PSYCHO-PASS サイコパス2の深掘りレビュー：2期の魅力とは？

PSYCHO-PASS サイコパス2 レビューと推薦

『PSYCHO-PASS サイコパス2』は、2014年10月11日から12月20日まで放送されたTVアニメシリーズで、近未来の管理社会を舞台にした警察ドラマです。原作はアニメオリジナルで、虚淵玄がベースド・ストーリー原案を担当し、塩谷直義が監督を務めました。アニメーション制作はタツノコプロ、制作はサイコパス製作委員会が手掛けています。全11話で構成され、各話30分の放送時間で、フジテレビをはじめとする多くの局で放送されました。

ストーリー

『PSYCHO-PASS サイコパス2』は、システムが正義を下し、銃が人を裁く近未来を描いています。主人公の常守朱は、公安局刑事課一係の監視官として、シビュラシステムの真実を知りながらも、人間性と法秩序を信じ、日々犯罪に立ち向かっています。しかし、システムを揺るがす怪物がすぐ目の前まで忍び寄っていることを知らずに、彼女と仲間たちは新たな事件に挑んでいきます。

解説

『PSYCHO-PASS サイコパス2』は、業界屈指のクリエイティブチームによって制作されました。総監督は本広克行、ストーリー原案は虚淵玄、キャラクター原案は天野明、監督は塩谷直義、アニメーション制作はProduction I.Gが担当しています。このチームは、近未来の管理社会を舞台にした警察ドラマを描き出すために集結しました。

物語の舞台は、人間の心理状態や性格的傾向を「PSYCHO-PASS」という値で数値化し、管理する社会です。この数値によって罪を暴かれた犯罪を取り締まる公安局刑事課の監視官・常守朱と、彼女と共に任務にあたる刑事課一係が、新たな「事件」に立ち向かい、「正義と社会」を問いかける姿を描いています。

制作スタッフは、『PSYCHO-PASS サイコパス』の物語をより昇華させる豪華布陣が揃いました。監督は1期に引き続き塩谷直義が務め、シリーズ構成には冲方丁が参加しました。脚本は熊谷純が担当し、音楽は菅野祐悟が手掛けています。アニメーション制作はタツノコプロダクションが担当し、本広克行と虚淵玄は企画監修として全体をバックアップしました。

キャスト陣も豪華で、常守朱役は花澤香菜、宜野座伸元役は野島健児、霜月美佳役は佐倉綾音、東金朔夜役は藤原啓治、雛河翔役は櫻井孝宏、六合塚弥生役は伊藤静、唐之杜志恩役は沢城みゆき、青柳璃彩役は浅野真澄、酒々井水絵役は井上麻里奈、鹿矛囲桐斗役は木村良平が演じています。

メインキャラクタ

常守朱は、公安局刑事課一係に所属する監視官で、槙島事件でシビュラシステムの真実を知り、強い意志と判断力で一係を引っ張っています。宜野座伸元は、元監視官で、槙島事件で犯罪係数が悪化し、執行官に降格した人物です。霜月美佳は、史上最年少の監視官で、直感力に優れ、犯罪係数の高い人間を速やかに排除すべきと考えています。東金朔夜は、新人執行官で、元セラピストとして人間性を重視し、容易にドミネーターを使用することを避けています。雛河翔は、新人執行官で、コミュニケーションが不得手ですが、ホロデザイナーやリサイクル・ドラッガーとしての過去を持っています。六合塚弥生は、感情を表に出すことが滅多になく、残虐な事件にも沈着冷静に対応するクールな女性です。唐之杜志恩は、総合分析室の分析官で、執行官や監視官たちの捜査活動を様々な分析データでバックアップしています。青柳璃彩は、刑事課二係の監視官で、宜野座とは同期入局の仲で、朱とも交友があります。酒々井水絵は、刑事課二係の監視官で、両親も厚生省の役人という官僚一家で育ったため、自らのサイコパスにコンプレックスを抱いています。鹿矛囲桐斗は、犯罪係数の測定どころかシビュラが認識できない体質を持つ謎の男で、薬物と心理誘導によって不健全化した他人のサイコパスをクリアにします。雑賀譲二は、元臨床心理学者で、槙島事件で公安局を逃亡した狡噛の槙島追跡・殺害に加担し、現在は潜在犯として隔離施設に拘禁されています。

サブタイトル

各話のサブタイトルは以下の通りです。

第1話：正義の天秤＜299/300＞
第2話：忍び寄る虚実
第3話：悪魔の証明
第4話：ヨブの救済
第5話：禁じられない遊び
第6話：石を擲つ人々
第7話：見つからない子供たち
第8話：巫女の懐胎＜AA＞
第9話：全能者のパラドクス
第10話：魂の基準
第11話：WHAT COLOR？

主題歌・楽曲

オープニングテーマは「Enigmatic Feeling」で、凛として時雨が歌っています。作詞・作曲・編曲はTKが担当しました。エンディングテーマは「Fallen」で、EGOISTが歌っています。作詞・作曲・編曲はryoが担当しました。

レビュー

『PSYCHO-PASS サイコパス2』は、1期の成功を引き継ぎつつ、新たな視点と深みを加えた作品です。特に、常守朱の成長と彼女が直面する新たな挑戦は、視聴者に強い印象を与えます。1期でシビュラシステムの真実を知った朱は、2期ではその知識を活かしながらも、システムに従うことの難しさと葛藤を描いています。これは、視聴者に「正義とは何か」「システムに従うべきか」という問いを投げかける重要なテーマです。

また、新キャラクターの導入も見事で、特に鹿矛囲桐斗の存在は物語に新たな緊張感を生み出しています。彼の「免罪体質」は、シビュラシステムの限界と矛盾を浮き彫りにし、視聴者に深い思考を促します。さらに、霜月美佳や東金朔夜、雛河翔といった新たな執行官たちの個性と背景も、物語に厚みを加えています。

映像面でも、タツノコプロのクオリティが光ります。近未来の都市風景やドミネーターのデザイン、戦闘シーンの迫力など、視覚的な魅力が満載です。音楽も菅野祐悟の力強いサウンドが物語を盛り上げ、視聴者の感情を引き立てます。

しかし、1期と比べると、2期はやや展開が速いと感じる視聴者もいるかもしれません。特に、鹿矛囲桐斗のキャラクターが持つ可能性を十分に描き切れていない部分もあります。それでも、全体として見れば、2期は1期のテーマを深化させ、新たな視点を提供する成功作と言えるでしょう。