『怪 ～ayakashi～』：日本古典ホラーアニメの魅力と恐怖を徹底解剖

怪 ～ayakashi～ JAPANESE CLASSIC HORROR - アヤカシ ジャパニーズ クラッシック ホラー

■公開メディア

TVアニメシリーズ

■原作メディア

伝承文学

■放送期間

2006年01月13日 ～ 2006年03月24日
フジテレビ　2006年1月12日～2006年3月23日(1回～11回)毎週木曜　24:35～25:05
東海テレビ　2006年1月12日～2006年3月23日(1回～11回)毎週木曜　26:05～26:35

■放送局

CX

■分数

30分

■話数

11話

■原作

●四谷怪談・原作／鶴屋南北
●天守物語・原作／泉鏡花

■監督

●四谷怪談・監督／今沢哲男
●天守物語・監督／永山耕三
●化猫・監督／中村健治

■制作

・アニメーション制作／東映アニメーション
・制作／怪　～ayakashi～製作委員会(フジテレビ、東映アニメーション、アスミック・エースエンタテインメント、ソニー・ミュージックエンタテインメント、スカパー・ウェルシンク、電通)

■著作

©怪～ayakashi～製作委員会

■ストーリー

●四谷怪談
民谷伊右衛門の妻お岩は、夫に父を惨殺され、自身も再婚話の邪魔 とばかりに毒殺の憂き目に遭う。毒によって容貌醜悪に変貌し、 近隣からも「化け物」とさげすまれ、全てを知ったお岩は復讐を 誓い憤死する。全てを思い通りにしたかにみえた伊右衛門。しかし お岩の怨霊は、そんな伊右衛門を決して逃しはしなかった。これを お岩の「愛」と呼ぶのか「執」とみるか…
●天守物語
“白鷺城”と呼ばれる深い霧に包まれた妖しい城の天守には、忘れ神と呼ばれる魔性の女たちが住んでいた。天守の主人・富姫は逃げた鷹を探しにやってきた鷹匠の図書之助と出会い、恋に落ちる。忘れ神を愛したがゆえに人であることを捨てようとする図書之助、人を愛したがゆえに忘れ神の力をなくしていく富姫。人と魔の間で揺れ動く二人が死を覚悟した時…
●化猫
江戸時代のとある武家屋敷。今まさに当主の孫娘の嫁入りが行われようとしていた。しかし、いざ輿入れという時花嫁は無残にも惨殺される。「これは化猫の仕業だよ」薬売りの言葉をなぞるように次々と起こる怪死事件。おびえきった人々の前についに化猫が姿を現す。化猫が人々をつけねらう裏には、その武家にまつわる、恐ろしい狂気の出来事があった…。

■解説

●四谷怪談
日本で最も有名な古典怪談のひとつ。原作者は鶴屋南北。近年京極夏彦による小説「嗤う伊右衛門」で若い世代にも認知が広がる。『四谷怪談』は、平成ウルトラマン3部作、ウルトラマンガイアを担当した小中千昭の脚本に今沢哲男監督がタッグを組み、キャラク ター原案天野喜孝、キャラクターデザイン伊藤秀樹による幻想的で 繊細ながら独特の世界をかもし出します。
●天守物語
「東京ラブストーリー」の脚本・坂元裕二、監督・永山耕三コンビ、「メトロポリス」を手掛けた名倉靖博のキャラクターデザインで、映画・舞台で名優たちが競った妖美な世界に挑みます。
●化猫
中村健治監督のもと、「機動警察パトレイバー」などでおなじみの横手美智子脚本による会話世界が展開され、大友克洋の「スチームボーイ」でエフェクト作画監督をつとめた橋本敬史がキャラクターデザインを担当します。

■キャスト

●四谷怪談
・民谷伊右衛門／平田広明
・民谷お岩／小山茉美
・四谷お袖／永島由子
・伊藤お梅／広橋　涼
・佐藤与茂七／高木　渉
・直助権兵衛／園部啓一
・宅悦／稲葉　実

●天守物語
・姫川図書之助／緑川　光
・富姫／桑島法子
・奇々丸／小野坂昌也
・怪々丸／山口勝平
・お静／千葉紗子
・小次郎(鷹)／?
・舌長姥(老婆)／真山亜子
・桔梗／鎌田　梢
・荻／坂元奈月
・葛／吉倉万里
・女郎花／鹿野優以
・撫子／樹元オリエ
・薄／神田朱未
・武田播磨守／塩屋浩三
・小田原修理／竹本英史
・山隅九平／今村直樹

●化猫
・男(薬売り)／櫻井孝宏
・坂井伊顕／佐々木誠二
・坂井水江／沢海陽子
・坂井真央／鎌田　梢
・坂井伊國／龍田直樹
・坂井伊行／大塚周夫
・勝山／島香　裕
・笹岡／竹本英史
・小田島／稲田　徹
・さと／日野由利加
・加世／ゆかな
・弥平／鈴木清信
・ネコ／?
・門番／藤本たかひろ
・男A／福原耕平
・男B／森　岳志

