ブラック・ブレット:絶望と希望の狭間で紡がれる物語
2014年に放送されたTVアニメシリーズ「ブラック・ブレット」は、神崎紫電によるライトノベルを原作とした作品であり、異形の寄生生物「ガストレア」と人類の戦いを描いた壮大な物語です。このアニメは、視聴者に深い感動と興奮を与えるだけでなく、社会的な問題を浮き彫りにするテーマ性も持ち合わせています。本稿では、「ブラック・ブレット」の魅力とその背景を詳細に解説し、視聴者への推薦を含めて紹介します。
ストーリーと世界観
「ブラック・ブレット」の舞台は、ガストレアの侵攻によって壊滅的な打撃を受けた未来の地球です。ガストレアは赤く輝く目と圧倒的な力、そして桁外れの再生能力を持つ生物で、人類はその脅威に抗うためにバラニウムという金属で作られたモノリスで囲まれた「エリア」の中で生き延びています。そんな中、ガストレアへの対抗手段を持つスペシャリスト集団「民間警備会社」が組織され、主人公の里見蓮太郎とその相棒の藍原延珠は、東京エリアを壊滅に追い込もうとする危険な企みに巻き込まれていきます。
この物語は、ガストレアとの戦いだけでなく、「呪われた子供たち」と呼ばれるガストレアウイルスを宿した少女たちの存在を通じて、差別や偏見、そして人間の尊厳について深く考えさせられる内容となっています。特に、里見蓮太郎と藍原延珠の関係性は、保護者と被保護者の枠を超えた深い絆を描き出し、視聴者の心を強く打ちます。
キャラクター
「ブラック・ブレット」の魅力は、何と言ってもそのキャラクターたちにあります。里見蓮太郎は、幼い頃にガストレア大戦で両親を亡くし、天童家に引き取られた高校生です。彼は不器用ながらも世話好きで、料理好きという家庭的な面を持ち、相棒の延珠にとっては保護者的な存在でもあります。延珠は、ウサギ因子のガストレアウイルスを宿したモデル・ラビットのイニシエーターで、天真爛漫な性格と驚異的な跳躍力を持つ少女です。彼女の「ふぃあんせ」としての自己主張と蓮太郎への信頼感は、物語に温かみと希望を与えます。
また、天童木更、蛭子影胤、ティナ・スプラウトなど、個性豊かなキャラクターが物語を彩ります。特に、蛭子影胤の恐るべき戦闘力とその背後に隠された悲劇的な過去は、視聴者に強い印象を与えます。彼らの背景や心情を深く掘り下げた描写は、視聴者に共感と理解を促し、物語全体の深みを増しています。
アニメーションと音楽
「ブラック・ブレット」のアニメーションは、キネマシトラスとオレンジという二つのスタジオによって制作されました。戦闘シーンの迫力やキャラクターの表情の細やかさは、視覚的な魅力を最大限に引き出しています。特に、ガストレアとの戦いやイニシエーターの能力発動シーンは、視聴者を引き込む力強さを持っています。
音楽面では、fripSideによるオープニングテーマ「black bullet」が物語の緊張感を高め、やなぎなぎによるエンディングテーマ「トコハナ」が視聴者の心を癒します。また、劇中で使用されるBGMも、物語の展開に合わせて感情を揺さぶる効果を発揮しています。特に、戦闘シーンでの鷺巣詩郎の音楽は、視聴者の興奮をさらに高める役割を果たしています。
社会的なテーマ
「ブラック・ブレット」は、ガストレアとの戦いだけでなく、「呪われた子供たち」に対する差別や偏見、そして人間の尊厳について深く描いています。ガストレアウイルスを宿した少女たちは、社会から疎外され、虐待を受けることが多いという現実は、現代社会の問題を象徴しています。聖天子が提案する「ガストレア新法」は、彼女たちの基本的人権を尊重し、共生を目指すものですが、依然として根強い反対勢力によって成立を阻まれています。このテーマは、視聴者に深い思索を促し、社会に対する新たな視点を提供します。
推薦と評価
