『咎狗の血』レビュー:ダークな世界観と深いストーリーが魅力の傑作アニメ

『咎狗の血』レビュー:ダークな世界観と深いストーリーが魅力の傑作アニメ

咎狗の血 - トガイヌノチ - の全方位情報と評測

■公開メディア

TVアニメシリーズ

■原作メディア

ゲーム

■放送期間

2010年10月07日 ~ 2011年12月23日

■放送局

TBS、MBS, CBS

■分数

30分

■話数

12話

■原作

Nitro+CHiRAL

■監督

紺野直幸

■制作

・制作/A-1 Pictures
・プロダクション協力/ピクチャーマジック
・製作/「咎狗の血」製作委員会・MBS

■著作

©Nitroplus / HOBIBOX, Aniplex, Lantis, movic

■ストーリー

第三次世界大戦直後の荒廃したニホンに生まれ育った主人公・アキラは、容赦なく降り注ぐ運命にどう立ち向かうのか。2010年、血と狂気に彩られた物語が再び幕を開ける……!

■解説

2005年2月、女性向けゲームメーカー「Nitro+CHiRAL」から発売された『咎狗の血』は、それまでのBLゲームには無い硬質な世界観と真正面から人間の愛憎を描いた作品として話題を集めた。兄ブランドであるニトロプラスが得意とする容赦のないストーリーテリングをBLに取り込んだ物語は、今なお名作と呼び声高い。2008年には、新規シナリオを追加したPS2版が発売され、ゲームのセールスは、PC版とあわせて9万本以上を記録。また、『咎狗』の世界はゲームだけに留まることなく、CDドラマやノベル、グッズと多彩に展開。現在連載中のコミック版も好評を博すなど、ロングラン・ヒットをとげた本作は、今も多くのファンを魅了しつづけている。その『咎狗の血』が発売5周年を迎える2010年、ついにテレビアニメ化されることになった。アクション作品に定評のある監督・紺野直幸がシリーズ構成・高橋ナツコとタッグを組み、トシマの街で開催される死のバトルゲーム、そして生死の狭間で交差する男たちの心を描く。

■キャスト

・アキラ/鳥海 浩輔
・ケイスケ/杉田 智和
・リン/福山 潤
・源泉/一条 和矢
・シキ/緑川 光
・アルビトロ/岡野 浩介
・キリヲ/小西 克幸
・グンジ/谷山 紀章
・ナノ/山崎 たくみ

■メインスタッフ

・原作/Nitro+CHiRAL
・監督、キャラクターデザイン/紺野直幸
・シリーズ構成/高橋ナツコ

■メインキャラクタ

・Akira(アキラ)/”The 3rd Division”終戦後の政策により義務付けられた家族制度になじめず、孤児院を脱走。身に覚えのない殺人の容疑で捕まってしまい、無罪放免の条件として死のバトルゲーム“イグラ”に参加し、 麻薬組織“ヴィスキオ”の“王(イル・レ)”を倒し 組織を殲滅させるという取引を謎の2人組みに持ちかけられ、-トシマ-へと乗り込むことになる。
・Keisuke(ケイスケ)/アキラと孤児院で育った幼馴染。何事にも一生懸命な努力家だが要領が悪く報われない。そのため、何でも出来るアキラに対して、憧れを抱いている。トシマへ乗り込んでいったアキラを助けようと、アキラの後を追ってトシマへ向かう。
・Rin(リン)/アキラがトシマで出会う少年。明朗活発、自由奔放のお調子者。人懐っこい性格で子供っぽく見えるが、芯が通った男らしい一面も。その女の子のような外見からは想像のつかない過去を持ち、時折、笑顔の下に氷の様に冷たいもう一つの顔を覗かせる。トシマに乗り込んできたアキラに、トシマの街を簡単に案内してくれる。
・Motomi(源泉)/トシマ随一の情報屋として名をはせる、多少クセがあるが世話好きの面倒見の良い中年男。自らはイグラには参加せず”王(イル・レ)”やラインに関する情報を集めているが、その真意は謎。アキラたちの事を気にかけ、アドバイスをしてくれる。
・Shiki(シキ)/“イグラ”参加者に最強と呼ばれ恐れられている孤高のカリスマ。己の力を高めるのみに執着する完璧主義のナルシストで、行く手を阻む者は容赦が無く、全身から威圧感を放っている。
・Arbitro(アルビトロ)/麻薬組織ヴィスキオの実質的な取り仕切りを任されている人物。イグラの審判役も務める。慇懃無礼な態度で、常に仮面をつけ行動する。非常に神経質。お気に入りの少年に調教と人体改造を施すことを、至上の喜びとしている。
・Kiriwar(キリヲ)/イグラの違反者に制裁を下す、悪名高き”ヴィスキオ”の処刑人コンビの一人。自らの楽しみにのためだけに、殺人を犯す狂気を持ち合わせている。名前をつけた鉄パイプを相棒としている。
・Gunji(グンジ)/キリヲと常に行動を共にする、イグラの違反者に制裁を下す処刑人。カスタムメイドの鉤爪ナックルを装備し、それで犠牲者を切り刻むことを喜びとしている。キリヲとは別種の狂気に満ちた人物。
・Nano(ナノ)/ふらりとアキラの前に現れ、謎めいた言葉を残しては闇に消える正体不明の男。トシマの住人とは思えない風貌と、現実味の薄いあいまいな存在感をあわせ持つ。虚ろな瞳は、蒼にも紫にも変わる。