■メインスタッフ

●四谷怪談
・原作／鶴屋南北
・脚本／小中千昭
・キャラクター原案／天野喜孝
・キャラクター設定、総作画監督／伊藤秀樹
・美術監督／加藤　浩
・監督／今沢哲男

●天守物語
・原作／泉鏡花
・脚本／坂元裕二
・キャラクター設定、総作画監督／名倉靖博
・美術監督／行信三
・監督／永山耕三
・アニメ監督／門田英彦

●化猫
・脚本／横手美智子
・キャラクター設定、総作画監督／橋本敬史
・美術監督／倉橋　隆
・監督／中村健治
・CGディレクター／森田信廣
・CGアニメーションディレクター／宮原直樹

●共通
・企画／金田耕司
・企画協力／LATERNA
・音響監督／長崎行男
・音楽／高梨康治
・音楽協力／ソニー・ミュージックエンタテインメント、フジパシフィック音楽出版、東映アニメーション音楽出版
・編集／片瀬健太
・プロデューサー／高瀬敦也、梅澤淳稔、柴田宏明、伊藤幸弘、山本幸治
・アニメーション制作／東映アニメーション
・制作／怪　～ayakashi～製作委員会(フジテレビ、東映アニメーション、アスミック・エースエンタテインメント、ソニー・ミュージックエンタテインメント、スカパー・ウェルシンク、電通)

■メインキャラクタ

●四谷怪談
・民谷伊右衛門
赤穂藩の断絶により浪人の身となってしまった元武士。お岩と互いに思い合う仲であったが、お岩の父・左門に疑いをかけられ離縁させられてしまう。
・民谷　岩
様々な陰謀により、毒を飲まされた末、命を落としたお岩…。その恨みは伊右衛門とその周囲を取り巻く人間に次々と祟りとなって襲いかかるのであった。
・鶴屋南北
四谷怪談の原作者。この四谷怪談を語る人物。
・民谷　袖
お岩の義妹。与茂七を殺された仇を打つため、直助と仮初めの夫婦となる。しかし、実は与茂七は生きていた…。
・直助権兵衛
かつて四谷家の下働きをしていた。与茂七の仇を打つ口実で、お袖と仮初めの夫婦となる。
・伊藤　梅
武家の娘。伊右衛門を見初め、縁談を持ちかけた。
・佐藤与茂七
かつてはお袖の許婚であったが、死んだものと思われていた。
・宅悦
表向きは按摩をしているが、実は地獄宿(女郎屋)の主でもある。
・小仏小平
宅悦が紹介し、伊右衛門の家に奉公していた。元主人の大病を治そうとソウキセイという薬を盗んだため見せしめとして殺される。
・秋山長兵衛
伊右衛門の浪人仲間。お岩たちの亡骸を棄てる手伝いをした。
・民谷　熊
伊右衛門の母親。赤穂家断絶となると、敵方の吉良家に奉公し、仏孫兵衛(小仏小平の父親)の後妻となる。

●天守物語
・姫川図書之助
武田播磨守に仕える鷹匠。森に迷い込んだ自分の鷹を追い、富姫と出逢う。
・富姫
忘れ神の城と言われる白鷺城に住む美しい姫。人である図書之助に次第に心が惹かれていく。
・舌長姥
白鷺城に棲む忘れ神のひとり。富姫が、図書之助と交わることを恐れていた。
・小次郎(アグリ)
鷹匠である図書之助が手塩にかけて育てた鷹。だが、森に迷いこみ行方知れずとなってしまう。
・奇々丸
白鷺城にあるという財宝を狙って図書之助に近寄ってきた物の怪のひとり。
・怪々丸
白鷺城にあるという財宝を狙って図書之助に近寄ってきた物の怪のひとり。
・お静
図書之助とは恋仲であったが、富姫の存在に気付いてしまう。
・萩
白鷺城に棲む忘れ神のひとり。
・桔梗
白鷺城に棲む忘れ神のひとり。
・葛
白鷺城に棲む忘れ神のひとり。
・撫子
白鷺城に棲む忘れ神のひとり。
・薄
白鷺城に棲む忘れ神のひとり。
・女郎花
白鷺城に棲む忘れ神のひとり。
・蜻蛉
白鷺城に棲む忘れ神のひとり。鬼灯とは双子。
・鬼灯
白鷺城に棲む忘れ神のひとり。蜻蛉とは双子。