「ブラック・ブレット」は、壮大な世界観と深いテーマ性、そして魅力的なキャラクターたちによって、視聴者に強い印象を与える作品です。特に、ガストレアとの戦いや「呪われた子供たち」の問題に興味がある方には強く推薦します。また、アクションシーンの迫力や音楽の美しさを楽しみたい方にもおすすめです。
このアニメは、視聴者に絶望と希望の狭間で生きる人間の強さと脆さを教えてくれます。里見蓮太郎と藍原延珠の絆、そして彼らを取り巻くキャラクターたちのドラマは、視聴者の心に深く刻まれることでしょう。「ブラック・ブレット」は、単なるエンターテイメント作品を超えて、社会的な問題を考えさせる力を持った作品であり、その価値は計り知れません。
詳細情報
以下に、「ブラック・ブレット」の詳細情報をまとめます。
公開メディア
TVアニメシリーズ
原作メディア
ライトノベル
放送期間
2014年04月08日 ~ 2014年07月01日
TV放送
- TOKYO MX:2014年4月8日より毎週火曜日24:30~
- tvk:2014年4月8日より毎週火曜日25:00~
- サンテレビ:2014年4月8日より毎週火曜日24:30~
- KBS京都:2014年4月8日より毎週火曜日25:00~
- テレビ愛知:2014年4月8日より毎週火曜日25:35~
- BS11:2014年4月9日より毎週水曜日24:00~
- AT-X:2014年4月8日より毎週火曜日22:30~、木曜日10:30~、土曜日28:30~、月曜日16:30~
ネット配信
- dアニメストア:2014年4月10日より毎週木曜日12:00~
- ニコニコ動画:2014年4月10日より毎週木曜日23:30~
- GyaO!:2014年4月11日より毎週金曜日12:00~
- バンダイチャンネル:2014年4月25日(金)12:00より配信
- 楽天ShowTime:2014年4月25日(金)12:00より配信
- ひかりTV:2014年4月25日(金)0:00より配信
- VIDEOMARKET:2014年4月25日(金)0:00より配信
- PlayStation(R)Store:2014年4月30日(水)より配信予定
放送局
AT-X
分数
30分
話数
13話
原作
神崎紫電(電撃文庫刊)
監督
制作
アニメーション制作:キネマシトラス×オレンジ
著作
©2013 神崎紫電/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/ブラック・ブレット製作委員会
キャスト
- 里見蓮太郎:梶 裕貴
- 藍原延珠:日高里菜
- 天童木更:堀江由衣
- ティナ・スプラウト:黒沢ともよ
- 蛭子影胤:小山力也
- 蛭子小比奈:悠木 碧
- 室戸 菫:甲斐田裕子
- 聖天子:豊崎愛生
- 伊熊将監:手塚ヒロミチ
- 千寿夏世:潘 めぐみ
- 司馬未織:小清水亜美
- 保脇卓人:木村 昴
- 片桐玉樹:細谷佳正
- 片桐弓月:大久保瑠美
- 薙沢彰磨:三木眞一郎
- 布施 翠:小倉唯
- 我堂長政:玄田哲章
- 壬生朝霞:水瀬いのり
- 天童菊之丞:大木民夫
メインスタッフ
- 原作:神崎紫電(電撃文庫刊)
- 原作イラスト:鵜飼沙樹
- 監督:小島正幸
- 副監督:博史池畠
- シリーズ構成:浦畑達彦
- キャラクターデザイン、総作画監督:海島千本
- 音楽:鷺巣詩郎
- アニメーション制作:キネマシトラス、オレンジ
- 音響監督:山田 陽
メインキャラクタ
- 里見蓮太郎:天童民間警備会社のプロモーターで、勾田高校に通う2年生。幼い頃にガストレア大戦で両親を亡くし天童家に引き取られた。不幸顔とぶっきらぼうな口調に反して、世話好きで料理好きと家庭的な面があり、相棒の延珠にとっては保護者的な存在でもある。動植物への造詣が深く、任務においては40口径拳銃と天童式戦闘術を武器に戦う。幼い頃、天童家の屋敷に現れたガストレアから木更を庇った際に、右腕、右脚、左眼を失う重傷を負い、室戸菫の執刀により機械化兵士となった。
