『ジャングルブック 少年モーグリ』の魅力と評価:ディープな冒険と成長の物語

『ジャングルブック 少年モーグリ』の魅力と評価:ディープな冒険と成長の物語

ジャングルブック 少年モーグリ:深いジャングルと成長の物語

■公開メディア

TVアニメシリーズ

■原作メディア

小説

■放送期間

1989年10月02日 ~ 1990年10月29日
放映時は60分枠で放送。サブタイトルは2話のものでのちに二分割して通常の形態で保存
90年中央児童福祉審議会特別推薦
放送時間月曜日19:00~19:30

■放送局

テレビ東京系

■分数

30分

■話数

52話

■原作

ラドヤード・キップリング

■監督

・監督/黒川文男

■制作

・制作/日本アニメーション、テレビ東京

■著作

©NIPPON ANIMATION CO., LTD. 1990

■ストーリー

学者夫妻の幼い息子モーグリは、連れられてきたインドの奥地のジャングルで、一人密林の奥へと迷い込んでしまった。
獰猛な虎のシア・カーンに狙われ襲われるが、温厚な熊のバルゥによって無事逃げ延びる。完全に親とはぐれてしまったモーグリは、狼の英雄アレキサンダーとその妻ルーリに保護され、それ以来人間の子供でありながら狼に育てられることになる。
たくましく成長、奮闘するモーグリは、やがて、同族の人間たちと運命の出会いを迎える。

■解説

キップリングの有名な原作を元にしたアニメーション。
同タイトルでディズニー作品もあるが、この「ジャングルブック 少年モーグリ」は日本アニメーションが制作した作品であり、原作の深いテーマを忠実に描き出している。特に、モーグリの成長とジャングルでの生活を通じて、人間と自然の関係、そして自己認識の重要性を描いている点が特徴的である。
また、1990年に中央児童福祉審議会から特別推薦を受けたこともあり、子供たちに自然や生命の尊さを教える教育的な側面も持っている。放送当時は60分枠で放送され、後に二分割されて通常の30分枠で保存されたこともあり、視聴者にとっては長時間の物語を楽しむことができた。

■キャスト

・モーグリ/高乃 麗
・ルーリ/横尾まり
・パギーラ/石丸博也
・バルゥ/銀河万丈
・カー/キートン山田
・キチ/伊藤美紀
・アケーラ/藤本 譲
・ララ/折笠 愛
・ボギー/峰 恵研
・メシュア/矢島晶子
・ブルディオ/緒方賢一
・シア・カーン/笹岡繁蔵

■メインスタッフ

・原作/ラドヤード・キップリング
・舞台/インドのジャングル
・製作/本橋浩一
・製作管理/高桑 充、中島順三
・企画/佐藤昭司
・音楽/島津秀雄
・監督/黒川文男
・プロデューサー/佐藤昭司、小竿俊一
・脚本/吉田憲二、坂口三郎、藤本信行
・キャラクターデザイン/坂巻貞彦
・作画監督/坂巻貞彦、石之博和、小島正士、朝倉 隆、遊佐和枝、野口大蔵
・美術監督/沼井信朗
・撮影監督/森田俊昭
・録音監督/山田悦司
・色指定/島方亜矢子、仮屋弘美、佐藤裕子
・動画チェック/山本浩央、谷端哲司、望月頼子
・作画/坂井俊一、野崎恒仲、中田博文、久保博志、原 勝徳、坂口礼周、福田きよむ、北原健男、朝倉 隆、スタジオ ルック
・仕上げ/宮崎アニメーションセンター、エムアイ
・背景/アトリエ ローク
・撮影/トランスアーツ
・録音制作/音響映像システム、小野哲男
・ミキサー/佐藤千明
・効果/フィズスタジオ、庄司雅弘
・録音スタジオ/タバック
・現像所/東京現像所
・タイトル/道川 昭
・ポジ編集/笠原義宏、黒木公子、フィルムマジック
・絵コンテ/奥田誠治、腰 繁男、辻 伸一
・担当演出/清水あきら、腰 繁男、平川達也
・制作デスク/岡田修一
・制作協力/トランスアーツ、今成英司
・制作/日本アニメーション、テレビ東京

