麻琴役の林原めぐみなど、声優陣の演技がキャラクターの魅力を引き立てている。特に、林原めぐみの麻琴の声は、彼女の強さと脆さを絶妙に表現しており、視聴者の心を捉える。

スタッフ面でも、監督の阿部紀之をはじめ、脚本の橋本裕志、音楽の本間勇輔など、経験豊富なメンバーが集結している。阿部紀之の演出は、原作の雰囲気を損なわずにアニメーションとして昇華させており、特に戦闘シーンの迫力は見事だ。また、本間勇輔の音楽は、物語の緊張感や感動を引き立てる重要な役割を果たしている。

主題歌「それでも明日はやってくる」は、鈴木結女の歌声が物語のテーマを象徴しており、視聴者の心に深く響く。挿入歌「Ｊａｓｍｉｎ」も、西司の歌声が物語の雰囲気を盛り上げる一助となっている。

推薦内容

『NINKU -忍空-<特別編>「ナイフの墓場」』は、原作ファンだけでなく、アクションや冒険ものが好きな人にもおすすめできる作品だ。特に、友情や正義をテーマにした物語が好きな人には、風助たちの冒険が心に響くことだろう。また、キャラクターの個性がしっかりと描かれているため、キャラクターに感情移入しやすい点も魅力の一つである。

この作品を楽しむためには、原作の『NINKU -忍空-』を読んでおくと、より深く理解できるだろう。原作では、風助たちの過去や忍空組の詳細が描かれており、アニメの背景を知ることで、物語の深みを感じることができる。また、同じく集英社の「ジャンプ・スーパー・アニメツアー'95」で上映された『キャプテン翼 最強の敵！オランダユース』も併せて視聴すると、当時のイベントの雰囲気を味わうことができるだろう。

さらに、この作品をきっかけに、他の忍者をテーマにしたアニメや漫画にも興味を持つことができる。例えば、『NARUTO -ナルト-』や『BLEACH』など、忍者や戦闘を描いた作品は数多く存在し、それぞれが異なる魅力を持っている。『NINKU -忍空-』のファンなら、そうした作品も楽しめるだろう。

最後に、この作品はＶＨＳビデオでのレンタル販売が行われていたが、現在では入手が難しくなっている。しかし、ファンサイトや中古市場を利用すれば、まだ見つけることができるかもしれない。もし見つけたら、ぜひ視聴してみてほしい。『NINKU -忍空-<特別編>「ナイフの墓場」』は、短いながらも濃密なストーリーと魅力的なキャラクターが詰まった、見逃せない作品である。