オムディア：スマートフォン用ディスプレイパネルの需要は2022年に14億2500万枚に落ち込み、前年比18％減

出典:スマートフォンディスプレイ市場トラッカー 2022年第3四半期

2022年のスマートフォン用ディスプレイパネルの需要は14億2500万枚と前年比18％減少した。これは、2021年の流行後の市場回復が期待されていたこと、ディスプレイパネルの過剰調達と高在庫、そして2022年の世界的なインフレによる消費の低迷により、携帯電話パネルの出荷に二重の打撃を与えたためである。

スマートフォン用ディスプレイパネル市場では、フレキシブル基板上の低温ポリシリコンAMOLED（LTPO-AMOLED（フレキシブル））が2022年に前年比94％増の1億4,800万枚と大幅に増加すると予測される一方、リジッドとフレキシブルを含む低温ポリシリコン（LTPS）AMOLEDは4億4,000万枚（前年比19％減）、TFT LCDは8億3,600万枚（前年比26％減）と減少すると予測されている。

オムディアのディスプレイパネル調査事業のリサーチマネージャーである早瀬宏氏は、「低消費電力のLTPO-AMOLEDを採用し、バッテリー寿命の延長やオフスクリーンディスプレイなどの付加価値を提供するiPhone 14 Proシリーズへの強い需要が、LTPO-AMOLEDの出荷を押し上げるのに貢献した」と述べた。

相対的に単価が高いLTPO-AMOLEDの出荷量増加により、技術的に先行する韓国メーカーと、これに追随する中国メーカーとの差が一時的に広がった。 2021年と2022年のスマートフォンディスプレイパネル全体の売上高は、サムスンが1位、BOEが2位、LGディスプレイが3位となっています。韓国ベンダーの収益シェアは2021年の58%から2022年には64%に増加すると予想され、中国ベンダーの総シェアは2021年の33%から2022年には29%に減少すると予想されています。

スマートフォン用ディスプレイパネル市場は、2023年には14億6,200万台（前年比3％増）と微増すると予想されています。 TFT LCDの総出荷台数は8億1,600万台（前年比2％減）で推移し、LTPS-AMOLEDの総出荷台数は4億6,​​000万台（前年比4％増）に増加すると予想され、LTPO-AMOLEDの出荷台数のみ1億8,600万台（前年比25％増）に成長すると予想されています。

「厳しい経済状況を踏まえ、消費者は価値の高い製品を慎重に選択しています。LTPO-AMOLEDがスマートフォンにもたらす低消費電力の価値は、2023年を通じてスマートフォンディスプレイパネル市場の需要を牽引し続けるでしょう」と早瀬宏氏は結論付けました。