『東京喰種:re』第2期レビュー:深化するストーリーとキャラクターの魅力

『東京喰種:re』第2期レビュー:深化するストーリーとキャラクターの魅力

東京喰種 トーキョーグール:re 第2期 - 最終章の深淵へ

■公開メディア

TVアニメシリーズ

■原作メディア

漫画

■放送期間

2018年10月09日 ~ 2018年12月25日
23:00~

■放送局

・放送/TOKYO MX、サンテレビ

■分数

30分

■話数

12話

■原作

・原作/石田スイ

■監督

・監督/渡部穏寛

■制作

・アニメーション制作/studioぴえろ

■著作

©石田スイ/集英社・東京喰種:re製作委員会

■ストーリー

群衆に紛れ、ヒトの肉を喰らう。
ヒトの形をしながら、
ヒトとは異なる存在である 喰種グール 。

喰種を駆逐・研究する〔CCG〕で
「クインクス」班を率いていた
喰種捜査官 佐々木琲世
彼こそ行方不明となっていた
眼帯の喰種、金木 研であった。

一方、新体制となった〔CCG〕では、
旧多二福を中心に不穏な動きが表面化し…


金木 研をめぐる物語はついに最終章へ―――。

■解説

大人気シリーズの「東京喰種トーキョーグール」の最終章

■キャスト

・佐々木琲世、金木研/花江夏樹
・瓜江久生/石川界人
・不知吟士/内田雄馬
・六月透/藤原夏海
・米林才子/佐倉綾音
・霧嶋薫香/雨宮天
・月山習/宮野真守
・旧多二福/岸尾だいすけ

■メインスタッフ

・原作/石田スイ(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
・監督/渡部穏寛
・脚本、シリーズ構成/御笠ノ忠次
・キャラクターデザイン/中嶋敦子
・サブキャラクターデザイン/鳥宏明
・音響監督/原口晃
・音楽/やまだ豊
・アニメーション制作/studioぴえろ
・アニメーション制作協力/studioぴえろ+

■メインキャラクタ

・佐々木琲世
クインクス班の指導者(メンター)。
班員たちと共同生活を行いながら指導に努めるが、問題児たちに振り回されている。柔和な性格で人当たりがよく、責任感が強い。過去20年間の記憶を失っており、上官の真戸アキラや有馬のことを親のように慕っている。
・瓜江久生
クインクス班の班長。アカデミーを飛び級で卒業した特待生。鋭い観察眼と優れた戦闘センスを持つ。
協調性はなく単独行動を好み、他の班員たちを見下している。感情表現は乏しいが、嫉妬心は人一倍強い。父は元・特等捜査官で、“隻眼の梟”と対峙した際に殉職。復讐を果たすため、父が所属していたS3班に昇進することにこだわっている。
・不知吟士
鮫のような歯が特徴的な青年。とある理由から金銭に執着しており、報酬のためクインクス施術に同意した。
単純だがとても素直な性格で、責任ある仕事を任されると意外と頑張るタイプ。不良っぽい外見と粗暴な言動とは裏腹に、仲間想いな一面を持つ。正反対な性格の瓜江とはソリが合わず、よく衝突している。
・六月 透
琲世を「先生」と呼び慕う捜査官。両親を“喰種”に殺され、アカデミーに保護された過去を持つ。
真面目だが内気で、血を見るのが苦手。真摯に捜査に取り組むも、あまり成果は上げられていない。 クインクス施術後、他の班員たちに比べて筋力や俊敏性の強化はほぼ見られず、伸び悩んでいる模様。施術の影響で、右目を常に眼帯で隠している。“喰種”の体内に多く含まれる細胞・Rc値が班内で最も低く、赫子を出すことができない。
・米林才子
与えられた部屋に引きこもり、悠々自適に暮らすニート捜査官。
班内で断トツのクインクス施術適性を誇るが、もともと捜査官になる意思はなかったためやる気が無い。時間管理能力が低く、班長の瓜江も捜査活動に参加させることを諦めている。趣味はアニメ・ゲーム・漫画・フィギュア収集など。
ぽっちゃり気味なことを気にしている。

