ムタフカズ MUTAFUKAZ - 刺激的なストーリーとビジュアルの衝撃！

『ムタフカズ』：ダーク・ミート・シティの狂騒と友情の物語

■公開メディア

劇場

■原作メディア

アニメオリジナル

■公開日

2018年10月12日 ～ 0000年01月01日

■配給会社

パルコ

■分数

94分

■話数

1話

■原作

ギョーム・“RUN”・ルナール

■監督

ギョーム・“RUN”・ルナール、西見祥示郎

■制作

アニメーション制作／STUDIO 4℃

■著作

©ANKAMA ANIMATIONS - 2017

■ストーリー

ここはDMC(ダーク・ミート・シティ)、犯罪者と貧乏人の吹き溜まり。この街に生まれ育ったアンジェリーノ・通称“リノ”は、ガイコツ頭の親友ヴィンスとボロアパートの一室に同居中。バカで臆病な友達のウィリーも交え、3人で毎日つるんでダラダラ過ごしているが、将来の見通しはない。そんなとき、リノの残念な人生を一変させる出来事が立て続けに起こる。まず、天使のような美少女ルナにひと目惚れ。直後に遭った交通事故のせいで、人間のなかに混じった奇怪な存在の幻覚を見るようになる。さらに、謎の黒服集団や武装警官に命を狙われ、街じゅうを逃げ回る羽目に。ついに絶体絶命の危機に陥ったとき、リノはスーパーパワーに目覚め、あっという間に追手どもを血祭りに上げる!

命からがら逃げ出したリノとヴィンスは、ウィリーの手引きでギャングだらけのゲットーに身を隠すが、黒服たちは執拗に追いかけてくる。映画みたいなカーチェイスを繰り広げ、死体の山が積み上がり、真っ黒でドロドロのバケモノまで現れる。一体、何が起こってるっていうんだ!?　そんなとき、リノは思いがけないところでルナと再会。しかし、それは残酷な罠だった―。

■解説

その創造性と映像のクオリティに惚れ込んだフランスのバンド・デシネ(コミック)作家のギヨーム“RUN”ルナールと、ゲーム・書籍など多彩なメディアで作品を発表する制作会社ANKAMAがラブコールを送り、海を越えたコラボレーションが実現した。それが本作『ムタフカズ』である。MUTAFUKAZ=ヒスパニック系ギャングのスラング(という設定の造語)で「マザーファッカーズ」を意味する原作コミックの物騒なタイトルどおり、中身も一筋縄ではいかない。失業者が路上に溢れ、カラーギャングが日夜抗争を繰り広げるL.A.のダウンタウンを舞台に、見た目はキュートなキャラクターたちが死にもの狂いの サバイバル劇を展開するバイオレンス・アクション巨編!それでいて等身大の若者たちの友情を描いた珠玉のバディムービーであり、度肝を抜くほどスケールの大きな侵略SFでもある。

そんな超エキセントリックな作品世界の映像化に、日本側の監督として白羽の矢が立ったのは、個性派アニメーターとして長年注目を集めてきた異才・西見祥示郎。『鉄コン筋クリート』のキャラクターデザイン・総作画監督、『下妻物語』『少年メリケンサック』のアニメパート演出、『バットマンゴッサムナイト』のエピソード監督などを経て、今回満を持して長編監督デビューを果たした。

本作では彼の驚異的ビジュアルセンスと卓抜した作画力、語り口と画作りの巧さが際立つコンテ設計、キャラクター描写へのこだわりが余すところなく発揮されている。『鉄コン』同様、美術監督・木村真二とともに創り出した架空の街“ダーク・ミート・シティ”の圧倒的ビジュアルは、本作のもうひとつの主役と言えよう。さらに日本語版のボイスキャストには、主人公アンジェリーノ役に草彅剛、その親友ヴィンス役に柄本時生、同じく友人のウィリー役に満島真之介という豪華な顔ぶれが実現!

