夏へのトンネル、さよならの出口：感動の物語とその評価

『夏へのトンネル、さよならの出口』 - 郷愁と疾走のひと夏の物語

■公開メディア

劇場

■原作メディア

ライトノベル

■公開日

2022年09月09日

■配給会社

・配給／ポニーキャニオン

■分数

83分

■話数

1話

■原作

・原作／八目迷^{夏へのトンネル、さよならの出口・小学館}

■監督

・監督／田口智久

■制作

・アニメーション制作／CLAP
・製作／映画『夏へのトンネル、さよならの出口』製作委員会

■著作

Ⓒ2022 八目迷・小学館／映画『夏へのトンネル、さよならの出口』製作委員会

■ストーリー

ウラシマトンネル――そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入る。ただし、それと引き換えに……

掴みどころがない性格のように見えて過去の事故を心の傷として抱える塔野カオルと、芯の通った態度の裏で自身の持つ理想像との違いに悩む花城あんず。ふたりは不思議なトンネルを調査し欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶ。

これは、とある片田舎で起こる郷愁と疾走の、忘れられないひと夏の物語。

■解説

あの日の君に会いに行く。

デビュー作が第13回小学館ライトノベル大賞において「ガガガ賞」と「審査員特別賞」をW受賞した八目迷による小説『夏へのトンネル、さよならの出口』(小学館「ガガガ文庫」刊)が劇場アニメーションとして2022年9月9日に公開。

劇場アニメーション『夏へのトンネル、さよならの出口』は、監督を映像表現に定評のあるアニメーション監督・田口智久(『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』(20)、『アクダマドライブ』)、キャラクター原案・原作イラストを精緻でドラマティックなイラストレーションで知られるくっか(『D_CIDE TRAUMEREI』キャラクター原案)、制作を『映画大好きポンポさん』(21)などを手がける新進気鋭の制作会社CLAPが担当。

■キャスト

・塔野カオル／鈴鹿央士
・花城あんず／飯豊まりえ
・加賀翔平／畠中祐
・川崎小春／小宮有紗
・浜本先生／照井春佳
・カオルの父／小山力也
・塔野カレン／小林星蘭

■メインスタッフ

・原作／八目迷「夏へのトンネル、さよならの出口」(小学館「ガガガ文庫」刊)
・原作イラスト、キャラクター原案／くっか
・監督、脚本、絵コンテ、演出／田口智久
・キャラクターデザイン、総作画監督／矢吹智美
・作画監督／立川聖治、矢吹智美、長谷川亨雄、加藤やすひさ
・プロップデザイン／稲留和美
・演出／三宅寛治
・色彩設計／合田沙織
・美術設定／綱頭瑛子(草薙)
・美術ボード／栗林大貴(草薙)
・美術監督／畠山佑貴(草薙)
・撮影監督／星名工
・CG監督／さいとうつかさ(チップチューン)
・編集／三嶋章紀
・音楽／富貴晴美
・音響監督／飯田里樹
・音響制作／スタジオマウス
・音響制作担当／鵜澤加奈
・設定制作／西川真剛
・制作／金澤明之介、田口慶次郎、豆田真起子
・制作プロデューサー／松尾亮一郎
・アニメーション制作／CLAP
・配給／ポニーキャニオン
・製作／映画『夏へのトンネル、さよならの出口』製作委員会

■メインキャラクタ

・塔野カオル(KAORU TONO)
田舎町の高校二年生。父親と二人暮らし。幼少期のある出来事がきっかけで心に葛藤を抱えている。ひょんなことから願いを叶えるというウラシマトンネルの存在を知る。
・花城あんず(ANZU HANASHIRO)
東京からきた転校生。容姿端麗で頭脳明晰。転校初日にクラスで浮いた存在となるが、ある出来事をきっかけに、カオルと共にウラシマトンネル探索の協力関係を結ぶ。
・加賀翔平(SYOHEI KAGA)
同じクラスのカオルの友人。
・川崎小春(KOHARU KAWASAKI)
同じクラスの生徒。あんずに目をつける。
・浜本先生(HAMAMOTO)
クラスの担任。
・カオルの父(KAORU'S FATHER)
カオルの父。
・塔野カレン(KAREN TONO)
カオルの妹。

