『宇宙円盤大戦争』の魅力と評価：見逃せないSFアニメの傑作

宇宙円盤大戦争 - ウチュウエンバンダイセンソウ

■公開メディア

劇場

■原作メディア

アニメオリジナル

■公開日

1975年07月26日 ～ 0000年01月01日

■配給会社

東映動画

■映倫番号

23864

■分数

30分

■話数

1話

■原作

永井豪・ダイナミックプロ

■監督

芹川有吾

■制作

東映動画

■ストーリー

ヤーバン大王軍に故郷・フリード星を滅ぼされたデューク・フリード王子は敵の追撃を逃れて地球にたどりつき、宇門大介を名乗って平和に暮らしていた。しかし侵略の魔の手はついに地球にも及び、デュークは元の姿に戻れば、もう宇門大介に戻れない事を承知で地球を護る為、UFOロボ・ガッタイガーに乗り込んで侵略軍に立ち向かう。

■解説

1975年7月に公開された「東映まんがまつり」のうちの１作。ロボットアニメに、当時ブームだった「空飛ぶ円盤（ＵＦＯ）」の要素を取り入れた。テレビアニメ『ＵＦＯロボ　グレンダイザー』の原型となったオリジナルアニメ。そのため、楽曲やストーリーの一部が『グレンダイザー』に流用されている。

■キャスト

・デューク・フリード/宇門大介／ささきいさお
・王女テロンナ／小原乃梨子
・牧野ひかる／松島みのり
・牧野吾郎／清水マリ
・牧野幸造／大竹宏
・宇門源蔵／久松保夫
・ブラッキー隊長／内海賢二

■メインスタッフ

・製作／今田智憲
・企画／有賀健、勝田稔男
・原案／サクール・バーン
・原作／永井豪、ダイナミック・プロ
・脚本／上原正三
・音楽／菊池俊輔
・美術監督／内川文広
・美術設定／辻忠直
・作画監督／飯野皓
・演出／芹川有吾

・主題歌
「戦え! 宇宙の王者」
作詞／保富康午
作曲／菊池俊輔
歌／ささきいさお、こおろぎ'73

・副主題歌
「もえる愛の星」
作詞／保富康午
作曲／菊池俊輔
歌／ささきいさお、コーポレーション3

■メインキャラクタ

・デューク・フリード／宇門大介
ヤーバン大王率いる侵略軍に軍に故郷・フリード星を滅ぼされた王子。地球に逃げ延び、宇門大介として暮らしている。

・王女テロンナ
ヤーバン大王の娘で、デュークのかつての恋人。地球侵略軍の総司令官。

・牧野ひかる
宇門大介が身を寄せている牧野牧場の娘。

・牧野吾郎
牧野ひかるの弟。

・牧野幸造
ひかると吾郎の父。牧野牧場の経営主で、大のUFOマニア。

・宇門源蔵
宇門宇宙科学研究所所長。フリード星から逃げ延びたデュークを保護し、自分の息子として見守る。

・ブラッキー隊長
王女テロンナの側近。武闘派。

■関連作品

同時上映
・『ちびっ子レミと名犬カピより　家なき子』
・『グレートマジンガー対ゲッターロボＧ　空中大激突』
・『仮面ライダーストロンガー』
・『秘密戦隊ゴレンジャー』
・『がんばれ!!ロボコン　ゆかいな仲間』
・『野生のエルザ』

宇宙円盤大戦争 - ウチュウエンバンダイセンソウ 評論

1975年7月に公開された「宇宙円盤大戦争」は、東映まんがまつりの枠内で上映された作品であり、永井豪とダイナミックプロによる原作を基にしたアニメオリジナル作品である。この作品は、当時ブームだったUFOの要素を取り入れたロボットアニメとして注目を集め、後のテレビアニメ『UFOロボ グレンダイザー』の原型となった。そのため、楽曲やストーリーの一部が『グレンダイザー』に流用されている点も見逃せないポイントである。