- 藍原延珠:天童民間警備会社のイニシエーターで、蓮太郎の相棒にして自称「ふぃあんせ」。自分を「妾」と呼び、口調も態度もいつも偉そうにしているが、中身は天真爛漫、外見はかわいらしいツインテールの少女(10歳)。ウサギ因子のガストレアウイルスを宿したモデル・ラビットのイニシエーターで、驚異的な跳躍力と脚力で繰り出す蹴り技を武器に戦う。
- 天童木更:天童民間警備会社の社長で、蓮太郎と延珠の雇い主たる元・お嬢様。名家である天童家の出にして蓮太郎の想い人で、幼い頃の彼を知る人物でもある。ある事件を機に家を飛び出して独立したため、現在は慎まやかな生活を余儀なくされている。『殺人刀・雪影』を振るう天童式抜刀術免許皆伝の腕を持つ達人。
- 蛭子影胤:細身の長身にタキシードとシルクハットを纏い、顔には舞踏会用の仮面を被った「世界を滅ぼす者」を自称する男。その奇抜な風貌に反して恐るべき戦闘力を持つ。その正体は対ガストレア特殊部隊「新人類創造計画」の産物である機械化兵士。ある事件以降、蓮太郎たちに敵対し、東京エリアの壊滅を目論んでいる。
- 蛭子小比奈:影胤の娘にして相棒たるイニシエーター。好戦的で、従順たる態度を見せるのは父親の影胤に対してのみという、殺意の塊とも言うべき危険な少女。カマキリ因子のガストレアウイルスを宿したモデル・マンティスのイニシエーターで、腰に吊るした二本の小太刀を振るって神速の斬撃を繰り出し、接近戦では無類の強さを発揮する。
- ティナ・スプラウト:蓮太郎が出会った不思議な雰囲気の少女。絡まれているところを助けられた縁で、彼に懐いてしまう。いつも眠そうな様子でカフェインの錠剤をボリボリと摂取している。その正体は聖天子暗殺のために東京エリアに送り込まれた刺客で、フクロウ因子を宿したモデル・オウルのイニシエーター。
- 伊熊将監:大手民間警備会社・三ヶ島ロイヤルガーダーに所属するプロモーターで、IP序列1584位の凄腕。粗暴で短気、すぐに手が出る暴力的な戦闘狂で、相棒にすら『脳味噌まで筋肉』との不名誉な評価を得ているほど。イニシエーターをバックアップに、自らは前衛を務める珍しいスタイルで、バラニウム製の巨大な剣を軽々と振るって戦う。
- 千寿夏世:大手民間警備会社・三ヶ島ロイヤルガーダーに所属するイニシエーターで、伊熊の相棒。感情の起伏は少なく、シニカルな中に茶目っ気をのぞかせる性格。イルカ因子のガストレアウイルスを宿したモデル・ドルフィンのイニシエーターで、IQ210の高い知能指数と記憶力を持つため、戦闘時には伊熊のバックアップとして司令塔的な役割を果たす。
- 室戸菫:勾田公立大学付属病院で法医学教室室長を務めるガストレア研究家。重度の引きこもりにして死体愛好家だが、かつては「新人類創造計画」に携わり、卓越した頭脳で世界を席捲した才媛でもある。趣味は解剖と映画と18禁ゲーム。蓮太郎のよき相談相手である一方、蓮太郎をからかうことを生きがいにしている説も。
- 司馬未織:勾田高校の生徒会長にして、世界に名立たる巨大兵器会社・司馬重工の社長令嬢。手には鉄扇、常に振袖に身を包んだ雅やかな和服美少女。木更との相性は最悪に近く、同じ空間にいるだけで血の雨が降るほど。木更相手に一歩も引かないことからもわかるように、司馬流戦闘術を修めた恐るべき使い手でもある。蓮太郎と延珠に各種装備品を無償提供するパトロンで、ことあるごとに蓮太郎に迫るお茶目さんでもある。
- 聖天子:日本のある五つの「エリア」のひとつ、東京エリアの三代目統治者。人間離れした美貌のみならず、気高い志と、その理想を貫き通す高い政治的手腕を併せ持っており、弱冠16歳にして歴代でも抜きんでた民衆の支持を獲得している。
- 天童菊之丞:聖天子付き補佐官。木更の祖父で、政治家として最高権力者の座にあると同時に、東京エリアの政治経済を裏側から操る天童家当主でもある。年齢に見合わぬ偉丈夫で、仏師として高い評価を得、人間国宝に指定されるという側面を持つ。政治家として聖天子を名君として深く敬愛し、支えている一方で、ガストレアに対する深い憎しみから、『呪われた子供たち』への暗い感情も抱えている。