■サブタイトル

・第1話/虚無/LOST
・第2話/死街/toshima
・第3話/狂争/igra
・第4話/休刑/case
・第5話/決蔑/crack
・第6話/怨鎖/desire
・第7話/因念/sever
・第8話/酷白/rein
・第9話/薬束/bond
・第10話/結脈/ilre
・第11話/増悪/conviet
・第12話/同至/beginning

■詳細な評測

『咎狗の血』は、第三次世界大戦後の荒廃した日本を舞台に、主人公アキラが死のバトルゲーム「イグラ」に参加し、麻薬組織「ヴィスキオ」を倒すための戦いを描いた作品です。このアニメは、原作ゲームの深いストーリーとキャラクターの人間性を忠実に再現しつつ、アニメ独自の魅力を加えて視聴者を引き込んでいます。

まず、ストーリーについて触れてみましょう。第三次世界大戦後の荒廃した日本という設定は、視聴者に強烈なインパクトを与えます。アキラが孤児院を脱走し、身に覚えのない殺人の容疑で捕まったことから始まる物語は、次第に彼の過去や仲間たちとの絆、そしてイグラという死のゲームの裏側に隠された真実へと展開していきます。特に、アキラとケイスケの幼馴染としての関係性や、リンとの出会いが物語に深みを与えています。また、シキやアルビトロといったキャラクターの個性が際立っており、彼らの存在が物語をさらに引き立てています。

キャラクターの描写も非常に優れています。アキラは冷静で強い意志を持つ主人公として描かれていますが、彼の内面には孤独や葛藤が描かれており、視聴者に共感を呼びます。ケイスケはアキラへの憧れと努力家としての側面が強調されており、彼の成長が物語の進行とともに見て取れます。リンは明るく自由奔放な性格を持ちながらも、過去のトラウマを抱えており、そのギャップが魅力的です。源泉は情報屋として重要な役割を果たしつつ、謎めいた存在感を放っています。シキは完璧主義者でありながらもナルシストな一面が強調されており、彼の戦闘シーンは特に見応えがあります。アルビトロは冷酷なリーダーとして描かれ、彼の仮面の下に隠された狂気が視聴者を引きつけます。キリヲとグンジの狂気に満ちたキャラクターも印象的で、彼らの存在がイグラの緊張感を高めています。ナノは謎多きキャラクターとして描かれ、彼の出現が物語に新たな展開をもたらします。

アニメの制作面では、A-1 Picturesのクオリティが光っています。キャラクターデザインは原作の雰囲気をしっかりと再現しつつ、アニメ独自の魅力を加えています。特に戦闘シーンの描写は非常にリアルで、視聴者を引き込む力があります。また、背景や街の描写も細部までこだわっており、荒廃した日本という世界観をしっかりと表現しています。音楽も作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素であり、BGMや主題歌が物語の進行に合わせて効果的に使用されています。

監督の紺野直幸は、アクション作品に定評があるだけに、イグラの戦闘シーンやキャラクターの動きをリアルに描くことに成功しています。また、シリーズ構成の高橋ナツコは、原作のストーリーをしっかりと理解しつつ、アニメ独自の展開を加えることで、視聴者を飽きさせないストーリーテリングを実現しています。キャストも豪華で、鳥海浩輔の演じるアキラや杉田智和の演じるケイスケ、福山潤の演じるリンなど、各キャラクターの声優がその個性をしっかりと表現しています。特に、緑川光の演じるシキや岡野浩介の演じるアルビトロの声は、キャラクターの狂気や威圧感をしっかりと伝えています。

『咎狗の血』は、原作ゲームのファンだけでなく、アニメファンにも広く受け入れられる作品です。ストーリーの深さ、キャラクターの魅力、制作のクオリティ、そしてキャストの演技力が一体となって、視聴者を引き込む力があります。特に、第三次世界大戦後の荒廃した日本という設定や、イグラという死のゲームの緊張感は、他の作品にはない独特の魅力を持っています。また、キャラクターの人間性や葛藤を描くことで、視聴者に深い共感を呼びます。

■推薦内容

『咎狗の血』を推薦する理由は以下の通りです。

1. **深いストーリーとキャラクターの魅力**: 原作ゲームのストーリーを忠実に再現しつつ、アニメ独自の展開を加えることで、視聴者を飽きさせないストーリーテリングが実現されています。また、各キャラクターの個性や人間性がしっかりと描かれており、視聴者に深い共感を呼びます。

2. **高品質な制作**: A-1 Picturesのクオリティが光っており、キャラクターデザインや戦闘シーンの描写、背景や街の描写など、細部までこだわった制作がされています。特に、戦闘シーンのリアルさは視聴者を引き込む力があります。

3. **豪華なキャスト**: 鳥海浩輔、杉田智和、福山潤、緑川光、岡野浩介など、豪華なキャストが各キャラクターの個性をしっかりと表現しています。特に、シキやアルビトロの声はキャラクターの狂気や威圧感をしっかりと伝えています。

4. **独特の世界観**: 第三次世界大戦後の荒廃した日本という設定や、イグラという死のゲームの緊張感は、他の作品にはない独特の魅力を持っています。この世界観が視聴者に強烈なインパクトを与えます。

5. **音楽の効果**: BGMや主題歌が物語の進行に合わせて効果的に使用されており、作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっています。

以上の理由から、『咎狗の血』は原作ゲームのファンだけでなく、アニメファンにも広く推薦できる作品です。特に、深いストーリーやキャラクターの魅力、高品質な制作、豪華なキャスト、独特の世界観、そして音楽の効果が一体となって、視聴者を引き込む力があります。ぜひ一度視聴してみてください。

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