象のいない動物園：期待を裏切るユニークな物語とキャラクターの魅力

象のいない動物園 - ゾウノイナイドウブツエン

■公開メディア

劇場

■原作メディア

絵本

■公開日

1982年03月20日～ 0000年01月01日

■配給会社

日本ヘラルド映画

■映倫番号

110668

■分数

78分

■話数

1話

■監督

・監督／前田庸生

■制作

・製作／ヘラルド・エンタープライズ、グループ・タック
・製作／古川博三、田代敦巳

■著作

©NIPPON HERALD FILMS，INC．

■ストーリー

戦争のために殺された多くの動物たち。このお話は、本当にあったエピソードをもとに作られました。戦争が激しくなった昭和18年、爆撃のために動物園の動物たちが町へ逃げ出したら危険だということで、多くの動物たちが次々に殺されました。この映画はその時のかなしい出来事と、戦争が終わり、焼跡の中でけなげに生きる子供たちの“象を見たい”という熱意が、ついにインドの首相や政府を動かし、象を呼びよせるまでを描いています。

■キャスト

・常田富士男
・野沢雅子
・梶哲也
・槐柳二
・二見忠男

■メインスタッフ

・監督／前田庸生
・脚本／斎藤憐
・キャラクターデザイン設定／永島慎二
・音楽／クニ河内
・作詞／荒木とよひさ
・プロデューサー／宇田川東樹
・製作／古川博三、田代敦巳
・企画／篠崎順、伊藤正昭
・協力／上野動物園
・製作協力／シネマワーク、東急レクリエーション
・製作／ヘラルド・エンタープライズ、グループ・タック

■関連作品

・文部省選定
・東京都知事推奨
・中央児童福祉審議会推薦
・中央青少年団体連絡協議会推薦
・日本PTA全国協議会特別推薦
・青少年映画審議会推薦

象のいない動物園 - ゾウノイナイドウブツエン評測と推薦

「象のいない動物園」は、1982年に公開された日本のアニメーション映画であり、その背景には戦争の悲劇と子供たちの純粋な願いが描かれています。この映画は、戦争によって動物園の動物たちが殺された実話を基にしており、戦争の残酷さと人間の希望を描いた作品です。以下では、この映画の詳細な評測と推薦を行います。

ストーリーの深さと感動

「象のいない動物園」は、戦争の影響で動物園の動物たちが殺されるという悲劇的な出来事から始まります。昭和18年、東京大空襲の危険性から動物園の動物たちが町に逃げ出すことを防ぐために、多くの動物が殺されました。この映画は、その悲劇的な出来事を描きつつ、戦争が終わった後の焼け野原の中で生きる子供たちの「象を見たい」という純粋な願いを通じて、希望と再生の物語を描いています。

特に印象的なのは、子供たちがインドの首相や政府に手紙を送り、ついに象を日本に呼び寄せるまでの過程です。このエピソードは、子供たちの純粋な心と行動力がどれほど大きな影響を及ぼすかを示しており、観客に深い感動を与えます。戦争の悲劇と子供たちの希望という対比が、物語に深みと感動を与えています。

キャラクターの魅力

この映画のキャラクターは、戦争の影響を直接受けた子供たちを中心に描かれています。特に、主人公の子供たちは、戦争の恐怖と困難の中でも希望を失わず、象を見たいという夢を追い続ける姿が描かれています。彼らの純粋さと強さは、観客に強い印象を与えます。

また、常田富士男、野沢雅子、梶哲也、槐柳二、二見忠男といった声優陣の演技も見事で、キャラクターの感情をリアルに表現しています。特に、子供たちの声優たちは、戦争の恐怖と希望を交錯させる難しい役を演じきっており、映画の感動を一層深めています。

映像と音楽

「象のいない動物園」の映像は、戦争の悲惨さと子供たちの希望を対比させるために、巧みに使われています。戦争のシーンでは、暗い色調と荒廃した風景が描かれ、子供たちのシーンでは明るい色調と希望に満ちた風景が描かれています。この対比が、物語のテーマを視覚的に強調しています。

音楽もまた、物語の感動を高める重要な要素です。クニ河内の音楽と荒木とよひさの作詞による主題歌は、子供たちの純粋な心と希望を象徴しており、観客の心を揺さぶります。特に、象が日本に到着するシーンでの音楽は、感動的なクライマックスを演出しています。

監督とスタッフの功績

監督の前田庸生は、この映画で戦争の悲劇と子供たちの希望を巧みに描き出しました。前田監督の演出は、戦争の恐怖と子供たちの純粋な心を対比させることで、観客に深い感動を与えています。また、脚本の斎藤憐も、戦争の悲劇と子供たちの希望を描くストーリーを巧みに構築しており、映画の感動を一層深めています。

キャラクターデザイン設定の永島慎二も、子供たちの表情や動きをリアルに描き出し、観客に感情移入させることに成功しています。また、製作の古川博三と田代敦巳、プロデューサーの宇田川東樹、企画の篠崎順と伊藤正昭、協力の上野動物園、製作協力のシネマワークと東急レクリエーション、製作のヘラルド・エンタープライズとグループ・タックといったスタッフの協力も、映画の完成度を高める重要な要素となっています。