『ジーンシャフト』の魅力と評価：アニメファン必見のレビュー

ジーンシャフト - 遺伝子操作社会の未来を描くSFアニメ

■公開メディア

TVアニメシリーズ

■原作メディア

アニメオリジナル

■放送期間

2001年04月05日 ～ 2001年06月28日

■放送局

WOWOW

■分数

30分

■話数

13話

■原作

原作／サテライト、赤根和樹

■監督

監督／赤根和樹

■制作

制作／サテライト

■著作

©2001 SATELIGHT/BANDAI VISUAL・DENTSU

■ストーリー

21世紀後半……。

無秩序に欲望を追いつづけその抑制ができなくなった地球人類は、いたずらに資源を浪費し、環境を破壊し、さらには根拠のない主義・主張に踊らされ、闘い、殺し合って、ついに滅亡寸前まで追い込まれた。

滅びを回避するために彼らがとった選択は、自ら強制的に進化する方法……あらかじめ、プログラムされたDNAから生命を産み出し、性格及び適正能力さえもコントロールする……すなわち遺伝子操作である。

この選択はさらに加速度を増し、I.E.O（地球統合政府）のもと、人為的に人口のバランスは理想的な男女比1：9に保たれ、人々が恋愛感情や支配欲を無くすことによって社会は安定していった。

こうして23世紀、完全なる遺伝子操作社会は完成した。

そんな中、軍事訓練を受けていたミカ・セイドウは、任務の召集で向かった宇宙ステーションで、親友の仇、ヒロト・アマギワに出会い……。

■解説

『エスカフローネ』の赤根和樹が原作・監督・シリーズ構成を担当したオリジナル作品である。ジーンとは英語で遺伝子のことで、その操作によって男女比が「１：９」に制御された未来社会で活躍するエリート女性たちの毅然とした活躍と個性的な態度が魅力的。宇宙に突然現れたリングからの謎の攻撃、宇宙ステーションからのサバイバルなど余談を許さない展開が立て続けで、一歩間違えば死に至る緊迫感は宇宙ＳＦならではのハードさだ。映像的な見せ場は、造形作家・竹谷隆之による複雑な形状のロボット“シャフト”が精緻に動き出す場面。『創聖のアクエリオン』でおなじみサテライトによる3DCG描写は、真空の宇宙の拡がりとともに見応えがあり、ＳＦファンは見逃せない！【アニメ評論家・氷川竜介】
出典：バンダイチャンネル

■キャスト

・ミカ・セイドウ／比嘉久美子
・ヒロト・アマギワ／櫻井孝宏
・ミール・ロータス／かかずゆみ
・セルゲイ・IV・スニーク／川田紳司
・ベアトリーチェ・ラティオ／坂本真綾
・ソフィア・ガルガリン／甲斐田裕子
・チキ・ムジカノーバ／桑島法子
・マリオ・ムジカノーバ／浜田賢二
・レミィ・レヴィストロース／柚木涼香

■メインスタッフ

・原作／サテライト／赤根和樹
・監督／赤根和樹
・シリーズ構成／赤根和樹
・キャラクターデザイン／大島康弘
・メインメカデザイン／竹谷隆之
・メカニカルデザイン／高倉武史
・美術監督／片野坂悟一
・色彩設計／千葉賢二
・3D／CGI／井野元英二
・編集／森田清次
・音響監督／明田川仁
・音楽／高崎晃
・制作／サテライト

■メインキャラクタ

・ミカ・セイドウ
本作品の主人公。シャフトドライバー候補。明るい性格だが、ジーンタイプがホワイトであることに異常なコンプレックスを持っている。軍の訓練生時代、親友のリョーコを事故で亡くしているが、その死の原因がヒロトにあると思い込んでおり、ヒロトを激しく憎んでいる。育ての親がDNAの研究者で、その親がDNA操作して生み出した知能のある犬・ビスマルクとのメール交換が彼女の安らぎのようだ。

・ヒロト・アマギ
ワビルキスのキャプテン。人類のリーダーになるべく特殊なDNA操作を受けた遺伝子を持ち、幼少の頃からエリート教育を受けてきた。性格は冷静沈着で、的確な判断能力を持ち、指揮官としてたぐいまれな力をみせる。が、他人には感情をみせることは少ない。かつては普通の感性を持った少年だったようだが、リョーコの事故死の一件以来、変容したらしい。