- 保脇卓人:聖天子付きの護衛官。細く尖った顔立ちに鋭い瞳をした長身の美男子。階級は三尉で、30歳程度の若さで護衛隊長を務めていることからもわかるように有能なようだが、神経質でエリート意識が強い様子。聖天子直々に警護の依頼をうけた蓮太郎に対抗意識を燃やしている。
- 片桐玉樹:片桐民間警備会社のプロモーター。天童民間警備会社に勝るとも劣らない零細民警で、妹の弓月とふたりで切り盛りしているが、IP序列は1850位とその実力は折り紙つき。自己主張の強い目立ちたがり屋で、情に厚く、信頼を得れば心強い味方となる。ちなみに料理上手。チェーンソーを仕込んだナックルダスターとブーツによる格闘戦と、マテバ社製のオートマチックリボルバー・ウニカを駆使した接近戦を得意としている。
- 片桐弓月:片桐民間警備会社のイニシエーターで、玉樹の相棒。ウェーブのかかった金髪ツインテールにパンクファッションは兄の影響か、非常に口が悪い。攻撃的な性格は強い警戒心の裏返しで、実力を認めた相手には素直に心を許す。クモ因子のガストレアウイルスを宿したモデル・スパイダーのイニシエーターで、指先から粘着性の糸を射出。不可視の糸を張り巡らせて標的の動きを封じ、玉樹の一撃で沈めるコンビネーションを得意とする。
- 薙沢彰磨:フリーのプロモーターで、天童式戦闘術八段の腕前を持つ蓮太郎の兄弟子。感情の波はあまりなく、ともすると人嫌いと思われるほどに寡黙で、必要以上のことは語らない。IP序列は970位で、天童式でも姉弟子の木更をして一目置くほどの才能の持ち主だったらしいが、現在は破門されている。イニシエーターすら相手どれる天童式戦闘術の腕前と、SIG SAUER P226 X-FIVEによる接近戦を得意とする。
- 布施翠:彰磨の相棒を務めるイニシエーター。引っ込み思案な恥ずかしがり屋で、ちょっと気が弱いせいもあって、何かと緊張してはあたふたすることも。特技は匂い占い。ネコ因子のガストレアウイルスを宿したモデル・キャットのイニシエーターで、頭部に生えたネコの耳を大きなとんがり帽子で隠している。因子に由来する身軽さと素早い動きに加え、自在に出し入れできる長く鋭い爪を駆使した接近戦を得意とする。
メインロボ・アイテム
- IISO:国際イニシエーター監督機構(International Initiator Supervising Organization)の略称。現在、20万組を超える世界中のプロモーターとイニシエーターのペアが登録されている。その名の通り、イニシエーター――ガストレアウイルスとその抑制因子を持ち、人を超える力を発揮する「呪われた子供たち」を管理監督し、プロモーターとのマッチングや、ペアのランキングなどを行っている。
- IP序列:イニシエーター=プロモーター序列(Initiator/Promoter)の略称。世界中のペアに対してランク付けされているもので、その総合的な戦闘能力、実績から判断される。民警――特にイニシエーターは対ガストレアの貴重な戦力でもあるため、その活動に際しては序列に応じた機密情報へのアクセス権限や有事における擬似的な階級などの特権が与えられている。
- アジュバント:リーダーを中心に、複数の民警ペアで構成されたチームのこと。主に緊急措置として民警を自衛隊組織に組み込む際に適用される最小構成単位で、各アジュバントの上には軍団長が置かれ、全体を統括指揮する。アジュバントの総数が多い場合には、一定数ごとに中隊長を置く場合もある。この分隊運用システムは『アジュバント・システム』と呼ばれている。
