ビリ犬の魅力と評価：アニメレビュー

ビリ犬 - 藤子不二雄Aの愛すべきケン族たち

■概要

1988年から1989年にかけて放送された『ビリ犬』は、藤子不二雄Aの原作によるTVアニメシリーズです。犬に似た外見で、翼のような大きな耳で空を飛び、人間と犬の言葉がわかる不思議な生物・ケン族の一員であるビリ犬が主人公です。ビリ犬は雨森タツオとテツオの兄弟の家に居候し、親友のガリ犬たちと共に、町の人々や飼い犬たちの問題を愉快に解決していく物語です。

■放送情報

『ビリ犬』は1988年7月11日から1989年3月27日まで、テレビ朝日系で毎週月曜日の19時から19時20分に放送されました。全32話で、各話20分の1話完結形式です。放送枠は「藤子不二雄ワールド」内で、低年齢層をターゲットにした作品として制作されました。

■ストーリー

ビリ犬は、犬に似た外見で、翼のような大きな耳を持ち、空を飛ぶことができるケン族の一員です。ある日、ビリ犬は雨森タツオとテツオの兄弟の家に居候することになります。ビリ犬の後を追ってきた親友のガリ犬たちも加わり、町の人々やその飼い犬たちをめぐる様々な問題を、愉快に解決していく物語です。ビリ犬たちの活躍を通じて、友情や助け合いの大切さを描いています。

■キャラクター

ビリ犬（声：野沢雅子） - 主人公のケン族。好奇心旺盛で、町の人々や飼い犬たちの問題を解決するために奮闘します。
ガリ犬（声：山田栄子） - ビリ犬の親友。計算が得意で、ビリ犬のサポート役として活躍します。
タツオ（声：麻上洋子） - 雨森家の長男。ビリ犬と一緒に冒険を楽しみます。
テツオ（声：富永みーな） - 雨森家の次男。タツオと共にビリ犬の冒険に参加します。
鳥野博士（声：肝付兼太） - ケン族の研究者。ビリ犬たちの良き理解者です。
ヨウコ（声：水谷優子） - 雨森家の近所に住む少女。ビリ犬たちと友達になります。
ホネヒコ（声：飛田展男） - 骨を愛するケン族。ビリ犬たちの仲間です。
ダンキチ（声：茶風林） - ケン族のリーダー的存在。ビリ犬たちを導きます。
マメオ（声：柏倉つとむ） - 小さなケン族。ビリ犬たちの仲間です。
パパ（声：小出和明） - 雨森家の父親。ビリ犬たちを温かく迎え入れます。
ママ（声：羽村京子） - 雨森家の母親。ビリ犬たちの良き理解者です。
トド犬（声：塩屋翼） - ケン族の一員。ビリ犬たちの仲間です。

■スタッフ

原作：藤子不二雄A
連載：小学館の学習雑誌、てれびくん、コロコロコミック
プロデューサー：波多野正美（テレビ朝日）、児玉征太郎（シンエイ動画）
制作事務：古賀真貴子
制作デスク：小倉久美、千葉茂夫
文芸：滝原弥生
脚本：城山昇、山本優ほか
総監督：笹川ひろし
監督：西村純二
演出、絵コンテ：青木康直、西村純二ほか
作画監督：なかじまちゅうじほか
原画：スタジオリバティー、高橋敏雄、上杉道史、鈴木澄江、山下明彦、山形厚史、富田悦子、遠藤麻未ほか
動画検査：本橋秀之、鍋田やす子ほか
動画：スタジオZ5、中山洋子、菅原なみ子、福田紀子、スタジオシグナル、スタジオリバティー、鍋田やす子、佐藤直子、牛田貞俊、松田暁美、スタジオディーン、原育子、石津和子、川上早苗、林建一ほか
美術監督：天水勝
撮影監督：山田廣明
編集：岡安肇、小島俊彦
音楽：稲川徹
OP「ビリビリビリ犬」：作詞／藤子不二雄A、作曲／市川昭介、編曲／高田弘、歌／野沢雅子、コロムビアレコード
録音監督：小林克良
制作協力：スタジオディーン
制作：テレビ朝日、旭通信社、シンエイ動画