■サブタイトル

・第1話/「狩る者たち START」
・第2話/「欠片 member」
・第3話/「前夜祭 fresh」
・第4話/「オークション MAIN」
・第5話/「散りゆく夜 Press」
・第6話/「その、果てに turn」
・第7話/「心覚え在りし日々 mind」
・第8話/「蠢くモノ TAKe」
・第9話/「亡霊 play」
・第10話/「ゆれる think」
・第11話/「欠落者 writE」
・第12話/「夜明け Beautiful Dream」
・第13話/「そして、もう一度 Place」
・第14話/「白い闇 VOLT」
・第15話/「クロスゲーム union」
・第16話/「遺したもの vive」
・第17話/「出会い、とまどい MovE」
・第18話/「赫赫たる FACE」
・第19話/「紲 proof」
・第20話/「めざめた子 incarnation」
・第21話/「心覚え Morse」
・第22話/「悲劇の果て call」
・第23話/「邂逅 ACT」
・第24話/「」

■主題歌・楽曲

・OP1
・「katharsis」
・作詞/TK
・作曲/TK
・歌/TKfrom凛として時雨
・ED1
・「楽園の君」
・作詞/高橋國光
・作曲/高橋國光
・歌/osterreich

■評論

「東京喰種 トーキョーグール:re 第2期」は、石田スイの原作漫画を基にしたアニメシリーズの最終章であり、視聴者を深い物語の世界へと引き込む。シリーズ全体を通じて、人間と喰種の間の緊張感と葛藤が描かれてきたが、この最終章ではそれがさらに高まり、物語はクライマックスへと向かう。

このシリーズの魅力は、何と言ってもその深いキャラクター描写にある。主人公の金木研、または佐々木琲世として知られる彼の内面の葛藤は、視聴者に強い共感を呼び起こす。記憶を失いながらも、自分が何者であるかを探し求める彼の旅は、人間性とアイデンティティの問題を象徴している。花江夏樹の声優としての演技は、金木の苦悩と成長を完璧に表現しており、視聴者に深い印象を与える。

また、クインクス班のメンバーたちもそれぞれに個性的で、物語に深みを加えている。瓜江久生の冷徹さと復讐心、不知吟士の金銭への執着と仲間への思いやり、六月透の内気さと努力、そして米林才子の無気力さと趣味への情熱など、各キャラクターの背景と成長が丁寧に描かれている。これらのキャラクターが互いに影響し合い、成長していく様子は、視聴者に感動を与える。

アニメーション制作を担当したstudioぴえろの技術力も見逃せない。戦闘シーンの迫力や、東京の暗い街並みを描く背景美術は、視覚的に非常に魅力的である。特に、喰種の赫子を使った戦闘シーンは、動きの滑らかさと色彩の美しさが際立っており、視覚的な楽しみを提供する。また、音楽も物語の雰囲気を盛り上げる重要な要素であり、やまだ豊の作曲によるBGMは、視聴者の感情を引き立てる役割を果たしている。

主題歌もシリーズの雰囲気を引き立てる重要な要素である。オープニングテーマ「katharsis」は、TKfrom凛として時雨の力強い歌声とリズムが、物語の緊張感を高める。一方、エンディングテーマ「楽園の君」は、osterreichの美しいメロディと歌詞が、視聴者に深い余韻を残す。これらの楽曲は、視聴者が物語に没入する手助けをしている。

しかし、このシリーズにはいくつかの課題も存在する。原作漫画の内容をすべてアニメに収めることは難しく、一部のエピソードやキャラクターの描写が省略されることがある。これにより、原作ファンにとっては物足りなさを感じる部分もあるかもしれない。また、物語の展開が急速に進むため、視聴者がついていくのが難しいと感じることもあるだろう。しかし、これらの課題は、全体的な物語の質やキャラクターの魅力によって補われていると言える。

「東京喰種 トーキョーグール:re 第2期」は、人間と喰種の間の葛藤と共存を描く壮大な物語であり、視聴者に深い感動と思考を提供する。キャラクターの成長と人間性の探求、そして美しいアニメーションと音楽が組み合わさったこのシリーズは、ダークファンタジーと心理劇のファンにとって必見の作品である。最終章として、物語の結末を迎えるまでの道のりは、視聴者に強い印象を残すことだろう。

■推薦

「東京喰種 トーキョーグール:re 第2期」を推薦する理由は数多くあるが、特に以下の点が挙げられる。

まず、深いキャラクター描写と成長の物語である。金木研を始めとする各キャラクターの内面の葛藤と成長は、視聴者に強い共感を呼び起こす。特に、金木の記憶喪失とアイデンティティの探求は、人間性の問題を象徴しており、視聴者に深い思考を促す。また、クインクス班のメンバーたちの個性と成長も、物語に深みを加えている。

次に、美しいアニメーションと音楽である。studioぴえろの技術力により、戦闘シーンの迫力や背景美術の美しさが際立っている。また、やまだ豊の作曲によるBGMや、TKfrom凛として時雨とosterreichの主題歌は、物語の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっている。これらの視覚的・聴覚的な要素は、視聴者が物語に没入する手助けをしている。