- 天の梯子:ガストレアの脅威に対抗すべく作られた超巨大兵器。ガストレア大戦末期に完成を見たが、ガストレアの侵攻により施設からの撤退を余儀なくされ、試運転すら行われることなく終戦を迎えることとなった。1.5キロもの全長を誇る線形超電磁投射装置――レールガンモジュールで、直径800ミリ以下の金属飛翔体を亜光速まで加速して撃ち出すことが可能。バラニウム徹甲弾を飛翔体とすることで、『ゾディアック』ガストレアに対する有効な対抗手段となり、東京エリアに襲来したスコーピオンを撃破したが、調整が不十分なままに使用されたことで、現在は復旧不可能な状態となっている。
- アルデバラン:モノリスの白化現象を引き起こしたステージⅣのガストレア。バラニウムを劣化させ、磁場発生効果をなくす効果を持った浸食液を生成、噴射できる極めて特異な能力を持つ。ガストレア大戦時から個体認識されている珍しいガストレアで、ステージⅤ――ゾディアックガストレアのタウルスにつき従っていたことから、牡牛座の最も明るい星の名を与えられている。
- イニシエーター:ガストレアウイルスとその抑制因子を持ち、高い戦闘力を有した「呪われた子供たち」の中でも、民警としてガストレアと戦うことを選んだ者たちのこと。ウイルスの元になった動物の特性を受け継いでおり、たいていは人を超えた高い運動能力と再生能力を持つ。能力を使用する際に瞳が赤く光るほか、稀に動物に由来する外見を持つ者もいる。また、能力の使用はウイルス侵食率を上げるため、普段は侵食抑制剤の投与によってそれを抑えている。
- 奪われた世代:ガストレア大戦の惨劇を経験した人たちのこと。ガストレアの脅威に怯え、近親者を殺され、生活基盤の全て失うなど、例外なくガストレア大戦によって大切なものを奪われた経験を持つため、こう呼ばれている。そのため、ガストレアに対する憎しみは深く、ガストレア因子を持つ『呪われた子供たち』への偏見と差別の大きな原因ともなっている。
- 回帰の炎:東京エリア第四十区にある公園に設置された記念碑。第二次関東会戦でのガストレアに対する大勝利を祝い、同時にガストレア大戦のすべての犠牲者を慰霊すべく建てられた。さまざまな想いをこめて建てられたこの記念碑は、同会戦で使われた二千挺あまりの銃を鋳潰して作られている。
- ガストレア:突如現れ、世界を壊滅に追い込んだ異形の生物の総称。赤い目と醜悪な外見が特徴で、高い再生能力を持つために通常兵器での殺傷は不可能である。通常ステージⅠからステージⅣに分類される。
- ガストレアウイルス:遺伝子情報を書き換えるウイルスで、ガストレアを生み出す力を持つ。感染した生物は体内浸食率が50%を超えると形象崩壊を起こしガストレア化する。
- ガストレア新法:『呪われた子供たち』の基本的人権の尊重を謳った法案。ガストレアショックによる育児放棄や子殺しにはじまり、再生能力があるがゆえに激しい虐待を受けやすいなど、潜在的差別層である『奪われた世代』の攻撃対象となる『呪われた子供たち』の社会的地位向上と共生を目指したもの。聖天子が周囲の反対を押し切って提出した法案だが、依然として根強い反対勢力によって成立を阻まれている。
- ガストレア大戦:2021年、未知の生物であるガストレアの強襲を受けた人類が、国土の大部分と数えきれない死傷者、行方不明者を出した末に敗北を喫した戦いのこと。これ以降、人類は世界各地の特定の区域をモノリスで囲い、ガストレアにおびえて隠れ暮らすことになった。
- 幻庵祭:ガストレア大戦で亡くなった英霊に感謝を捧げるべく、第二次関東大戦以降、行われるようになった慰霊祭。夜になると、参加者が自分で作った手のひらサイズの気球を一斉に浮かべるため、夜空が光で満たされる幻想的な光景が見られる。
- 斉武宗玄:大阪エリアの代表たる大統領。ガストレア大戦後の荒廃した大阪エリアを立て直した辣腕振りと、目的のためには手段を選ばない独裁者ぶりで知られている。日本エリア掌握のため、バラニウムを見返りとして、諸外国から資金・物資の供与を受けているなど、黒い噂が絶えず、菊之丞をもってしても与しづらいと言わしめる危険人物である。
