『ストライク・ザ・ブラッド Ⅲ』レビュー：シリーズ第4弾の魅力とは？

『ストライク・ザ・ブラッド Ⅲ』の魅力と深層：全方位からの考察と推薦

『ストライク・ザ・ブラッド Ⅲ』は、2018年12月19日にOVAとしてリリースされた『ストライク・ザ・ブラッド』シリーズの第4弾であり、原作は三雲岳斗によるライトノベル『ストライク・ザ・ブラッド』。本作はワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントから販売され、CONNECTによるアニメーション制作、PROJECT STB OVAによる製作で、総話数は10話、各話25分という構成となっています。監督は山本秀世、シリーズ構成は吉野弘幸、キャラクターデザインは佐野恵一と古川英樹が担当し、音響監督は明田川仁、音楽はASSUMED SOUNDSが手掛けています。

ストーリー

『ストライク・ザ・ブラッド Ⅲ』の物語は、古城たちが本土で聖殲派の事件を解決した後、絃神島へと帰還するシーンから始まります。しかし、帰還早々、原因不明の船舶事故や航空機トラブルが相次ぎ、絃神島は孤立状態に陥ります。この異常事態の原因を風水術による軍事術式と予測する雪菜。さらに那月は、これほどの規模の術式を操る術士に心当たりがあると語ります。その術士は魔導テロ組織“タルタロス・ラプス”の一員であり、彼らが仕掛ける次なるテロの目的とは何なのか、古城たちはその謎を解き明かすために奮闘します。

キャスト

本作のキャストは、暁古城役の細谷佳正、姫柊雪菜役の種田梨沙、藍羽浅葱役の瀬戸麻沙美、暁凪沙役の日高里菜、煌坂紗矢華役の葉山いくみ、矢瀬基樹役の逢坂良太、南宮那月役の金元寿子、アスタルテ役の井口裕香、羽波唯里役の千本木彩花、斐川志緒役の本渡楓、グレンダ役の和多田美咲、ディセンバー役のLynn、カーリー役の赤尾ひかる、ロギ役の堀江瞬、千賀毅人役の鳥海浩輔と、豪華な声優陣が揃っています。

メインスタッフ

原作は三雲岳斗（電撃文庫／KADOKAWA刊）、原作イラストはマニャ子、監督は山本秀世、シリーズ構成は吉野弘幸、キャラクターデザインは佐野恵一と古川英樹、音響監督は明田川仁、音響制作はマジックカプセル、音楽はASSUMED SOUNDS、アニメーション制作はCONNECTと、各分野のプロフェッショナルが集結しています。

メインキャラクタ

主人公の暁古城は、私立彩海学園高等部に通う高校一年生。ごく普通の少年だったが、とある事件に巻き込まれ最強の吸血鬼である“第四真祖”の力を受け継ぎます。大雑把でマイペースな性格ですが、正義感が強く、親しい者の危機には自らの命を顧みない行動力を発揮します。性的興奮を覚えると鼻血を出してしまったり、女性からの好意に鈍いなど、残念な一面もあります。

姫柊雪菜は、私立彩海学園中等部に通う中学三年生。第四真祖監視の任務を与えられ、獅子王機関から派遣されてきた見習い剣巫の美少女です。古城の住むマンションの隣室に居を構え、私生活も含めて何かと世話を焼いています。クールで真面目な性格ですが、日常的に美少女に囲まれる古城に対し、ヤキモチを焼くこともあります。

藍羽浅葱は、古城のクラスメートの美少女で、“電子の女帝”の異名を持つ凄腕のハッカーです。人工島管理公社に高給で雇われており、古城に対して恋愛感情を抱いていますが、なかなか進展は見られません。当初は古城が第四真祖になってしまったことを知らされていませんでしたが、現在では彼の置かれている境遇について、ある程度は理解しています。聖殲に関わる者達からは“カインの巫女”と呼ばれ、特別な存在とされています。

南宮那月は、空間制御魔術の使い手で“空隙の魔女”と呼ばれる凄腕の国家攻魔官です。彩海学園の英語教師でもあり、古城の担任教師をしながら、彼の動向を監視したり、時には世話を焼いたりしています。少女のような幼い容姿ですが、実年齢は26歳です。

