『犬とハサミは使いよう』レビュー：ユーモアとシリアスが交錯する異色作

犬とハサミは使いよう - 奇抜な設定とユーモアあふれるミステリコメディ

2013年に放送されたTVアニメシリーズ「犬とハサミは使いよう」は、更伊俊介によるファミ通文庫の小説シリーズを原作としています。原作の独特な世界観とユーモアをアニメでも忠実に再現し、視聴者に新鮮な驚きと笑いを提供しました。この作品は、東京MX、テレビ神奈川、サンテレビで放送され、各話30分、全12話という構成で展開されました。監督は高橋幸雄、制作はGONZOが担当し、著作権は©2013 Shunsuke Sarai/PUBLISHED BY ENTERBRAIN, INC./犬ハサ製作委員会に帰属しています。

ストーリー

物語は、ある日突然強盗に殺された高校生・春海和人の奇跡的な生還から始まります。彼は「本バカ」と呼ばれるほどの読書好きで、死後も大好きな作家・秋山忍の「大罪」シリーズの最終巻「色欲」を読むまでは死ねないという執念から、現世に戻ってきます。しかし、戻ってきた彼の姿はダックスフンドの犬でした。「こんな姿じゃ本読めないじゃん!!」と悶える和人の前に現れたのは、ハサミを凶器とするサド女・夏野霧姫。彼女は和人の声が分かるだけでなく、その正体は彼が大ファンの作家・秋山忍だったのです。犬になってしまった和人の新たな人生、いったいどうなるのでしょうか？

解説

「読まずに死ねるか！」という強い思いから、犬の姿で生き返った和人と、彼をサポートするドS作家・夏野霧姫の物語は、ミステリと不条理コメディが融合した独特な世界観を持っています。読者犬とドS作家の奇妙なコンビが繰り広げるストーリーは、視聴者に笑いと驚きを提供し、毎話の展開が楽しみになる作品です。

キャスト

主要キャラクターの声優は以下の通りです。

• 春海和人：櫻井孝宏
• 夏野霧姫：井上麻里奈
• 春海円香：阿澄佳奈
• 柊 鈴菜：伊藤 静
• 大澤映見：加隈亜衣
• 秋月マキシ：芹澤 優
• 犬養 潔：羽多野 渉
• 本田 桜：内田真礼
• 本田弥生：五十嵐裕美
• 森部佐茅：斎藤千和

メインスタッフ

作品の制作には、以下のスタッフが関わっています。

• 原作：更伊俊介（ファミ通文庫「犬とハサミは使いよう」シリーズ/エンターブレイン刊）
• キャラクター原案：鍋島テツヒロ
• 監督：高橋幸雄
• キャラクターデザイン：佐藤陽子
• シリーズ構成：根元歳三
• プロップデザイン：久原陽子
• 美術監督：氏家 誠
• 色彩設計：鈴木寿枝
• 撮影監督：北村直樹
• 編集：齋藤朱里
• 音楽：松田彬人
• 音響監督：渡辺 淳
• アニメーション制作：GONZO
• 製作：犬ハサ製作委員会

メインキャラクタ

主要キャラクターの詳細は以下の通りです。

夏野霧姫

黒髪黒服黒づくめで、ハサミを凶器とする美人だが貧乳の女性。どう見ても危険人物で、性格はドS。しかし、その正体は天才作家の秋山忍です。和人の声が分かる唯一の人物であり、彼の新たな人生をサポートします。

春海和人

本を読めれば幸せという読書バカの高校生でしたが、強盗犯に撃たれて死亡。しかし、大好きな作家・秋山忍の「大罪」シリーズの最終巻「色欲」を読むまでは死ねないという執念から、ダックスフンドの姿で現世に戻ってきました。犬の姿で本を読むことができず、悶える日々を送ります。

春海円香

春海和人の妹で、友人や教師に信頼される優等生ですが、思い込みが激しい一面もあります。特技は愛用の包丁「鮪喰(マグロイーター)」を使った料理で、何を作ってもカレーになるという特徴があります。かなりのお兄ちゃん子で、和人のことを大切に思っています。

秋月マキシ

芸能界で活躍するアイドルであり、文壇の第一線でも活躍するマルチな才能を持つアイドル作家です。愛称はマッキーで、多くの黒服の部下を従えています。彼女の存在は、物語に華やかさとユーモアを加えています。