- シェンフィールド:四賢人のひとり、エイン・ランドが完成させティナ・スプラウトに与えた思考駆動型インターフェイス。脳に埋め込んだニューロチップで、浮遊するこぶし大の球形物(ビット)――精密な観測装置を搭載した偵察機を操り、標的や周辺の詳細情報を得るシステムで、使用の際、脳に多大な負荷をかける代わりに、神業級の正確無比な射撃を実現する。
- 新人類創造計画:ガストレア大戦時、対ガストレア用特殊部隊編成のために立てられたプロジェクト。ガストレアの脅威に対抗すべく、人間を機械化兵士として開発、運用することを目指していたが、『呪われた子供たち』の有用性から計画は廃止。その記録は抹消され、現在でも最高レベルの機密情報であるため、一般には都市伝説として語られる存在となっている。ガストレア大戦時に開始された機械化兵士計画の、日本支部におけるプロジェクト名。ドイツ、日本、オーストラリア、アメリカの四カ国が参加、それぞれが独自の方法論で超人的な力を持つ機械化兵士の開発にあたった。蛭子影胤はステージⅣのガストレアによる攻撃を物ともしない絶対防御を目指したセクション16によって、里見蓮太郎は超人的な攻撃力を目指したセクション22によって開発されている。
- ステージⅤ:ステージⅣまでとはまるで比べるべくもない規格外、最大級のガストレアで、バラニウムの発する磁場の影響を受けない特異な個体のこと。ガストレア大戦において驚異的な力で世界を滅亡へと導いただけでなく、モノリスの破壊によって『大絶滅』を引き起こす存在として恐れられている。通称『ゾディアック』。その名の通り、黄道十二星座の名を冠されており、現在、11体の存在を確認(『巨蟹宮(キャンサー)』のみ欠番)。これまでに『金牛宮(タウルス)』、『処女宮(ヴァルゴ)』の2体が撃破されている。
- ゾディアックガストレア・スコーピオン:11体の存在が確認されている最大最強クラスのガストレア、ステージⅤのうちの1体。ガストレア大戦時に多くの被害をもたらした個体で、特徴的な鎌状の棘から『天蠍宮(スコーピオン)』のコードネームが与えられた。『七星の遺産』によって東京エリアに呼び出されたが、天の梯子からの長距離狙撃により討伐された。
- 第二次関東会戦:東京エリアにおいて、自衛隊が初めてガストレアに快勝を収めた会戦。ガストレアが苦手とし、その再生能力を阻害する希少金属・バラニウムの装備を装備に組み入れ、万全の迎撃態勢を持って挑んだことが勝因となった。この勝利で戦線を大きく押し戻したことによって、東京エリアは今の広さを保持している。
- 天誅ガールズ:「ブラック・ブレット」の世界で女の子たちに大人気の、四十七士をモチーフにした魔法少女アニメ。藍原延珠も欠かさず視聴している大ファンの1人。
- 東京エリア:日本に残された5つのエリアと呼ばれる人類居住区のひとつ。日本には他に北海道、仙台、大阪、博多に存在し、世界にも同様の地域が複数ある。
- 七星の遺産:感染源ガストレアに癒着したアタッシュケースの中に入っている封印指定物。具体的な情報は明らかにされていないが、ステージⅤのガストレア『ゾディアック』を呼び出し、ガストレアに対するモノリスの結界を破壊して『大絶滅』を引き起こす鍵となるらしい。
- 七星村:二〇二一年に消滅したとされる村。機密文書においても消滅したこと以上の記述はなく、一般には地図上からもその存在が抹消されている。現在はガストレアの跋扈する未踏破領域となっている飛騨山脈の麓、元長野県北部、元富山県との県境近くにあったらしい。『蛭子影胤テロ事件』で、ゾディアックガストレア・スコーピオンを呼び寄せる触媒となった『七星の遺産』と深い関連を持つと思われるが、詳しいことは明らかでない。
- 二一式バラニウム義眼:蓮太郎の左眼にはめ込まれた義眼。超バラニウム合金の外郭にグラフェントランジスタ仕様のCPUを搭載した高性能コンピュータが内蔵されており、各種センサー類に加えて、脳の思考回数を数千倍に増幅するマルチプライヤー機能を搭載している。その使用により、時間経過を『遅く』体感できるため、相対的に高い反応速度を得ることとなる。