物語は、ヤーバン大王軍によって故郷のフリード星を滅ぼされたデューク・フリード王子が、地球に逃げ延びて宇門大介として平和に暮らすところから始まる。しかし、侵略の魔の手が地球にも及ぶ中、デュークは元の姿に戻ることを決意し、UFOロボ・ガッタイガーに乗り込んで侵略軍に立ち向かうというものである。このストーリーは、英雄の自己犠牲と勇気を描いた典型的なロボットアニメのパターンでありながら、UFOという新たな要素を加えることで新鮮さを感じさせるものとなっている。

キャスト面では、デューク・フリード/宇門大介役をささきいさおが務め、その声の力強さと感情表現が作品に深みを与えている。また、王女テロンナ役の小原乃梨子や、牧野ひかる役の松島みのりなど、当時の人気声優が多く参加しており、キャラクターの魅力を引き立てている。特に、ささきいさおの歌唱による主題歌「戦え! 宇宙の王者」と副主題歌「もえる愛の星」は、作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっている。

メインスタッフの面では、監督の芹川有吾や脚本の上原正三、音楽の菊池俊輔など、当時の東映動画を支えた名だたるスタッフが名を連ねている。特に、菊池俊輔の音楽は、作品の緊張感や感動を効果的に引き立てており、視聴者の心を捉える力を持っている。また、美術監督の内川文広や作画監督の飯野皓によるビジュアル面のクオリティも高く、当時の技術水準を感じさせるものとなっている。

メインキャラクターの設定も興味深い。デューク・フリードは、故郷を滅ぼされた王子でありながら、地球での新たな生活を選ぶことで人間性を感じさせるキャラクターである。一方、王女テロンナは、デュークのかつての恋人でありながら、侵略軍の総司令官として対立するという複雑な立場に置かれている。このようなキャラクターの関係性は、物語に深みを与え、視聴者を引き込む要素となっている。また、牧野ひかるや牧野吾郎、牧野幸造といった地球の人々との交流も、デュークの人間性を描く上で重要な役割を果たしている。

関連作品として、同時上映された『ちびっ子レミと名犬カピより 家なき子』や『グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突』など、東映まんがまつりの他の作品も見逃せない。これらの作品は、当時の子供たちにとって一大イベントであり、映画館で一挙に楽しむことができた点が魅力であった。また、『仮面ライダーストロンガー』や『秘密戦隊ゴレンジャー』など、特撮作品とのコラボレーションも見られ、幅広い層にアピールする内容となっていた。

推薦

「宇宙円盤大戦争」は、1975年の東映まんがまつりの一環として公開された作品であり、UFOとロボットという当時のトレンドを巧みに取り入れた作品である。特に、後の『UFOロボ グレンダイザー』の原型となった点は見逃せない。ストーリーは典型的なロボットアニメのパターンではあるが、キャラクターの人間性や関係性に深みがあり、視聴者を引き込む力を持っている。また、ささきいさおを始めとする声優陣の演技や、菊池俊輔の音楽も作品の魅力を引き立てている。

この作品を推薦する理由は以下の通りである。

• 歴史的価値：『UFOロボ グレンダイザー』の原型となった作品であり、永井豪とダイナミックプロの原作を基にしたアニメオリジナル作品として、歴史的価値が高い。
• キャラクターの魅力：デューク・フリードや王女テロンナなど、キャラクターの人間性や関係性が深く描かれており、視聴者を引き込む力がある。
• 音楽の魅力：菊池俊輔の音楽や、ささきいさおの歌唱による主題歌と副主題歌が作品の雰囲気を盛り上げ、視聴者の心を捉える力がある。
• ビジュアルのクオリティ：当時の技術水準を感じさせる美術監督の内川文広や作画監督の飯野皓によるビジュアル面のクオリティが高く、視覚的な魅力がある。
• 関連作品とのコラボレーション：同時上映された他の東映まんがまつりの作品や、特撮作品とのコラボレーションが見られ、幅広い層にアピールする内容となっている。

以上の理由から、「宇宙円盤大戦争」は、当時のトレンドを反映した歴史的価値の高い作品であり、キャラクターの魅力や音楽、ビジュアルのクオリティも高いため、ぜひ一度視聴してみることをお勧めする。また、同時上映された他の作品や関連作品も合わせて楽しむことで、当時の東映まんがまつりの雰囲気を味わうことができるだろう。