『FUTURE WAR 198X年』レビュー：未来戦争のリアルな描写と緊張感

『FUTURE WAR 198X年』 - 核戦争の恐怖と希望の物語

■公開メディア

劇場

■原作メディア

アニメオリジナル

■公開日

1982年10月30日～ 0000年01月01日

■配給会社

東映

■映倫番号

110648

■分数

125分

■話数

1話

■監督

・監督／舛田利雄、勝間田具治、高山秀樹

■制作

・製作／東映動画

■ストーリー

一九八Ｘ年の近未来。アメリカは対戦略核ミサイル用の戦闘衛星の開発に成功する。この衛星は、もし核ミサイルが使用されたとしても、レーザー砲により大気圏外に撃破してしまうという新兵器だ。この開発には、ゲイン博士、その妹のローラ、そして日本の若き科学者三雲などが参加していた。しかし、そのゲイン博士がソ連スパイによって誘拐されてしまう。米大統領ギブスンは、やむなく博士が連れ込まれたソ連原子力潜水艦を核ミサイルで撃沈してしまう。ソ連では国防相のブガーリンが「開戦の好機」と叫び、オルロフ議長が必死にタカ派の声をおさえていた。また、この事件を機に、三雲とローラの間に愛が芽生えた。その頃、西ドイツの空軍基地にソ連の最新戦闘機が亡命のため不時着した。ソ連はこの機の秘密を守るために基地を攻撃する。ＮＡＴＯのリンゼイ軍司令官はギブスンに核兵器の使用許可を求めた。ギブスンは話合いで解決しようとクレムリンにホットラインを入れるが、その時、主導権はブガーリンに移っており、事態は最悪な方向に向う。そして、戦闘で恋人を失ったＮＡＴＯ軍兵士が核ミサイルの発射ボタンを押したのをきっかけに、世界全面核戦争へと突入していく。ソ連から何発もの核ミサイルが発射された。三雲は衛星からレーザー砲で次々とミサイルを打ち落としていった。三雲の活躍により、世界戦争の危機から、なんとかのがれることが出来たのだ。しかし、激しい砲撃のため、衛星は軌道から離れ、宇宙の彼方に飛び去っていく。そこへ、ローラの打ち上げたロケットが近づき、三雲を救出するのだった。

■解説

1980年代の近未来を舞台に、米ソを中心として核戦争の危機を描くアニメーション。脚本は「鬼龍院花子の生涯」の高田宏治、監督は「大日本帝国」の舛田利雄と「わが青春のアルカディア」の勝間田具治の共同、撮影は白井久男と寺尾三千代の共同でそれぞれ担当。この作品は、冷戦時代の緊張感を背景に、核戦争の恐怖とそれを乗り越える人間の勇気と希望を描いた作品であり、当時の社会状況を反映した内容となっている。また、科学技術の進歩とその利用についても深く考えさせられる内容となっている。

■キャスト

北大路欣也
夏目雅子
野田圭一
柴田秀勝
金内吉男
小林修
大木民夫
舛田紀子
雨森雅司
宮川洋一
青野武
大塚周夫
納谷悟朗
石原良

■メインスタッフ

・製作総指揮／渡邊亮徳
・プロデューサー／吉田達
・企画協力／岩野正隆
・制作補／横井三郎
・脚本／高田宏治
・監督／舛田利雄、勝間田具治
・撮影／白井久男、寺尾三千代
・作画監督／須田正己
・アニメキャラクター・デザイン／須田正己
・音楽／横山菁児
・美術／辻忠直
・オリジナル・メカ・デザイン／辻忠直
・イメージ・イラスト／生頼範義
・ヒロイン・コスチューム・デザイン／アンドレ・クレージュ
・エフェクト・ディレクター／高山秀樹
・設定制作／鶴見和一
・文芸／鶴見和一
・録音／波多野勲
・編集／千蔵豊、吉川泰弘

■詳細な評論

『FUTURE WAR 198X年』は、1982年に公開された東映動画制作の劇場アニメーションであり、冷戦時代の緊張感を背景に核戦争の恐怖とそれを乗り越える人間の勇気と希望を描いた作品である。この作品は、当時の社会状況を反映した内容となっており、科学技術の進歩とその利用についても深く考えさせられる内容となっている。