- 呪われた子供たち:ガストレア大戦後に生まれた『無垢の世代』の中でも、ガストレアウイルスを持って生まれた子供たちのこと。現在のところ、女の子しか確認されていない。
- バラニウム:ガストレアが嫌う磁場を発生し、その再生能力を阻害する金属。人類がガストレアに対抗しうる唯一の手段として使われている。
- プレヤデス:ステージⅣガストレア・アルデバランが率いる巨大ガストレア。その正体は定かではないが、超長距離から一条の光を放ち、空か地かを問わず標的を焼きつくす『光の槍』での狙撃を得意とする。アルデバランと並ぶその脅威から、タウルスの中心星団の名を冠することとなった。
- プロモーター:民警に所属する人員の中で、イニシエーターとペアを組み、ガストレアとの戦闘にあたる者のこと。イニシエーターが幼い少女であることもあり、作戦における司令塔的役割と同時に、彼女たちを教え導く精神的支柱となることが多い。一方で、イニシエーターの戦闘力と生命力の高さから、彼女たちを道具のように手荒く扱う者たちもいる。
- 民警:民間警備会社の略称で、ガストレアへの対抗手段を持ったスペシャリスト集団。通常、プロモーターとイニシエーターの二人一組=ペアで行動する。
- 無垢の世代:ガストレア大戦後に生まれた人たちのこと。母体内でガストレアウイルスに感染した『呪われた子供たち』もこの世代に含まれる。大戦終結からまだ10年しか経っていないため、皆、幼い子供であるが、呪われた子供たちの中には差別と偏見によって生活の場を追われ、外周区の地下に住まう『マンホールチルドレン』となっている者も多い。
- モノリス:人類の居住区である各エリアの外周部分を等間隔で囲っている巨大なバラニウム製の金属板のこと。発せられる特殊な磁場によって、ガストレアの侵入を防ぐ役割を果たしている。東京エリアは高さ1.618キロメートル、幅1キロメートルのモノリスによって、周囲数百キロメートルを、10キロメートルおきに囲まれ、護られている。
- 四賢人:機械化兵士計画推進のために招聘された、世界最高の頭脳を持つ四人の天才科学者のこと。統括責任者であるドイツのブレヒト・グリューネワルト、日本支部『新人類創造計画』の室戸菫、オーストラリア支部『オベリスク』のアーサー・ザナック、アメリカ支部『NEXT』のエイン・ランドが、それぞれ自分の専門分野を元にしたノウハウを駆使して機械化兵士を開発した。
サブタイトル
- 第1話:最後の希望
- 第2話:狂気の仮面
- 第3話:運命の子供たち
- 第4話:黒の銃弾
- 第5話:紅黒の暗殺者
- 第6話:トラジック・アイロニー
- 第7話:静寂の月夜、夜明けの空
- 第8話:境界線の石碑
- 第9話:結界の守人
- 第10話:東京エリア防衛戦
- 第11話:タウルスの心臓、光の槍
- 第12話:クライシス・ポイント
- 第13話:神を目指した者たち
主題歌・楽曲
- OP1:black bullet
- 1~13
- 作詞:八木沼悟志
- 作曲:八木沼悟志
- 編曲:八木沼悟志
- 歌:fripSide
- ED1:トコハナ
- 1~3、5~12
- 作詞:やなぎなぎ
- 作曲:齋藤真也
- 編曲:齋藤真也
- 歌:やなぎなぎ
- ED2:忘れない為に
- 4
- 作詞:やなぎなぎ
- 作曲:やなぎなぎ
- 編曲:やなぎなぎ
- 歌:やなぎなぎ
- ED3:忘れない為に for lotus
- 13
- 作詞:やなぎなぎ
- 作曲:やなぎなぎ
- 編曲:やなぎなぎ
- 歌:やなぎなぎ
- IN1:ミライ*ガール
- 2
- 作詞:rino
- 作曲:増谷賢
- 編曲:長田直之
- 歌:天誅ガールズ(深沢紗希、佐々木璃花、錦織めぐみ、板山紗織、渡辺くるみ、澤田明菜、海保えりか)
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