明日をも知れない若者たちの焦燥をユーモラスに、かつ共感度たっぷりに熱演し、実写作品にも引けを取らない見事なアンサンブルを聞かせてくれる。劇中、重要な役割を担う覆面レスラーたちの声を、桜庭和志・所英男・中村大介ほか、現役の格闘家たちが凛々しく演じているのにも注目だ。テレビアニメでは到底表現できない過激でリアルなバイオレンス、既成概念にとらわれないキャラクター造形、一度見ただけでは把握できないほど緻密なディテール描写を追求した世界観は、いま日本で作られているどの映像作品よりも「自由」だ。すべてのリミッターを解除したアニメーションならではの快感が、ここにはある。

■キャスト

・アンジェリーノ／草彅剛
・ヴィンス／柄本時生
・ウィリー／満島真之介
・ルナ／上坂すみれ
・クロコ／成河
・ミスターK／柴田秀勝
・マカベ／藤井隼
・ルチャ・ウルティマ／桜庭和志、中井祐樹、所英男、中村大介
・ファゴール／木原実
・ローライダー／R-指定(Creepy Nuts)
・チャベス／DJ松永(Creepy Nuts)

■メインスタッフ

・監督／西見祥示郎
・絵コンテ／西見祥示郎
・作画監督／滝口禎一
・美術監督／木村真二
・CGI監督／坂本拓馬
・色彩設計／伊東美由樹

■メインキャラクタ

・アンジェリーノ
ダーク・ミート・シティに暮らす、22歳の名もなき若者。真っ黒で真ん丸な頭と、締めきったクールな性格のせいで変わり者扱いされている。交通事故をきっかけに幻覚を見るようになり、やがて謎の組織に追われる羽目に。生存本能に目覚めるとともに、自身も知らなかった能力が覚醒する。
・ヴィンス
アンジェリーノの親友であり、ルームメイト。骸骨頭が特徴で、その頭頂部には常に炎が揺らめいている。アンジェリーノの身に起こった以上を心配し、命がけの逃避行に付き合う羽目になる。文句は多いが友達思いのナイスガイ。
・ウィリー
アンジェリーノとヴィンスの友人。バカでおしゃべりで泣き虫で、自己中心的な臆病者だが、どこか憎めない。ゴキブリのようにしぶとい生命力と、周囲に鬱陶しがられても気にしない図太さを併せ持つ、典型的なダーク・ミート・シティの住民。
・ルナ
アンジェリーノが一目惚れするラテン系美少女。実は重大な秘密を抱えており、アンジェリーノたちが巻き込まれるドス黒い陰謀にも関わっている。
・クロコ
アンジェリーノたちを追う謎の組織の一員。執念深い性格で、何度もアンジェリーノたちに逃げられた屈辱を晴らすべく、やがて単独行動をとるようになる。
・マカベ
アンジェリーノたちを追う黒服集団のリーダー。冷徹なハートと屈強なボディを持ち、9つの命を持つとも噂される不死身の男。
・ルチャ・ウルティマ
エル・ディアブロをリーダーとする覆面レスラー集団。しかしその実態は、太古の昔から暗黒の力と戦い、先祖代々「地球の守護者」としての役割を果たしてきたアステカ戦士の子孫たちである。

■主題歌・楽曲

・ED
・「The King of DMC ～theme～」
・作詞／Redouanne Harjane、THE SIGNALIGHTS
・作曲／THE SIGNALIGHTS、Teje, Willy a.k.a. Shinnosuke Mitsushima
・編曲／Teje、THE SIGNALIGHTS
・歌／満島真之介

『ムタフカズ』の魅力と評価

『ムタフカズ』は、フランスのバンド・デシネ作家ギヨーム“RUN”ルナールと、ゲームや書籍など多彩なメディアで活躍する制作会社ANKAMAとのコラボレーションによって生まれた作品です。この作品は、ダーク・ミート・シティという架空の都市を舞台に、主人公アンジェリーノとその友人たちが巻き込まれる壮大な冒険と陰謀を描いています。以下では、この作品の魅力と評価について詳しく解説します。

