アンデルセン物語：名作の魅力と現代への影響を徹底解説

アンデルセン物語 - アンデルセンモノガタリ

■公開メディア

劇場

■原作メディア

童話

■公開日

1968年03月19日 ～ 0000年01月01日

■配給会社

東映

■映倫番号

14890

■分数

80分

■話数

1話

■原作

ハンス・クリスチャン・アンデルセン

■制作

東映動画

■著作

©東映

■ストーリー

ある日、眠りの精のオーレおじさんは、教会で暮らすネズミのケケたちのもとを訪れる。そして彼らの部屋をピカピカに模様替えをするが、調子に乗り過ぎて靴を壊してしまった。そこでケケはオーレおじさんに、とある靴屋を紹介する。そこで天才的に話し作りの上手いハンスと出会ったオーレおじさんは、修理代として、赤い革をハンスの父に差し出す。後日、その革で作った赤い靴が原因で、大騒動が巻き起こる。

■解説

東映アニメーション製作の本格的なミュージカル長編アニメ。主人公のハンスは、後の童話作家H・C・アンデルセンであり、彼の代表作である『赤い靴』『おやゆび姫』『マッチ売りの少女』などが随所に織りまぜた構成となっている。本作は「厚生大臣児童文化大賞」「文部省青少年映画賞」を受賞。「東映こどもまつり」の1作として、『アラビアンナイト シンドバッドの冒険(リバイバル)』『怪獣王子』とともに上映された。

■キャスト

・オーレおじさん／高島忠夫
・ハンス／藤田淑子
・エリサ／杉山佳寿子
・町長の娘のカレン／増山江威子
・ハンス家の黒猫のゴロ／鈴木やすし
・町長の飼犬のブル／三波伸介
・エリサ家の牝猫のミミ／三輪勝恵
・教会のネズミのケケ／久里千春
・町長／玉川良一
・地方監督官／藤村有弘
・ハンスの父／富田耕生
・ハンスの母／平井道子
・ハインリッヒ／永井一郎

■メインスタッフ

・製作／大川博
・原作／ハンス・クリスチャン・アンデルセン
・企画／関政次郎、茂呂清一、有賀健
・製作進行／古沢義治
・脚本／井上ひさし、山元護久
・演出／矢吹公郎
・演出助手／及部保雄、佐々木勝利
・作画監督／大工原章
・原画／竹内留吉、小田克也、金山通弘、森英樹、木野達児、松原明徳、平川智、平川勤之助
・美術／小山礼司
・色彩設計／辻忠直
・検査／小椋正豊、西元敦子
・調色／谷口洋平
・撮影／林昭夫、白根基万
・編集／千倉豊
・音楽／宇野誠一郎
・録音／神原広巳
・音響効果／松下喜郎
・記録／河島利子
・製作／東映動画

■メインキャラクタ

・オーレおじさん
コウモリ傘を指して町に舞い降りてきた眠りの精。靴の修理代として、人の心を動かす靴ができるという「赤い革」をハンスの父にプレゼントする。いち早くハンスの物語作りの才能を見い出した。

・ハンス
物語を作り、人に聞かせるのが大好きな少年。靴屋の息子で、王立劇場でオペラを見ることに憧れている。「赤い靴コンクール」に参加し、その賞金でオペラを見ようと期待する。

・エリサ
ハンスの友達で、マッチ売りの少女。彼女のために黒猫のゴロが盗んできたマフラーが原因で、家を追い出されてしまう。

・カレン
町長の娘。「赤い靴コンクール」用にハンスの父が作った靴を勝手に持ち去ってしまう。しかしその靴をはいた直後、永遠に踊り続けるハメになる。

■関連作品

・同時上映
『アラビアンナイト シンドバッドの冒険(リバイバル)』
『怪獣王子』

■主題歌・楽曲

・主題歌／曲名調査中
・作詞／井上ひさし、山元護久
・作曲／宇野誠一郎
・歌／高島忠夫、藤田淑子、久里千春、ボーカルショップ

・挿入歌／朝の光の歌
・作詞／井上ひさし
・作曲／宇野誠一郎
・歌／高島忠夫

・挿入歌／二人の趣味の歌
・作詞／井上ひさし
・作曲／宇野誠一郎
・歌／高島忠夫、久里千春

■評論

『アンデルセン物語』は、1968年に公開された東映アニメーション製作の長編アニメーション映画であり、童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの作品を基にしたミュージカル形式の作品です。この映画は、アンデルセンの代表作である『赤い靴』『おやゆび姫』『マッチ売りの少女』などを巧みに織り交ぜたストーリーで、子供から大人まで楽しめる内容となっています。

物語の中心となるのは、眠りの精オーレおじさんと、物語作りが得意な少年ハンスの出会いから始まります。オーレおじさんが教会のネズミケケの部屋を模様替えするシーンから始まるこの映画は、ユーモアとファンタジーが満載で、視聴者を引き込む力があります。特に、オーレおじさんがハンスの父に赤い革をプレゼントするシーンは、後の展開を予感させる重要なポイントです。この赤い革から作られた靴が、物語の大きな転機となります。

ハンスのキャラクターは、アンデルセンの若き日の姿を投影したものであり、彼の物語作りの才能や夢を追い求める姿勢が描かれています。ハンスが「赤い靴コンクール」に参加し、その賞金でオペラを見ることを夢見るシーンは、視聴者の心を捉えます。また、ハンスの友達であるエリサのマッチ売りの少女としての苦難や、カレンが赤い靴を履いて永遠に踊り続ける悲劇的な運命も、アンデルセンの原作の深いテーマを反映しています。

本作の音楽は、宇野誠一郎によるもので、ミュージカルとしての魅力を最大限に引き出しています。特に、主題歌や挿入歌は、物語の進行に合わせて感情を高揚させ、視聴者に強い印象を与えます。高島忠夫や藤田淑子などの豪華なキャストも、キャラクターの個性を豊かに表現し、映画の魅力を一層引き立てています。

また、本作は「厚生大臣児童文化大賞」「文部省青少年映画賞」を受賞しており、その芸術性と教育的価値が高く評価されています。『アラビアンナイト シンドバッドの冒険(リバイバル)』や『怪獣王子』とともに「東映こどもまつり」の一環として上映されたこともあり、多くの子供たちに愛されました。

■推薦

『アンデルセン物語』は、ファンタジーとリアリティが交錯するアンデルセンの世界を、美しいアニメーションと音楽で描いた傑作です。特に、アンデルセンの原作を愛する人々や、ミュージカルアニメーションを楽しみたい人々には強くお勧めします。また、子供たちに物語の力や夢を追い求める大切さを教えるためにも、家族で鑑賞するのも良いでしょう。

さらに、この映画はアンデルセンの作品を知る良い機会でもあります。『赤い靴』や『マッチ売りの少女』などの原作を読んだ後で本作を鑑賞すると、より深い理解と感動を得ることができるでしょう。アニメーション映画としてだけでなく、文学作品としての価値も持つ『アンデルセン物語』は、何度でも見返したくなる作品です。