SF新世紀 レンズマン：宇宙冒険の魅力と現代性を徹底解剖

SF新世紀 レンズマン - 宇宙のヒーローと壮大な冒険

■公開メディア

劇場

■原作メディア

小説

■公開日

1984年07月07日 ～ 0000年01月01日

■配給会社

東宝東和

■映倫番号

111413

■話数

1話

■原作

E・E・スミス

■監督

広川和之、川尻善昭

■制作

製作／講談社
製作協力／エムケイ、マッドハウス

■ストーリー

西暦25世紀。平和と繁栄を誇る大銀河連合に危機が迫っていた。はるか暗黒星雲の彼方から、凶悪な独裁帝国ボスコーンが侵略の手をのばしてきたからだ。銀河パトロール隊はヘインズ長官の指揮のもと、ボスコーンの最高機密データを奪取し、ブリタニア号に乗り込んで地球に向かう。執拗に後を追うボスコーンの宇宙船。一方、ムケニエ星では銀河パトロール隊をやめて農夫をしているゲリーが息子のキンボール(愛称キム)を友人のバスカークに託して地球に送り出そうとしていた。ブリタニア号はムケニエに不時着し、金髪のレンズマンがキムにヘインズ長官へデータを届けるように頼み、彼の手にあったレンズもキムの手に移った。キムとバスカークはブリタニア号で地球へ向かい、ゲリーは我が身を犠牲にして二人の逃走を助ける。航行中のブリタニア号に銀河パトロール員クリスは惑星デルゴンに避難する。この星の食人草につかまり、バスカークとクリスはデルゴン貴族の住む洞窟につれさられてしまう。ただ一人、キムだけが竜に似たレンズマンのウォーゼルに救出されていた。キムとウォーゼルは洞窟に潜入して、クリスとバスカークを助け出す。そしてブリタニア号の魚雷で脱出し、惑星ラディリクスに不時着する。この星では麻薬シオナイトを採掘しており、バスカークは捕まり、その採掘をさせられていた。キムはDJのビル老人の協力を得てバスカークを救出し採掘精製工場を爆破する。ビル老人の家へもどると、クリスがボスコーン皇帝ヘルマスに攫われていた。キムは彼女を救うために、ヘルマンの言う通りにボスコーンの戦艦に乗り込む。そこでさんざん苦しめられながら、レンズをかかげると戦艦もヘルマスも大爆発をおこして宇宙にきえていく。めくるめくような爆破が終ると、ヘルマスの中枢部が滅びもせずに宇宙の闇の中に去っていった。

■解説

「レンズマン」は、アメリカのSF作家E・E・スミスが作り上げたヒーローである。1984年に映画化され、東宝東和系で公開された。制作費12億円、動画枚数7万枚。E・E・スミスの原作は、1934年から1948年にかけて発表された一連の小説で、宇宙規模の壮大な冒険とヒーローの活躍を描いている。映画版では、これらの要素を凝縮し、視覚的なインパクトを最大限に引き出すことに成功している。特に、レンズマンの特殊能力や宇宙船の戦闘シーンは、当時の技術を駆使して描かれており、視覚的な魅力が際立っている。また、物語の展開は原作に忠実でありながら、映画独自の解釈や演出が加えられており、原作ファンにも新鮮な驚きを提供している。

■キャスト

・キム／古川登志夫
・ゲリー／中村正
・バスカーク／大塚周夫
・クリス／小山茉美
・ヘインズ長官／柴田秀勝
・ヘルマス／加藤精三
・ウォーゼル／野沢那智
・ビル老人／小林克也
・金髪のレンズマン／横内正
・ロボットのソル／斉藤ゆう子

■メインスタッフ

・監督／広川和之、川尻善昭
・脚本／吉川惚司
・原案／E・E・スミス
・企画／伊藤章彦、金子満
・製作／須藤博
・プロデューサー／富井道宏、渡辺忠美、丸山正雄
・絵コンテ、ストーリーボード／川尻善昭
・キャラクターデザイン／川尻善昭、富沢和雄
・メカニカルデザイン／渡辺隆
・作画監督／富沢和雄、北島信幸
・撮影／八巻磐
・美術／青木勝志
・音楽／井上鑑
・録音／辻井一郎
・音響効果／明田川進
・編集／田中修
・製作協力／エムケイ、マッドハウス

■メインキャラクタ

・キム
本名「キムボール・K・キニスン」。地球人、通称キム。第二段階レンズマン。レンズマン養成校を首席で卒業。アリシア人の再訓練う受け、最初の第二段階レンズマンとなる。デラメーターの早撃ちの名手。工作員として優秀なばかりでなく、自由な発想で様々な新兵器の開発を提案し、ボスコーンとの戦いを推進、勝利に導く。
・クリス
地球人。第二段階レンズマン。レーシーの下で看護婦を務めていた。キムの恋人となり、後に結婚して妻となる。史上初の女性レンズマンとなり、その赤毛から敬愛を込めて”レッド”・レンズマンと呼ばれる。
・ヘインズ長官
地球人。キムの上司でよき理解者。極低温で進化したため、身体の一部(もしくは大半)を五次元的に拡張、別次元を介した代謝を行う冷血生物。
・ウォーゼル
ヴェランシア人。第二段階レンズマン。全長１０メートル近い、有翼のドラゴン(外見的いは東洋の龍に近い)状の生物。