サブタイトル

各話のサブタイトルは以下の通りです。

• 第１話：犬も歩けば棒に当たる
• 第２話：犬は熱いうちに打て
• 第３話：飛んで火に入る冬の犬
• 第４話：溺れる者は犬をも掴む
• 第５話：虎穴に入らずんば犬を得ず
• 第６話：雨降って犬固まる
• 第７話：犬も鳴かずば撃たれまい
• 第８話：湯に入りて犬に入らざれ
• 第９話：犬無いところに煙は立たず
• 第10話：光陰犬の如し
• 第11話：犬振り合うのも多生の縁
• 第12話：犬とハサミは使いよう

主題歌・楽曲

オープニングテーマとエンディングテーマは以下の通りです。

オープニングテーマ

• タイトル：わんわんわんわんN_1!!（なんだーわん）
• 作詞：畑亜貴
• 作曲：松田彬人
• 編曲：松田彬人
• 歌：犬っ娘くらぶ（夏野霧姫（井上麻里奈）、春海円香（阿澄佳奈）、柊鈴菜（伊藤静）、大澤映見（加隈亜衣）、秋月マキシ（芹澤優））

エンディングテーマ

• タイトル：レモネイドスキャンダル
• 作詞：こだまさおり
• 作曲：松田彬人
• 編曲：松田彬人
• 歌：秋月マキシ（芹澤優）

評価と推薦

「犬とハサミは使いよう」は、その奇抜な設定とユーモアあふれるストーリー展開が魅力的な作品です。主人公・春海和人が犬の姿で生き返るという設定は、視聴者に新鮮な驚きを与えます。また、和人をサポートするドS作家・夏野霧姫とのコンビネーションは、笑いと感動を生み出します。各話のサブタイトルも犬に関連した言葉遊びが楽しめ、視聴者を飽きさせません。

キャラクターの個性も豊かで、特に夏野霧姫のドSな性格と和人の読書バカぶりが絶妙なコントラストを生み出しています。また、和人の妹・春海円香の料理シーンや、秋月マキシの華やかな存在感も物語に彩りを添えています。声優陣の演技も素晴らしく、特に櫻井孝宏の和人役や井上麻里奈の霧姫役は、キャラクターの魅力を最大限に引き出しています。

音楽も作品の雰囲気を盛り上げており、オープニングテーマ「わんわんわんわんN_1!!」とエンディングテーマ「レモネイドスキャンダル」は、視聴者の心に残る楽曲となっています。特にオープニングテーマは、犬っ娘くらぶによる歌唱が作品の世界観をさらに引き立てています。

この作品は、ミステリとコメディが好きな人、独特な設定とユーモアを楽しみたい人に強く推薦します。また、犬好きの人にも楽しめる要素が満載です。アニメーション制作を担当したGONZOのクオリティも高く、視覚的にも楽しめる作品となっています。ぜひ一度視聴してみてください。

追加情報

「犬とハサミは使いよう」は、原作小説のファンだけでなく、アニメファンからも高い評価を得ています。原作小説はファミ通文庫から刊行されており、更伊俊介の独特な文体とユーモアが多くの読者を引きつけています。アニメ化にあたっては、原作の世界観を忠実に再現しつつ、アニメならではのビジュアル表現や演出が加えられ、さらに魅力的な作品に仕上がっています。

また、この作品は、2013年の夏に放送されたことで、夏の暑さを忘れさせてくれる爽やかなコメディとしても人気を博しました。視聴者からは、「笑いが絶えない」「キャラクターが魅力的」「毎話のサブタイトルが面白い」などの声が多く寄せられています。特に、和人が犬の姿で本を読もうとするシーンや、霧姫のドSな言動は、視聴者の心を捉えました。

さらに、この作品は、犬の視点から見た世界を描くことで、視聴者に新たな視点を提供しています。犬の視点から見た日常の風景や、人間の行動は、視聴者に新鮮な驚きと笑いを与えます。また、和人が犬の姿で直面する様々な困難や、霧姫との関係性を通じて、人間関係や自己成長のテーマも描かれています。

「犬とハサミは使いよう」は、奇抜な設定とユーモアあふれるストーリー展開、魅力的なキャラクター、そして高品質なアニメーションと音楽が融合した、見逃せない作品です。ぜひ一度視聴して、その独特な世界観と笑いを楽しんでください。