■メインキャラクタ

・モーグリ
親とはぐれ、以来ジャングルで狼として育てられた少年。人間であることを自覚するようになると悩む。

・ルーリ
モーグリの育ての親。のちに狼族のリーダーになる。

・アクル と スーラ
アレキサンダーとルーリの子で、モーグリの兄弟狼。
スーラは真面目だがアクルはやや荒っぽい性格。
・パギーラ
黒ヒョウであるが人間に飼われていたことがあり、モーグリの教育係でもある。

・バルゥ
老年の熊。モーグリの教育係として世話を焼く。

・カー
ジャングルの古株の大蛇。

・メシュア
モーグリが初めて出会う人間の少女。

・シア・カーン
モーグリたちの宿敵の虎。無法者で人間や家畜を襲う。

■サブタイトル

・1/ジャングルの仲間
・2/狼少年モーグリ誕生
・3/狼王アレキサンダー
・4/ジャングルの掟
・5/流れついたかわいい奴
・6/一人ぼっちのキチ
・7/冷たい牙
・8/ごめんね、バルゥ
・9/掟より大切なもの
・10/訪ねてきた一匹狼
・11/心の中に住む魔物
・12/死闘!人喰い虎、激流からの脱出
・13/残酷!高原にとどろく悪魔の銃声
・14/危ない!モーグリ、呪われた街の恐怖
・15/狼を超えろ!人間を超えろ!
・16/憎しみと孤独と傷ついた心
・17/さよなら、かあさん
・18/モーグリを抱いた男
・19/帰ろう、自由と仲間のいる森へ
・20/新しいねぐら
・21/水辺の休戦
・22/平和な森の伝説
・23/飛べブーメラン!風を切れ!
・24/大人への旅立ち
・25/はぐれ狼ブントの逆襲
・26/シオ二―の森に平和を!
・27/リーダーがいない!
・28/かあさんの決意
・29/悪いやつを探せ
・30/みんなで勝利の歌を
・31/新しいボスの誕生
・32/花を摘む少女メシュア
・33/人喰い虎シア、カーンの標的
・34/絶体絶命!少女メシュアを救え
・35/人間が知りたい!
・36/ほらふきブルディオ
・37/戦いの前の涙
・38/決戦!宿敵シア、カーンを倒せ
・39/さよならメシュア
・40/殺し屋集団、赤犬ドールが来た!
・41/死の谷を駆け抜けろ!
・42/あの少女に逢いたい
・43/走れ!モーグリ、人間狩りを許すな!
・44/闇夜に鳴り響くホラ貝と鐘の音
・45/森からの大逆襲!最後の勝利者は?
・46/熱い思いを胸に、町へ
・47/オリからの脱出大作戦
・48/ロープが切れる!ララの子が危ない
・49/勇者よ静かに眠れ
・50/200回目の着替えと秘密の踊り
・51/メシュアに逢えた
・52/別れの歌が響く

■主題歌・楽曲

・OP
・『GET UP/愛を信じて』
・作詞/松本一起
・作曲/有澤孝起
・編曲/高田 弘
・唄/五十嵐 寿也
・ED
・『地球の子』
・作詞/松本一起
・作曲/有澤孝起
・編曲/高田 弘
・唄/橋本 潮

■詳細な評測

「ジャングルブック 少年モーグリ」は、ラドヤード・キップリングの名作小説を原作としたアニメーション作品であり、1989年から1990年にかけてテレビ東京系で放送された。全52話という長編シリーズであり、視聴者に深い感動と教訓を与える物語となっている。