●化猫
・薬売りの男
坂井家に訪れた謎の薬売り。怪しげな体術を操り、物の怪の形・理(ことわり)・真(まこと)を見極めることで、物の怪を斬ることのできる退魔の剣を持つ。
・加世
坂井家の下働き。薬売りには好意的で、物の怪退治に協力する。
・小田島
坂井家の若党(武家奉公人)。物の怪の存在をまったく信じてはいなかったが…。
・珠生
坂井家の暗い過去。その因縁となった不幸な娘。
・坂井伊行
坂井家の家督を伊顕に継がせ、いまは隠居している。
・坂井伊國
酒に溺れ、弟である伊顕が坂井家を継ぐことになった。
・坂井伊顕
坂井家を継いだが、妻の水江には頭があがらない。
・坂井真央
塩野家に輿入れする矢先に、命を落とす。
・坂井水江
伊顕の妻であり、真央の母。真央の死を目の当たりにして、臥せってしまう。
・笹岡
坂井家の用人。
・さと
坂井家の下働き。ことさら加世には厳しく当たっている。

■サブタイトル

・#1／東海道四谷怪談　序の幕(2006/01/12)
・#2／東海道四谷怪談　二の幕(2006/01/19)
・#3／東海道四谷怪談　三の幕(2006/01/26)
・#4／東海道四谷怪談　大詰め(2006/02/02)
・#5／天守物語　序の幕(2006/02/09)
・#6／天守物語　二の幕(2006/02/16)
・#7／天守物語　三の幕(2006/02/23)
・#8／天守物語　大詰め(2006/03/02)
・#9／化猫　序の幕(2006/03/09)
・#10／化猫　二の幕(2006/03/16)
・#11／化猫　大詰め(2006/03/23)

■主題歌・楽曲

・OP1
・HEAT ISLAND
・作詞／Sasaki Shiro、Sakama Daisuke
・作曲／Mr.Drunk
・編曲／Mr.Drunk
・歌／RHYMESTER

・ED1
・春のかたみ
・作詞／松任谷由実
・作曲／松任谷由実
・編曲／松任谷正隆
・歌／元ちとせ

怪 ～ayakashi～ JAPANESE CLASSIC HORROR - アヤカシ ジャパニーズ クラッシック ホラー 評論

2006年に放送された「怪 ～ayakashi～ JAPANESE CLASSIC HORROR」は、日本の伝統的な怪談をアニメーションという形で再現した作品であり、その独特な雰囲気と深いストーリー展開が多くの視聴者を引きつけた。全11話からなるこのシリーズは、3つの異なる怪談、「四谷怪談」「天守物語」「化猫」をそれぞれ4話、4話、3話の構成で描いている。以下では、これらのエピソードごとに詳細な評論を行い、作品の魅力と推奨ポイントを紹介する。

四谷怪談

「四谷怪談」は、鶴屋南北の戯曲を原作とした日本で最も有名な怪談の一つであり、その恐ろしさと悲劇性は多くの人々に知られている。このアニメ版では、原作の雰囲気を忠実に再現しつつ、現代の視聴者にも訴えるような演出が施されている。特に、お岩の怨霊が伊右衛門を追い詰めるシーンは、視覚的な恐怖だけでなく、彼女の悲しみと怒りが伝わってくるような深い感情表現が見事である。

監督の今沢哲男は、平成ウルトラマン3部作やウルトラマンガイアを手掛けた経験を活かし、怪談の恐怖を最大限に引き出すことに成功している。また、キャラクターデザインを担当した伊藤秀樹の幻想的なビジュアルは、怪談の世界観をより一層引き立てている。声優陣も豪華で、特に平田広明が演じる伊右衛門と小山茉美が演じるお岩の演技は、視聴者に強い印象を与えるだろう。

このエピソードの魅力は、何と言ってもお岩の復讐劇にある。彼女の怨念がどのように伊右衛門を追い詰めていくのか、その過程は見逃せない。さらに、脚本を担当した小中千昭の巧みなストーリーテリングにより、視聴者はお岩の苦しみと怒りを共有することができる。四谷怪談のファンだけでなく、初めてこの怪談に触れる人にも強くおすすめしたいエピソードである。

天守物語

「天守物語」は、泉鏡花の小説を原作とした作品であり、忘れ神と呼ばれる魔性の女たちが住む白鷺城を舞台に、人と魔の間で揺れ動く恋愛物語が描かれている。このエピソードでは、坂元裕二の脚本と永山耕三の監督がタッグを組み、美しいビジュアルと深い人間ドラマを融合させた作品に仕上げている。

特に、図書之助と富姫の恋愛模様は、視聴者の心を強く揺さぶるだろう。図書之助が忘れ神を愛するために人であることを捨てようとする一方、富姫は人を愛するために忘れ神の力を失っていく。この二人の葛藤と決断は、視聴者に深い感動を与える。キャラクターデザインを担当した名倉靖博の妖美なビジュアルも、物語の魅力を引き立てている。

