「BLACK LAGOON ロバータの血の軌跡」レビュー：激しいアクションと深いキャラクターの魅力

『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』 - 復讐のメイドが再びロアナプラを震撼させる

『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』は、広江礼威による人気漫画『BLACK LAGOON』を原作としたOVAシリーズの第3期にあたる作品です。2010年から2011年にかけて全5話がリリースされ、再びロアナプラという悪徳の都を舞台に、圧倒的な火力と復讐心に燃えるメイド、ロベルタの物語が描かれています。この作品は、OVAという形式を活かして、より深いストーリーとキャラクターの掘り下げがなされており、ファンにとっては待望の続編と言えるでしょう。

ストーリー

『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』のストーリーは、主人公の岡島緑郎（通称：ロック）が、出張先の東南アジアで事件に巻き込まれ、悪党まがいの運び屋「ラグーン商会」の一員となるところから始まります。ロックは、二挺拳銃の異名を持つ女ガンマン・レヴィ、ボスのダッチ、メカニックのベニーと共に、改造魚雷艇ブラックラグーン号で紺碧の海を駆け抜けます。

そんな中、かつてロベルタがさらわれた主人の息子ガルシアを救うために圧倒的な火力で立ちはだかるものを粉砕し、ロアナプラを震撼させたメイド「ロベルタ」が再びこの街に現れたとの噂が流れていました。ロベルタの行方も目的も分からず、街が緊張感を帯びる中、ロベルタを追ってガルシア少年と彼のもう一人のメイド「ファビオラ」がロックの元を訪れます。ファビオラから事情を探ろうとするコロンビア・カルテルたち。しかし、一見おとなしそうで礼儀正しいファビオラもまた、ロベルタ同様、重武装のメイドだったのです。ファビオラの銃撃が新たなる戦いの火蓋を切ります。

キャラクター

本作の主要キャラクターは以下の通りです。

• レヴィ：ラグーン商会所属のガンマンで、「トゥーハンド（二挺拳銃）」の異名をとる。短気な性格でトラブルを引き起こすことも多いが、子供の頃からスラム街で暮らし、過去に触れられることを極度に嫌う。
• ロック：本名は岡島緑郎。旭日重工の商社マンだったが、事件をきっかけにラグーン商会へ。荒事は苦手だが、語学を活かして交渉事に当たることもしばしば。非情な世界の中で正論を貫き通そうとする。
• ダッチ：ラグーン商会のリーダーでブラックラグーン号の船長。どんな荒事も手際よくさばく知性派で、銃の腕前も一流。その手腕はバラライカをはじめ、他の勢力からも一目置かれている。
• ベニー：ラグーン商会のハイテク機器担当。FBIとマフィアに追われていたところをレヴィに助けられ、メンバーへ。ウィザード級のハッカーの腕前を活かして商会の活動を陰からサポートする。
• バラライカ：世界各地に支部を持つロシアンマフィア「ホテルモスクワ」のタイ支部の女ボス。旧ソ連軍の一員としてアフガニスタン侵攻にも参加しており、部下はその時ともに戦った遊撃隊のメンバー。
• 張：香港系の国際マフィア「三合会（トライアド）」のタイ支部を取り仕切るボス。飄々とした立ち居振る舞いの裏では冷徹に自らの利益を計算する策士。荒事にも強く、銃の腕前はレヴィを上回るほどだという。

制作スタッフ

『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』の制作には、多くの才能あふれるスタッフが関わっています。監督は片渕須直、キャラクターデザインと総作画監督は筱雅律、プロップ＆メカデザインは木村雅広、音楽はEDISONが担当しています。また、アニメーション制作はマッドハウスが行い、製作はBLACK LAGOON製作委員会（ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント、小学館）が手掛けています。

評価と感想

『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』は、OVAという形式を活かして、より深いストーリーとキャラクターの掘り下げがなされている点が評価されています。特にロベルタの復讐劇は、彼女の過去や心情を丁寧に描くことで、視聴者に強い印象を与えています。また、ファビオラという新たなキャラクターの登場も話題となり、彼女の戦闘シーンやキャラクターの魅力が高く評価されました。

アクションシーンのクオリティも非常に高く、銃撃戦や戦闘シーンのリアルさと迫力は、視聴者を引き込む力を持っています。さらに、音楽や音響効果も作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっており、EDISONによる音楽は特に印象的です。

しかし、一部の視聴者からは、ストーリーがやや複雑で理解しづらい部分があるという意見もあります。また、OVAという形式上、話数が少ないため、もっと長く続けてほしかったという声も聞かれます。それでも、全体としては高い評価を得ており、ファンからの支持は厚いです。

関連作品

『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』は、『BLACK LAGOON』シリーズの一環として制作された作品です。関連作品としては、以下のものがあります。

• BLACK LAGOON：シリーズの第1期。ロックがラグーン商会に加わるまでのストーリーが描かれています。
• BLACK LAGOON The Second Barrage：シリーズの第2期。ロックがラグーン商会の一員として活躍する姿が描かれています。
• BLACK LAGOON 映像特典：シリーズの映像特典。ファンには見逃せない内容が収録されています。
• BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail 先行放送：本作の先行放送版。ファンイベントなどで上映されました。
• BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail 特別編集版：本作の特別編集版。新たな視点からストーリーを楽しむことができます。

主題歌・楽曲

『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』の主題歌や楽曲は、作品の雰囲気を盛り上げる重要な要素となっています。以下に主な楽曲を紹介します。

• OP1：『Red fraction IO drive mix』 - 歌：MELL、作詞：MELL、作曲・編曲：高瀬一矢
• ED1：『When Johnny Comes Marching Home』 - 作詞・作曲：パトリック・ギルモア、編曲・演奏：EDISON
• ED2：『This moment ～prayer in the light～』 - 歌・作詞・作曲：Minako "mooki" Obata

推薦と視聴方法

『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』は、ハードボイルド・アクションアニメのファンには必見の作品です。特にロベルタの復讐劇や新たなキャラクター、ファビオラの活躍に注目してほしいです。また、シリーズ全体を通して楽しむことで、より深い理解と感動を得ることができるでしょう。

視聴方法としては、DVDやBlu-rayの購入、またはストリーミングサービスでの視聴が可能です。特に、AT-Xやバンダイチャンネルでは、本作を視聴することができますので、ぜひチェックしてみてください。

結論

『BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail』は、OVAという形式を活かして、深いストーリーとキャラクターの掘り下げがなされた作品です。ロベルタの復讐劇や新たなキャラクターの登場、そして高品質なアクションシーンや音楽が視聴者を引き込む力を持っています。シリーズ全体を通して楽しむことで、より深い理解と感動を得ることができるでしょう。ハードボイルド・アクションアニメのファンにはぜひ視聴をお勧めします。