・ミール・ロータス
シャフトドライバー候補。人類として理論上最も優秀に作り上げられたDNAを持つ。美人、頭脳明晰、運動神経抜群。自分でもそのことを誇りに思い、かなり傲慢で主張が強い。しかし、幼少時から自分の教育係だったセルゲイに対しては、精神的にとても依存している部分もあり、彼のなすことは絶対だと思い込んでいるようだ。ミカやソフィアとは、彼女自身のプライドの高さから折り合いが悪く、対立することもしばしば。

・セルゲイ・IV・スニーク
元老院直属の超エリート集団「イモータル」の一員。軍での階級は大佐。ミールと同じく超優秀なDNAをもち、ヒロトと同じくエリート教育を受けてきた。それゆえ、その二人に対しては期待をしている様子。見た目はその美しい顔だちから優しそうに見えるが、かなりの曲者。人類を陰で統括する元老院からは、リング調査をはじめとするSミッションの全責任を任されるほどの信頼感を得ている。彼のレジスタはシビル。

・ベアトリーチェ・ラティオ
ビルキス・参謀。ヒロトのレジスタ。レジスタは遺伝子操作により感情を極端に抑え、あらゆる状況下で正確な判断が下せるように脳の副処理能力を強化されている。彼女もそういったレジスタの性質どおり、キャプテンの判断をブリッジに正確・的確に伝えることを主な仕事としている。その為、他人には冷たい印象を与えることが多い。脳に栄養を与える為、常にレジスタキャンディを携帯している。服用すると睡眠を取ることなく活動ができるようだ。

・ソフィア・ガルガリン
シャフトドライバー候補。背が高く、モデルのようなプロポーションを持ち、運動神経は抜群。性格的にも気風がよく、勝ち気でさっぱりした性質を持つ。訓練時代からミカとは知り合いで、ケンカもよくするが、良き相談相手だったりもする姉的存在。この世界の最も常識的な感覚を持つ。

・チキ・ムジカノーバ
シャフトドライバー候補。マリオの妹。マリオとはお互いに信頼しあっており、その様子は兄妹が珍しいこの世界では、他人には奇異に映るようだ。普段は元気で明るい子だが、その口の悪さからミカと言い合いになることも多い。

・マリオ・ムジカノーバ
ビルキスキャプテン・バックアップ。政府公認の優良種のDNAを持ち、この世界では珍しく妹としてチキがいる。その妹チキを誰よりも愛している。陽気で、嫌みのない性格で、他人から好かれることが多いようだ。常にひょうひょうとしてるが、その実、頭は切れるよう。彼のレジスタは、マリオがステーションに到着する一週間前にライフサイクルを終えており、現在のところ空席。

・レミィ・レヴィストロース
ふだんはミールの腰巾着のように、ミールの一挙一動を賞賛しているが、地上基地では凄腕のアタッカーとして有名だった。シャフトドライバーとして、Sミッションに招集されたようだが、ミカやミールのようにシャフトに興味を示すことのない不思議な存在。

■サブタイトル

・第1話／惑星（ほし）を継ぐもの
・第2話／歌う戦艦（ふね）
・第3話／宇宙（そら）のランデブー
・第4話／前哨
・第5話／天使と宇宙船
・第6話／過去からのホットライン
・第7話／リング・ワールド
・第8話／月は無慈悲な闇の帝王
・第9話／人間以下
・第10話／女たちの知らない男
・第11話／成長への儀式
・第12話／ガニメデの優しい男
・第13話／幼年期の始まり

ジーンシャフト - 遺伝子操作社会の未来を描くSFアニメの詳細な評測と推薦

ジーンシャフトは、2001年に放送されたサテライト制作のオリジナルアニメーション作品であり、赤根和樹が原作・監督・シリーズ構成を担当した。ジーンシャフトは、遺伝子操作によって男女比が1:9に制御された未来社会を舞台に、宇宙ステーションでのサバイバルや謎のリングからの攻撃など、緊迫感あふれるストーリーを展開する。以下では、ジーンシャフトの詳細な評測と推薦を行います。