この作品の最大の魅力は、モーグリの成長物語を通じて描かれる人間と自然の関係である。モーグリはジャングルで狼に育てられ、人間としての自己認識を深めていく過程で、自然と共存する重要性を学んでいく。特に、狼の家族や友人たちとの絆、そして獰猛な虎シア・カーンとの対立を通じて、モーグリは自分自身の存在意義と使命を見つけていく。

また、キャラクターデザインや背景美術も非常に高品質であり、視覚的な美しさが物語を引き立てている。キャラクターデザインを担当した坂巻貞彦氏の細やかな描写は、各キャラクターの個性を鮮やかに表現しており、視聴者に深い印象を与える。さらに、美術監督の沼井信朗氏によるインドのジャングルの描写は、リアルでありながらも幻想的な雰囲気を醸し出し、視聴者を物語の世界に引き込む。

音楽もこの作品の重要な要素であり、島津秀雄氏による劇伴音楽は、物語の緊張感や感動を効果的に引き立てている。特にオープニングテーマ「GET UP/愛を信じて」とエンディングテーマ「地球の子」は、視聴者の心に深く響くメロディーと歌詞で、物語のテーマを象徴している。

キャストも豪華で、モーグリ役の高乃麗さんをはじめ、ルーリ役の横尾まりさん、バルゥ役の銀河万丈さんなど、各キャラクターを演じる声優たちの演技が物語を豊かにしている。特に、シア・カーン役の笹岡繁蔵さんの迫力ある演技は、視聴者に強烈な印象を与え、物語の緊張感を高めている。

この作品は、子供向けのアニメーションでありながらも、成人にも深い感動と教訓を与える内容となっている。モーグリの成長を通じて描かれる自己認識や自然との共存、そして友情や家族の絆など、普遍的なテーマが視聴者の心に響く。さらに、1990年に中央児童福祉審議会から特別推薦を受けたこともあり、教育的な価値も高い。

全体として、「ジャングルブック 少年モーグリ」は、美しいビジュアルと深いテーマ、そして感動的なストーリーを持つ傑作アニメーションであり、視聴者に多くのことを教えてくれる作品である。特に、自然や生命の尊さを学びたい子供たちや、自己認識や成長について考えさせられる成人にとっては、必見の作品と言えるだろう。

■推薦内容

「ジャングルブック 少年モーグリ」は、家族全員で楽しめるアニメーション作品であり、特に以下の視聴者に推薦したい。

1. **子供たち**:この作品は、自然や生命の尊さを教える教育的な側面を持っており、子供たちに多くのことを学ばせることができる。また、モーグリの成長物語は、子供たちに自己認識や友情の大切さを教えてくれる。

2. **自然愛好者**:インドのジャングルを舞台にしたこの作品は、自然の美しさと厳しさをリアルに描いており、自然を愛する人々にとっては必見の作品である。特に、美術監督の沼井信朗氏による背景美術は、視覚的な美しさを提供する。

3. **成人**:この作品は、自己認識や成長、そして自然との共存という普遍的なテーマを描いており、成人にとっても深い感動と教訓を与える。特に、モーグリの成長を通じて描かれる自己認識の重要性は、成人にとって考えさせられるテーマである。

4. **アニメーション愛好者**:キャラクターデザインや背景美術、そして音楽など、制作面でのクオリティが非常に高く、アニメーション愛好者にとっては必見の作品である。特に、キャラクターデザインを担当した坂巻貞彦氏の細やかな描写は、視覚的な美しさを提供する。

5. **キップリングのファン**:ラドヤード・キップリングの原作を忠実に描いたこの作品は、原作のファンにとっては必見の作品である。特に、モーグリの成長物語やジャングルの描写は、原作のテーマを忠実に再現している。

全体として、「ジャングルブック 少年モーグリ」は、家族全員で楽しめるアニメーション作品であり、多くの視聴者に推薦できる作品である。自然や生命の尊さを学びたい子供たち、自然を愛する人々、自己認識や成長について考えさせられる成人、アニメーション愛好者、そしてキップリングのファンにとっては、必見の作品と言えるだろう。

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