暁凪沙は、古城の妹で、雪菜とはクラスメート。人懐っこく明るい性格で、お喋りで男女問わず友人が多いです。かつて魔族同士の戦いに巻き込まれたことでトラウマを抱えており、重度の魔族恐怖症に陥っています。そのため、古城が第四真祖であることも知らされていません。かつての第四真祖の力の一部が憑依しており、表層化してトランス状態になることもあります。本土での事件以降、古城に対して恋愛に似た感情を抱いてしまうことがあり、困惑しています。

煌坂紗矢華は、獅子王機関に所属する舞威姫で、長身でスタイル抜群の美少女です。かつて雪菜とはルームメイトであり、彼女に対して実の妹のような愛情を抱いています。幼少期のトラウマにより男性が苦手ですが、古城の人となりを知ってからは、彼に対して好意を寄せるようになりました。“六式重装降魔弓(デア・フライシュッツ)”煌華麟の使い手で、単純な戦闘能力では雪菜を上回る実力者です。

千賀毅人は、天才的な風水術士です。絃神島にしかけられた大規模な術式は彼の手によるものだと那月は推測しています。

ディセンバーは、凪沙の前に現れた謎の美少女です。普段はバイク用のヘルメットで素顔を隠しており、絃神島には最近やってきたらしいです。どうやら凪沙のことを知っている様子ですが、その真意は不明です。

関連作品

『ストライク・ザ・ブラッド Ⅲ』は、『ストライク・ザ・ブラッド』シリーズの一環であり、前作の『ストライク・ザ・ブラッド』と『ストライク・ザ・ブラッドⅡ』と深く関連しています。これらの作品を視聴することで、物語の背景やキャラクターの成長をより深く理解することができます。

主題歌・楽曲

オープニングテーマは「blood and Emotions」で、作詞・作曲は岸田、歌は岸田教団＆THE明星ロケッツが担当しています。エンディングテーマは「LOVE STOIC」で、作詞はくまのきよみ、作曲は山田高弘、歌は姫柊雪菜（CV：種田梨沙）が担当しています。これらの楽曲は、物語の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっています。

評価と推薦

『ストライク・ザ・ブラッド Ⅲ』は、シリーズのファンにとって待望の続編であり、ストーリーの深化とキャラクターの成長が見事に描かれています。特に、絃神島の孤立という新たな危機と、それに対抗する古城たちの奮闘は、視聴者を引き込む力があります。また、風水術や魔導テロ組織“タルタロス・ラプス”といった新たな要素の導入は、物語に新鮮さを加えています。

キャラクターの魅力も本作の大きな魅力です。古城の成長や雪菜のヤキモチ、浅葱の恋心、那月の指導、凪沙のトラウマ、紗矢華の戦闘力など、それぞれのキャラクターが持つ個性と背景が丁寧に描かれています。また、新キャラクターのディセンバーや千賀毅人の登場も、物語に新たな展開をもたらしています。

視覚的にも、CONNECTの美麗なアニメーションと佐野恵一と古川英樹のキャラクターデザインが、物語の世界観を豊かに表現しています。音響面でも、明田川仁の音響監督とASSUMED SOUNDSの音楽が、視聴者の感情を揺さぶる重要な役割を果たしています。

『ストライク・ザ・ブラッド Ⅲ』は、シリーズのファンだけでなく、初めてこの作品に触れる人にもおすすめです。特に、吸血鬼や魔術、テロ組織といった要素が好きな人には、必見の作品と言えるでしょう。また、キャラクターの成長や人間関係の変化を楽しみたい人にも、心から推薦します。

さらに、本作を視聴する際には、前作の『ストライク・ザ・ブラッド』と『ストライク・ザ・ブラッドⅡ』を事前に視聴することをおすすめします。これにより、物語の背景やキャラクターの関係性をより深く理解することができ、より一層楽しむことができるでしょう。

最後に、『ストライク・ザ・ブラッド Ⅲ』は、ストーリーの深化、キャラクターの成長、美麗なアニメーション、魅力的な音楽など、全方位から見ても非常に高い評価に値する作品です。ぜひ、この作品を視聴し、その魅力を体感してみてください。