■主題歌・楽曲

・TM
「STARSHIP－光を求めて－」
作詞／高見沢俊彦、高橋研
作曲／高見沢俊彦
編曲／ALFEE with 井上鑑
歌／ALFEE
・IN
「愛の鼓動」
作詞／高見沢俊彦
作曲／高見沢俊彦
編曲／ALFEE with 井上鑑

■評論

「SF新世紀 レンズマン」は、E・E・スミスの原作を基にした壮大な宇宙冒険物語であり、1984年に劇場公開されたアニメ映画である。この作品は、当時の日本アニメーション技術の粋を集めた一作であり、視覚的なインパクトとストーリーテリングの巧妙さが評価されている。以下では、作品の魅力や評価、そして推薦ポイントについて詳しく解説する。

視覚的な魅力

「レンズマン」の最大の魅力は、その視覚的な表現力にある。制作費12億円、動画枚数7万枚という大規模な製作体制により、宇宙船の戦闘シーンやレンズマンの特殊能力がリアルに描かれている。特に、レンズマンのレンズを使用したシーンでは、光と色彩の美しさが際立っており、視覚的なインパクトを与える。また、惑星ラディリクスでの麻薬シオナイトの採掘シーンや、ボスコーンの戦艦の爆発シーンなど、各シーンが緻密に描かれており、観客を引き込む力がある。これらの視覚的な表現は、当時の技術を駆使した結果であり、現在でもその美しさは色褪せていない。

ストーリーテリング

原作小説を基にしたストーリーは、宇宙規模の壮大な冒険を描いており、観客を引き込む力がある。キムを中心としたキャラクターの成長や、ボスコーンとの戦い、そして仲間との絆が描かれており、感情移入しやすい。また、映画独自の解釈や演出が加えられており、原作ファンにも新鮮な驚きを提供している。特に、キムがレンズをかかげて戦艦を爆破するシーンは、原作のクライマックスを忠実に再現しつつ、映画独自のドラマチックな演出が加えられており、感動的なフィナーレを迎える。

キャラクター

キムを始めとするキャラクターたちは、それぞれ個性的で魅力的である。キムの勇敢さと知恵、クリスの優しさと強さ、ヘインズ長官の冷静さとリーダーシップ、ウォーゼルの力強さと友情など、各キャラクターが物語を盛り上げる。特に、キムとクリスの恋愛関係は、物語に深みを与え、観客の感情を揺さぶる。また、声優陣の演技も素晴らしく、キャラクターの個性を引き立てている。古川登志夫のキム、小山茉美のクリス、野沢那智のウォーゼルなど、各キャラクターの声が物語にマッチしており、感情移入を助ける。

音楽

井上鑑による音楽は、物語の雰囲気を盛り上げる重要な要素である。特に、ALFEEによる主題歌「STARSHIP－光を求めて－」は、壮大な宇宙冒険を象徴するような力強い曲であり、観客の心を奮い立たせる。また、「愛の鼓動」は、キムとクリスの恋愛関係を象徴するような優しい曲であり、物語の感動を深める。音楽と映像の融合は、作品の魅力をさらに引き立てている。

■推薦ポイント

「SF新世紀 レンズマン」は、宇宙冒険ものが好きな人、視覚的なインパクトを求める人、そしてE・E・スミスの原作ファンにおすすめの作品である。以下では、具体的な推薦ポイントを挙げる。

宇宙冒険ものが好きな人

「レンズマン」は、宇宙規模の壮大な冒険を描いた作品であり、宇宙船の戦闘シーンや未知の惑星での冒険など、宇宙冒険ものの醍醐味が詰まっている。特に、キムを中心としたキャラクターの成長や、ボスコーンとの戦い、そして仲間との絆が描かれており、感情移入しやすい。また、視覚的なインパクトも強く、宇宙冒険もののファンには必見の作品である。

視覚的なインパクトを求める人

「レンズマン」は、制作費12億円、動画枚数7万枚という大規模な製作体制により、視覚的なインパクトが強い作品である。特に、レンズマンのレンズを使用したシーンや、宇宙船の戦闘シーン、惑星ラディリクスでの麻薬シオナイトの採掘シーンなど、各シーンが緻密に描かれており、視覚的な魅力が際立っている。また、当時の技術を駆使した結果、現在でもその美しさは色褪せていない。視覚的なインパクトを求める人には、ぜひ見てほしい作品である。

E・E・スミスの原作ファン

「レンズマン」は、E・E・スミスの原作を基にした作品であり、原作の魅力を最大限に引き出している。特に、キムを中心としたキャラクターの成長や、ボスコーンとの戦い、そして仲間との絆が描かれており、原作のエッセンスが詰まっている。また、映画独自の解釈や演出が加えられており、原作ファンにも新鮮な驚きを提供している。E・E・スミスの原作ファンには、ぜひ見てほしい作品である。

■結論

「SF新世紀 レンズマン」は、視覚的なインパクトとストーリーテリングの巧妙さが評価される、壮大な宇宙冒険物語である。キムを中心としたキャラクターの成長や、ボスコーンとの戦い、そして仲間との絆が描かれており、感情移入しやすい。また、E・E・スミスの原作を基にしたストーリーは、原作ファンにも新鮮な驚きを提供している。視覚的なインパクトを求める人、宇宙冒険ものが好きな人、そしてE・E・スミスの原作ファンにおすすめの作品である。ぜひ、この壮大な宇宙冒険を体験してほしい。