ストーリーの魅力

『ムタフカズ』のストーリーは、ダーク・ミート・シティという犯罪と貧困が蔓延する街を舞台にしています。主人公のアンジェリーノは、交通事故をきっかけに幻覚を見るようになり、謎の組織に追われることになります。この設定は、視聴者を引き込む力強い導入部となっています。また、物語は単なるアクションだけでなく、友情や生存本能、そして自身の能力の覚醒といったテーマを描いており、深みのあるストーリー展開が魅力です。

特に、アンジェリーノとヴィンス、ウィリーの友情は、ユーモラスでありながらも感動的なシーンが多く、視聴者の心を捉えます。さらに、ルナという美少女との出会いや再会を通じて、物語は一層複雑さを増し、視聴者を飽きさせません。最後のクライマックスでは、アンジェリーノのスーパーパワーが覚醒し、追手たちを圧倒するシーンは、視覚的にも非常にインパクトがあります。

ビジュアルと映像表現

本作のビジュアルは、監督の西見祥示郎の卓越したビジュアルセンスと作画力が光っています。ダーク・ミート・シティの圧倒的なビジュアルは、美術監督の木村真二とのコラボレーションによって生み出され、作品の世界観を強く印象付けます。特に、街のディテールやキャラクターのデザインは、一見キュートでありながらもバイオレンスなシーンとのギャップが絶妙で、視覚的な衝撃を与えます。

また、CGI監督の坂本拓馬によるCGI表現も見事で、映画のようなカーチェイスや戦闘シーンは、リアルさとエキセントリックさを兼ね備えています。色彩設計の伊東美由樹による色彩も、作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっています。全体的に、テレビアニメでは表現できない過激でリアルなバイオレンスと、緻密なディテール描写が追求されており、アニメーションならではの自由さが感じられます。

キャストと声優

日本語版のボイスキャストも豪華で、主人公のアンジェリーノ役を草彅剛が、ヴィンス役を柄本時生が、ウィリー役を満島真之介が演じています。これらのキャストは、若者たちの焦燥感や友情をユーモラスに、かつ共感度たっぷりに表現しており、実写作品にも引けを取らない見事なアンサンブルを聞かせてくれます。また、覆面レスラーたちの声を桜庭和志や所英男、中村大介といった現役の格闘家たちが演じている点も注目すべきポイントです。彼らの凛々しい演技は、作品のリアリティを高めています。

音楽と主題歌

エンディングテーマ「The King of DMC ～theme～」は、満島真之介が歌っており、作品の雰囲気にマッチした力強い楽曲となっています。作詞をRedouanne HarjaneとTHE SIGNALIGHTS、作曲をTHE SIGNALIGHTSとTeje、Willy a.k.a. Shinnosuke Mitsushimaが手掛けており、編曲もTejeとTHE SIGNALIGHTSが行っています。この楽曲は、作品のテーマを象徴する重要な要素となっています。

評価と推薦

『ムタフカズ』は、その独特な世界観とストーリー展開、そしてビジュアル表現のクオリティが高く評価されています。特に、バイオレンス・アクションと友情を描いたバディムービーとしての魅力、そして侵略SFとしてのスケールの大きさが視聴者を引きつけます。また、フランスと日本のコラボレーションによる新鮮さも評価ポイントです。

この作品は、アニメファンだけでなく、映画やコミックを愛する人々にもおすすめです。特に、ダークな世界観やバイオレンス・アクションが好きな人、友情や生存本能を描いた物語に惹かれる人には必見の作品です。また、ビジュアル表現や音楽にこだわりを持つ人にも満足できる内容となっています。ぜひ一度、ダーク・ミート・シティの狂騒と友情の物語を体験してみてください。