ストーリーとテーマ

ジーンシャフトのストーリーは、21世紀後半の地球が無秩序な欲望と資源の浪費により滅亡寸前まで追い込まれたことから始まる。人類は自らの進化を強制的に行うため、遺伝子操作によって新たな生命を生み出す道を選んだ。この選択により、23世紀には完全なる遺伝子操作社会が完成し、人口のバランスは理想的な男女比1:9に保たれ、恋愛感情や支配欲が無くなることで社会は安定した。しかし、この社会の中で生きる人々は、遺伝子操作によって生まれた個性や能力に悩まされながらも、宇宙ステーションでの任務に挑むことになる。

本作のテーマは、遺伝子操作による人間の進化とその結果生じる倫理的な問題である。遺伝子操作によって理想的な社会を実現することは可能か、またその結果として失われるものは何か、といった問いを投げかけている。また、主人公ミカ・セイドウの親友リョーコの死を巡る復讐劇や、ヒロト・アマギワとの対立など、人間ドラマも描かれており、視聴者に深い感動を与える。

キャラクター

ジーンシャフトのキャラクターは、遺伝子操作によって生まれた個性や能力を反映しており、それぞれが独自の魅力を持っている。主人公のミカ・セイドウは、明るい性格ながらもジーンタイプがホワイトであることにコンプレックスを持ち、親友のリョーコの死の原因をヒロトにあると信じている。ヒロト・アマギワは、特殊なDNA操作を受けたエリートであり、冷静沈着な性格で的確な判断を下すが、リョーコの死以降、感情を表に出さなくなった。ミール・ロータスは、理論上最も優秀なDNAを持つ美人で頭脳明晰な女性だが、プライドが高く、ミカやソフィアと対立することもしばしばである。

その他にも、セルゲイ・IV・スニーク、ベアトリーチェ・ラティオ、ソフィア・ガルガリン、チキ・ムジカノーバ、マリオ・ムジカノーバ、レミィ・レヴィストロースなど、個性的なキャラクターが多数登場し、彼らの人間関係や成長が物語を豊かにしている。

映像と音楽

ジーンシャフトの映像は、サテライトの3DCG技術を駆使した美しい宇宙空間や、竹谷隆之による複雑な形状のロボット「シャフト」の動きが見どころである。特に、宇宙ステーションからのサバイバルシーンや、リングからの攻撃シーンは、緊迫感と迫力があふれ、視覚的に楽しめる。また、キャラクターデザインは大島康弘が担当し、個性的なキャラクターたちが魅力的に描かれている。

音楽は高崎晃が担当し、ストーリーの展開に合わせた劇伴音楽が物語を盛り上げる。特に、戦闘シーンでの緊張感を高めるBGMや、キャラクターの心情を描く優しいメロディーが印象的である。また、オープニングテーマ「GENE SHAFT」とエンディングテーマ「Eternal Love」は、視聴者の心に残る美しい曲となっている。

推薦

ジーンシャフトは、遺伝子操作社会を舞台にしたSFアニメとして、視聴者に深い感動と思考を与える作品である。特に、SFファンや、人間ドラマを楽しみたい視聴者には強く推薦したい。また、美しい映像と音楽も見どころであり、視覚的にも楽しめる作品となっている。ジーンシャフトは、2001年に放送された作品ではあるが、そのテーマ性やストーリーの深さは今なお色褪せておらず、ぜひ一度視聴してみることをお勧めする。

関連作品

ジーンシャフトに関連する作品としては、同じく赤根和樹が監督を務めた『エスカフローネ』や、サテライト制作の『創聖のアクエリオン』などが挙げられる。これらの作品も、美しい映像と深いストーリーで視聴者を引き込むSFアニメであり、ジーンシャフトのファンにはぜひ視聴してほしい作品である。また、遺伝子操作をテーマにした作品としては、映画『ガタカ』や『アイランド』なども参考になるだろう。

まとめ

ジーンシャフトは、遺伝子操作社会を舞台にしたSFアニメであり、視聴者に深い感動と思考を与える作品である。個性的なキャラクターたちの人間ドラマや、美しい映像と音楽も見どころであり、SFファンや人間ドラマを楽しみたい視聴者には強く推薦したい。ジーンシャフトは、2001年に放送された作品ではあるが、そのテーマ性やストーリーの深さは今なお色褪せておらず、ぜひ一度視聴してみることをお勧めする。