■主題歌・楽曲

・TM1
・フィナーレ。
・作詞／eill
・作曲／eill、Ryo'LEFTY'Miyata
・歌／eill

・IN1
・プレロマンス
・作詞／eill
・作曲／eill、Ryo'LEFTY'Miyata
・歌／eill

■評論

『夏へのトンネル、さよならの出口』は、八目迷の同名ライトノベルを原作とした、田口智久監督による劇場アニメーション作品である。この作品は、青春の郷愁と冒険の疾走感を巧みに描き出し、観客に深い感動を与える一作となっている。

物語の舞台は、田舎町の高校。主人公の塔野カオルは、幼少期のトラウマを抱えながらも、ウラシマトンネルという不思議な場所を知ることになる。一方、東京から転校してきた花城あんずは、容姿端麗で頭脳明晰だが、自身の理想像とのギャップに悩んでいる。二人はウラシマトンネルを調査し、願いを叶えるために協力関係を結ぶことになる。

この作品の魅力は、何と言ってもそのストーリーテリングにある。田口智久監督は、青春の甘酸っぱさと冒険のスリルを絶妙に融合させ、観客を物語の世界に引き込む。特に、ウラシマトンネルの描写は非常に印象的で、現実と非現実の境界を巧みに描き出している。また、キャラクターの心理描写も細やかで、観客はカオルやあんずの心の動きをリアルに感じることができる。

キャストも見事である。塔野カオル役の鈴鹿央士は、トラウマを抱える青年の繊細な感情を丁寧に演じ、観客の共感を引き出す。一方、花城あんず役の飯豊まりえは、強さと脆さを兼ね備えたキャラクターを魅力的に演じている。加賀翔平役の畠中祐や川崎小春役の小宮有紗も、それぞれのキャラクターを生き生きと演じ、物語に深みを与えている。

音楽もこの作品の魅力を引き立てる重要な要素である。eillによる主題歌「フィナーレ。」と「プレロマンス」は、物語の情感を豊かに表現し、観客の心を揺さぶる。特に「フィナーレ。」は、物語のクライマックスで流れることで、観客に強い印象を残すだろう。

また、アニメーション制作を担当したCLAPの技術力も見逃せない。キャラクターデザインや背景美術、CGの使用など、全てが一貫した美しいビジュアルを形成している。特に、ウラシマトンネルのシーンでは、幻想的な色彩と動きが観客を魅了するだろう。

この作品は、青春の甘酸っぱさと冒険のスリルを描いた、忘れられないひと夏の物語である。観客は、カオルやあんずの成長と共に、自分自身の青春を振り返ることができるだろう。ぜひ、劇場でこの感動の物語を体験してほしい。

■推薦

『夏へのトンネル、さよならの出口』は、青春アニメーションを愛する全ての人におすすめしたい作品である。特に、青春の甘酸っぱさや冒険のスリルを求める人には必見の一作だ。また、美しいビジュアルや音楽を楽しみたい人にもおすすめである。

この作品を観た後は、同じく青春の物語を描いた『君の名は。』や『天気の子』もおすすめだ。これらの作品も、青春の情感と冒険のスリルを描き出し、観客に深い感動を与えるだろう。また、田口智久監督の他の作品である『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』や『アクダマドライブ』も、彼の映像表現の才能を感じることができるので、ぜひチェックしてほしい。

さらに、原作小説『夏へのトンネル、さよならの出口』もおすすめだ。アニメーションでは描ききれなかった細かな描写やキャラクターの内面を深く知ることができるだろう。八目迷の他の作品も、青春の物語を描いたものが多く、興味がある人はぜひ読んでみてほしい。

最後に、この作品を観る際には、ぜひ劇場で大画面と高音質で楽しんでほしい。ウラシマトンネルの幻想的なシーンや、主題歌の情感を最大限に感じることができるだろう。『夏へのトンネル、さよならの出口』は、青春の甘酸っぱさと冒険のスリルを描いた、忘れられないひと夏の物語である。ぜひ、劇場でこの感動の物語を体験してほしい。