グリム童話「金の鳥」の魅力と評価：アニメとしての完成度を徹底解説

グリム童話金の鳥 - グリムドウワキンノトリ

■公開メディア

劇場

■原作メディア

童話

■公開日

1987年03月14日～ 0000年01月01日

■配給会社

東映

■映倫番号

24769

■分数

52分

■話数

1話

■原作

ヤコブ・L・C・グリム、ウィルヘルム・C・グリム

■監督

平田敏夫

■制作

東映動画

■著作

©東映動画

■ストーリー

1984年に製作され、お蔵入りとなっていたが、1987年に「東映まんがまつり」の１本として公開された劇場作品。実製作はマッドハウスが受け持っている。ミュージカル風の演出など各シーンごとに様々な工夫がされているのが特徴だ。

■解説

父の命令で金の鳥を探すことになった３人の王子クロイナーとワルナー、そしてお人よしの末っ子ハンス。居場所が分からず途方に暮れる３人の前に、人の言葉を話す狐のルルが姿を現す。ルルの言葉を信用しない兄２人は、狐に火の矢を放つ。

■キャスト

・ハンス／三輪勝恵
・ルル／藤田淑子
・魔女／富山敬
・ローランド姫／木ノ葉のこ

■メインスタッフ

・原作／ヤコブ・Ｌ・Ｃ・グリム、ウィルヘルム・Ｃ・グリム
・監督／平田敏夫
・脚本／田代淳二
・製作／今田智憲
・企画／勝田稔男
・製作管理／高橋保夫
・キャラクターデザイン・作画監督／大橋学
・画面構成／福島敦子、新川信正
・ミュージカル・アニメーション／南家こうじ
・美術監督／石川山子
・撮影監督／石川欽一
・編集／望月徹
・音楽／クニ河内
・音響効果／伊藤道広
・製作協力／青二プロ
・主題歌
ED
「地球はパーティー」
作詩、作曲／クニ河内
唄／三輪勝恵、こおろぎ'73

■メインキャラクタ

・ハンス
カイゼル王国の王子。心優しいがマイペースな性格。２人の兄と一緒に金の鳥を探す旅に出る。

・ルル
人の言葉を話す不思議な狐。金の鳥の住処をハンスに教える。

■関連作品

同時上映
・『新メイプルタウン物語パームタウン編』
・『超新星フラッシュマン大逆転！タイタンボーイ!!』

グリム童話金の鳥 - グリムドウワキンノトリ評論

グリム童話「金の鳥」は、1987年に東映まんがまつりの一環として公開されたアニメーション映画であり、その独特な魅力と物語性は、今日でも多くのファンに愛されています。この作品は、ヤコブ・グリムとウィルヘルム・グリムの原作を基に、平田敏夫監督のもとで制作されました。以下では、この作品の魅力や背景、そしてその評価について詳しく解説します。

制作背景と歴史

「金の鳥」は1984年に製作されましたが、当初はお蔵入りとなっていました。しかし、1987年に「東映まんがまつり」の一環として公開されることとなり、多くの子供たちにその物語を届けることができました。この作品の実製作はマッドハウスが担当しており、ミュージカル風の演出や各シーンごとの工夫が特徴的です。東映まんがまつりは、子供向けのアニメーション映画を複数同時に上映するイベントであり、「金の鳥」もその一環として上映されました。

ストーリーとテーマ

物語は、カイゼル王国の三人の王子、クロイナー、ワルナー、そして末っ子のハンスが、父王の命令で金の鳥を探す旅に出るところから始まります。三人は金の鳥の居場所が分からず途方に暮れていましたが、そこに現れた人の言葉を話す狐のルルが助けとなります。しかし、兄二人はルルの言葉を信用せず、狐に火の矢を放ってしまいます。このシーンは、信頼と裏切り、そして正義と悪の対比を象徴しており、物語の重要なテーマとなっています。

ハンスはルルの助けを信じ、金の鳥を探す旅を続けます。その過程で、魔女やローランド姫など様々なキャラクターと出会い、試練を乗り越えていきます。最終的には、ハンスの純粋な心と勇気が金の鳥を手に入れる鍵となり、物語は感動的な結末を迎えます。この物語は、グリム童話の伝統的なテーマである「善が悪を打ち負かす」ことを描いており、子供たちに勇気と正義の重要性を教えるものです。

キャラクター分析

ハンスは、カイゼル王国の末っ子王子であり、心優しいがマイペースな性格が特徴です。彼の純粋さと勇気が物語の中心となり、視聴者に深い感動を与えます。ルルは、人の言葉を話す不思議な狐であり、ハンスの旅を導く重要なキャラクターです。彼女の知恵と優しさが、ハンスの成功に大きく寄与しています。

また、魔女やローランド姫などのキャラクターも物語に深みを与えています。魔女は悪の象徴であり、ハンスの試練を引き立てる役割を果たしています。一方、ローランド姫はハンスの純粋な心に共感し、彼の旅を支える存在です。これらのキャラクターが織りなすドラマが、物語をより豊かなものにしています。

映像と音楽

「金の鳥」の映像は、ミュージカル風の演出が特徴的であり、各シーンごとに工夫が凝らされています。キャラクターデザインと作画監督を担当した大橋学の美しいビジュアルは、視覚的な魅力を引き立てています。また、画面構成を担当した福島敦子と新川信正の巧みな演出も、物語の展開を効果的にサポートしています。

音楽もこの作品の重要な要素であり、クニ河内の作曲による「地球はパーティー」は、感動的なエンディングを飾っています。三輪勝恵とこおろぎ'73の歌声が、物語のテーマをより深く伝えています。音響効果を担当した伊藤道広の仕事も、映像と音楽を一体化させる役割を果たしています。

評価と影響

「金の鳥」は、グリム童話の伝統的なテーマをアニメーションという形で表現した作品であり、その感動的なストーリーと美しい映像は、多くの視聴者に愛されています。特に、子供たちに勇気と正義の重要性を教える点で、高い評価を受けています。また、ミュージカル風の演出や各シーンごとの工夫は、視覚的な魅力を引き立て、視聴者を物語の世界に引き込んでいます。

この作品は、東映まんがまつりの一環として上映されたこともあり、多くの子供たちにその物語を届けることができました。その影響は大きく、今日でも多くのファンに愛され続けています。また、同時上映された『新メイプルタウン物語パームタウン編』や『超新星フラッシュマン大逆転！タイタンボーイ!!』とともに、1980年代のアニメーション映画の黄金期を象徴する作品となっています。