さらに、人間と喰種の間の葛藤と共存を描く壮大な物語である。シリーズ全体を通じて、人間と喰種の間の緊張感と葛藤が描かれてきたが、この最終章ではそれがさらに高まり、物語はクライマックスへと向かう。視聴者は、人間性とアイデンティティの問題を考えさせられるとともに、物語の結末を迎えるまでの道のりに感動を覚えるだろう。

最後に、ダークファンタジーと心理劇のファンにとって必見の作品である。「東京喰種 トーキョーグール:re 第2期」は、ダークな世界観と深い心理描写が特徴であり、これらのジャンルを好む視聴者にとっては非常に魅力的な作品である。最終章として、物語の結末を迎えるまでの道のりは、視聴者に強い印象を残すことだろう。

以上の理由から、「東京喰種 トーキョーグール:re 第2期」は、深いキャラクター描写と成長の物語、美しいアニメーションと音楽、人間と喰種の間の葛藤と共存を描く壮大な物語、そしてダークファンタジーと心理劇のファンにとって必見の作品であると言える。視聴者に強い感動と思考を提供するこのシリーズは、ぜひ一度視聴してみる価値があるだろう。

<<:  『ゴールデンカムイ』ショートアニメ第2弾の魅力と評価

>>:  アイドルマスター SideM 理由あってMini!の魅力と評価

推薦する

レンジフード内部の油汚れの掃除方法(レンジフード内部の油汚れを効果的に除去するための実践的なヒント)

調理中に発生する煙を効果的に排出できますが、火災の原因にもなりやすいです。レンジフードはキッチンに欠...

旧式プリンターを携帯電話に接続して印刷する方法(携帯電話と旧式プリンターのシームレスな接続を実現し、便利な文書印刷を実現)

携帯電話の普及と機能の継続的な強化により、携帯電話内の文書、写真、その他のコンテンツを印刷する必要性...

『まっ赤になった にわとり』の魅力と評価:鮮やかな物語とキャラクターの深掘り

『まっ赤になった にわとり』 - 鮮やかな赤色の物語 1991年1月に公開されたアニメ映画『まっ赤に...

食事中の低品質炭水化物を動物性食品由来のタンパク質や脂肪に置き換えると、中国の高齢者の認知機能低下のリスクが軽減される可能性がある。

認知症は高齢者によく見られる病気です。 2050年までに、世界中で1億3,900万人が認知症に苦しむ...

『テレパシー少女 蘭』の魅力と評価:心を読む少女の物語

『テレパシー少女 蘭』:心の声を聴く少女の冒険と成長 『テレパシー少女 蘭』は、2008年にNHK ...

定期的にランニングをすると、実際に体にこのような変化が起こります。

「走る」となると、疲れたり退屈したりする人が多いでしょう。どうしてこんな単調で苦痛なスポーツが好き...

ヤダモンの魅力と評価:独特な世界観とキャラクターの深掘り

ヤダモン:魔法と冒険の世界へようこそ 1992年から1993年にかけて放送されたアニメシリーズ「ヤダ...

現在プレイしているオンラインゲームは何ですか(おすすめのモバイルゲームトップ10)

その中では、好きなことを何でもできますが、飽きずに遊べるゲームはそう多くありません。昨今のオンライン...

スクリーンキャストチュートリアル(基本操作から高度な応用まで、スクリーンキャスト機能の使い方をすぐに学べます)

スクリーン投影技術は、技術の継続的な発展により、現代のオフィスや娯楽生活に欠かせないものとなっていま...

名探偵コナン 沈黙の15分 - 劇場版15作目の評価と感想

名探偵コナン 沈黙の15分 - 劇場版第15弾の魅力と評価 名探偵コナンシリーズの劇場版第15弾、「...

甘南と青海は一緒にプレーできますか?甘南に行くのに最適な時期はいつですか?

夏の甘南草原の景色も格別に美しいです。広大な草原にゲサンの花が群生して咲いています。ピンクの花が緑の...

ソードアート・オンライン第1話の詳細なレビューと評価

ソードアート・オンライン:VRMMORPGの世界を体験する冒険 「ソードアート・オンライン」(以下、...

『ファイアボール ゲボイデ=ボイデ』の魅力と評価:見逃せないアニメ体験

ファイアボール ゲボイデ=ボイデ - ファイアボール ゲボイデ ボイデ 概要 『ファイアボール ゲボ...