■エピソード

第1話：おかしな犬がやってきた（1988/07/11）
第2話：花火ケ丘の犬じまん（1988/07/18）
第3話：ガリ犬は計算大すき（1988/07/25）
第4話：ぼくたちの家は空の上（1988/08/01）
第5話：代役はおまかせ!?（1988/08/15）
第6話：鳥野博士が飛んできた（1988/08/22）
第7話：ワンワン子守うた（1988/08/29）
第8話：ダブが飛んだ!?（1988/09/05）
第9話：マロこそスター!（1988/09/12）
第10話：人間飛行発射マシン（1988/09/19）
第11話：頭が重くなったガリ犬（1988/09/26）
第12話：注射はコワイ!（1988/10/10）
第13話：アルバイトはおまかせ（1988/10/17）
第14話：カワイコちゃんにはかなわない（1988/10/24）
第15話：ウサギ犬はつらいよ（1988/11/14）
第16話：桃太郎博士がやってきた（1988/11/21）
第17話：自転車なんか大キライ（1988/11/28）
第18話：ゴングでカンガルー（1988/12/05）
第19話：恋するダブ?（1988/12/12）
第20話：巨大コウモリ現わる（1988/12/19）
第21話：これで安心!郵便配達（1988/12/26）
第22話：これが空とぶタコだわさ（1989/01/09）
第23話：ドカのノド自慢（1989/01/16）
第24話：わんわんグルメ（1989/01/23）
第25話：とんでもトド犬（1989/02/06）
第26話：ラッキー!!トド犬（1989/02/13）
第27話：トド犬、引っぱりダコ（1989/02/20）
第28話：カレーがいっぱい（1989/02/27）
第29話：恋の早朝トレーニング（1989/03/06）
第30話：一番湯じいさん（1989/03/13）
第31話：ラジコンを取り返せ!（1989/03/20）
第32話：飛べ自転車号!（1989/03/27）

■評価と感想

『ビリ犬』は、藤子不二雄Aの独特な世界観とユーモアが詰まった作品です。ケン族という不思議な生物を中心に、友情や助け合いの大切さを描いたストーリーは、子供たちに多くの教訓を与えます。また、ビリ犬やガリ犬などのキャラクターは、個性的で愛されやすいデザインが特徴です。特にビリ犬の好奇心旺盛な性格や、ガリ犬の計算好きな一面は、視聴者に強い印象を与えます。

アニメーションのクオリティも高く、シンエイ動画の技術力が光ります。作画監督のなかじまちゅうじをはじめとするスタッフの努力により、各エピソードが丁寧に描かれています。また、音楽も稲川徹の作曲によるもので、OPテーマ「ビリビリビリ犬」は野沢雅子の歌唱により、作品の雰囲気を盛り上げています。

放送当時は低年齢層をターゲットにした作品として制作されましたが、その内容は大人でも楽しめるものとなっています。特に、ビリ犬たちが町の人々や飼い犬たちの問題を解決していく過程には、ユーモアと感動が詰まっています。各エピソードごとに異なる問題を取り上げることで、視聴者に新鮮な驚きを提供し続けました。

■推薦

『ビリ犬』は、藤子不二雄Aのファンだけでなく、家族全員で楽しめる作品です。特に子供たちには、友情や助け合いの大切さを学ぶ良い機会となるでしょう。また、ビリ犬やガリ犬などのキャラクターは、子供たちの心を捉える魅力を持っています。アニメーションのクオリティも高く、ストーリーもユーモアと感動が詰まっているため、大人でも楽しめる作品です。ぜひ一度、視聴してみてください。

■関連作品

『ビリ犬』は、藤子不二雄Aの他の作品とも関連性があります。特に『ウルトラB』は、同時期に放送された低年齢向けの作品であり、同じくシンエイ動画が制作しています。また、藤子不二雄Aの他の作品である『パーマン』や『忍者ハットリくん』も、ユーモアと感動が詰まった作品として知られています。これらの作品も合わせて視聴することで、藤子不二雄Aの世界観をより深く理解することができるでしょう。