このエピソードの推奨ポイントは、何と言ってもその美しさと深い人間ドラマにある。忘れ神の世界と人間の世界が交錯する中で繰り広げられる物語は、視聴者に多くの感動と考えさせる要素を提供するだろう。特に、恋愛ドラマが好きな人には強くおすすめしたいエピソードである。

化猫

「化猫」は、江戸時代の武家屋敷を舞台に、化猫による怪死事件を描いた作品である。このエピソードでは、中村健治の監督と横手美智子の脚本がタッグを組み、怪談の恐怖と人間ドラマを巧みに融合させた作品に仕上げている。特に、化猫が人々をつけねらう裏に隠された武家の狂気の出来事は、視聴者に強い衝撃を与えるだろう。

キャラクターデザインを担当した橋本敬史のビジュアルも、化猫の恐ろしさを最大限に引き出している。声優陣も豪華で、特に櫻井孝宏が演じる薬売りの男の演技は、視聴者に強い印象を与えるだろう。このエピソードの魅力は、何と言ってもその恐怖とサスペンスにある。化猫の怪死事件がどのように解決されていくのか、その過程は見逃せない。

このエピソードの推奨ポイントは、何と言ってもその恐怖とサスペンスにある。化猫の怪死事件がどのように解決されていくのか、その過程は見逃せない。特に、ホラーが好きな人には強くおすすめしたいエピソードである。

推奨ポイント

「怪 ～ayakashi～ JAPANESE CLASSIC HORROR」は、日本の伝統的な怪談をアニメーションという形で再現した作品であり、その独特な雰囲気と深いストーリー展開が多くの視聴者を引きつけた。以下では、この作品の推奨ポイントを紹介する。

1. 伝統的な怪談の再現

この作品は、日本の伝統的な怪談を忠実に再現しており、その恐怖と悲劇性を視聴者に伝えることに成功している。特に、「四谷怪談」では、お岩の怨霊が伊右衛門を追い詰めるシーンが見事であり、「天守物語」では、図書之助と富姫の恋愛模様が深い感動を与える。「化猫」では、化猫による怪死事件が視聴者に強い衝撃を与えるだろう。これらのエピソードは、怪談のファンだけでなく、初めて怪談に触れる人にも強くおすすめしたい。

2. 美しいビジュアル

この作品のキャラクターデザインは、伊藤秀樹、名倉靖博、橋本敬史といった豪華なスタッフによって手掛けられており、その美しさと幻想的な雰囲気が視聴者を引きつける。特に、「天守物語」では、忘れ神の世界と人間の世界が交錯する中で繰り広げられる物語が、名倉靖博の妖美なビジュアルによって引き立てられている。「化猫」では、橋本敬史のビジュアルが化猫の恐ろしさを最大限に引き出している。これらのビジュアルは、視聴者に強い印象を与えるだろう。

3. 深い人間ドラマ

この作品は、怪談の恐怖だけでなく、深い人間ドラマも描いており、視聴者に多くの感動と考えさせる要素を提供する。「四谷怪談」では、お岩の復讐劇が視聴者に強い印象を与える。「天守物語」では、図書之助と富姫の恋愛模様が深い感動を与える。「化猫」では、化猫による怪死事件の裏に隠された武家の狂気の出来事が視聴者に強い衝撃を与えるだろう。これらの人間ドラマは、視聴者に多くの感動と考えさせる要素を提供するだろう。

4. 豪華な声優陣

この作品の声優陣は、平田広明、小山茉美、緑川光、桑島法子、櫻井孝宏といった豪華なキャストによって手掛けられており、その演技が視聴者に強い印象を与える。特に、「四谷怪談」では、平田広明が演じる伊右衛門と小山茉美が演じるお岩の演技が視聴者に強い印象を与える。「天守物語」では、緑川光が演じる図書之助と桑島法子が演じる富姫の演技が深い感動を与える。「化猫」では、櫻井孝宏が演じる薬売りの男の演技が視聴者に強い印象を与えるだろう。これらの声優陣の演技は、視聴者に強い印象を与えるだろう。

結論

「怪 ～ayakashi～ JAPANESE CLASSIC HORROR」は、日本の伝統的な怪談をアニメーションという形で再現した作品であり、その独特な雰囲気と深いストーリー展開が多くの視聴者を引きつけた。この作品は、怪談のファンだけでなく、初めて怪談に触れる人にも強くおすすめしたい。特に、「四谷怪談」「天守物語」「化猫」の3つのエピソードは、それぞれ異なる魅力を持っており、視聴者に多くの感動と考えさせる要素を提供するだろう。美しいビジュアルと深い人間ドラマ、豪華な声優陣も、この作品の魅力を引き立てている。ぜひ、この作品を視聴して、日本の伝統的な怪談の世界を体験してほしい。