物語は、一九八Ｘ年の近未来を舞台に、アメリカが対戦略核ミサイル用の戦闘衛星の開発に成功したことから始まる。この衛星は、もし核ミサイルが使用されたとしても、レーザー砲により大気圏外に撃破してしまうという新兵器であり、その開発にはゲイン博士、その妹のローラ、そして日本の若き科学者三雲などが参加していた。しかし、そのゲイン博士がソ連スパイによって誘拐されてしまう。米大統領ギブスンは、やむなく博士が連れ込まれたソ連原子力潜水艦を核ミサイルで撃沈してしまう。ソ連では国防相のブガーリンが「開戦の好機」と叫び、オルロフ議長が必死にタカ派の声をおさえていた。また、この事件を機に、三雲とローラの間に愛が芽生えた。その頃、西ドイツの空軍基地にソ連の最新戦闘機が亡命のため不時着した。ソ連はこの機の秘密を守るために基地を攻撃する。ＮＡＴＯのリンゼイ軍司令官はギブスンに核兵器の使用許可を求めた。ギブスンは話合いで解決しようとクレムリンにホットラインを入れるが、その時、主導権はブガーリンに移っており、事態は最悪な方向に向う。そして、戦闘で恋人を失ったＮＡＴＯ軍兵士が核ミサイルの発射ボタンを押したのをきっかけに、世界全面核戦争へと突入していく。ソ連から何発もの核ミサイルが発射された。三雲は衛星からレーザー砲で次々とミサイルを打ち落としていった。三雲の活躍により、世界戦争の危機から、なんとかのがれることが出来たのだ。しかし、激しい砲撃のため、衛星は軌道から離れ、宇宙の彼方に飛び去っていく。そこへ、ローラの打ち上げたロケットが近づき、三雲を救出するのだった。

この作品の魅力は、何と言ってもその緊張感あふれるストーリーと、核戦争の恐怖をリアルに描いた映像美にある。監督の舛田利雄と勝間田具治は、冷戦時代の緊張感を背景に、核戦争の恐怖とそれを乗り越える人間の勇気と希望を描いた。脚本の高田宏治は、「鬼龍院花子の生涯」でも知られるように、社会問題をテーマにした作品を多く手掛けており、この作品でもその手腕を発揮している。撮影の白井久男と寺尾三千代は、リアルな映像美を追求し、観客に強い印象を与えた。作画監督の須田正己は、アニメキャラクター・デザインも担当し、キャラクターの表情や動きを細部までこだわって描いた。音楽の横山菁児は、緊張感あふれる音楽を提供し、物語の進行に一役買った。美術の辻忠直は、オリジナル・メカ・デザインも担当し、近未来の世界観をリアルに描いた。イメージ・イラストの生頼範義は、作品の世界観を視覚的に表現し、観客に強い印象を与えた。ヒロイン・コスチューム・デザインのアンドレ・クレージュは、ローラの魅力を引き立てるデザインを提供した。エフェクト・ディレクターの高山秀樹は、核戦争の恐怖をリアルに描くためのエフェクトを担当し、観客に強い印象を与えた。設定制作と文芸の鶴見和一は、物語の背景や設定を詳細に描き、観客に理解しやすいように工夫した。録音の波多野勲は、リアルな音響を追求し、観客に強い印象を与えた。編集の千蔵豊と吉川泰弘は、物語の進行をスムーズにするための編集を担当し、観客に強い印象を与えた。

この作品は、冷戦時代の緊張感を背景に、核戦争の恐怖とそれを乗り越える人間の勇気と希望を描いた作品であり、当時の社会状況を反映した内容となっている。また、科学技術の進歩とその利用についても深く考えさせられる内容となっている。特に、ゲイン博士の誘拐やソ連の最新戦闘機の亡命など、リアルな事件を基にしたストーリーは、観客に強い印象を与えた。また、三雲とローラの恋愛模様も、物語に深みを与え、観客に共感を呼んだ。さらに、核戦争の恐怖をリアルに描いた映像美は、観客に強い印象を与え、作品の魅力を引き立てた。