『0テスター』レビュー：期待を超える驚きの体験

『0テスター』：70年代SFアニメの魅力とその歴史的意義

■作品概要

『0テスター』は、1974年に放送された日本のSFアニメシリーズで、関西テレビと東北新社が制作した作品です。全66話からなるこのシリーズは、宇宙を舞台に地球防衛隊「0テスター」の活躍を描いた物語で、特にその独特なメカデザインとストーリーテリングが注目されました。原作は鈴木良武、高橋良輔が監督を務め、キャラクターデザインは箕輪宗廣、メカニックデザインはジョン・デドワが担当しています。

■ストーリー

西暦2100年、人類は宇宙への進出を始めていましたが、その前に機械化人類「アーマノイド星人」が立ちはだかります。地球侵攻を開始したアーマノイド星人に対抗するために、タチバナ博士が開発した新兵器を駆る「0テスター」のメンバー、吹雪シン、荒石ゴー、リサの3人が活躍します。彼らは地球を守るため、様々な困難に立ち向かいます。

■解説

『0テスター』は、和製『サンダーバード』を意識して作られたSFアニメであり、サンライズ（創映社）の第2作目にあたります。第39話からは『0テスター 地球を守れ!』へとタイトルが変更され、より低年齢層の視聴者を意識した物語作りが行われました。この作品は、当時の日本アニメ業界におけるSFブームを象徴する作品であり、その後のロボットアニメやメカアニメの発展に大きな影響を与えました。

■キャスト

• 吹雪シン：神谷明
• 荒石ゴー：竹尾智晴
• リサ：麻上洋子
• 剣持キャプテン：広川太一郎
• タチバナ博士：川久保潔
• ヤン：八代駿
• ヒロシ：小原乃梨子
• 副キャプテン：横井光夫

■メインスタッフ

• 企画：関西テレビ、東北新社
• 原作：鈴木良武
• キャラクターデザイン：箕輪宗廣
• メカニックデザイン&コンセプト：ジョン・デドワ
• 美術監督：河野次郎
• 作画監督：中村一夫
• 撮影監督：熊谷幌史（1話～39話）、佐野ゆくひこ（40話～66話）
• 編集：鶴渕映画（1話～39話）、鶴渕友彰（鶴渕映画）（40話～66話）
• 録音監督：佐藤敏夫
• 音楽：山本直純
• チーフディレクター：高橋良輔
• プロデューサー：三輪弘（関西テレビ）、岸本吉功
• 制作：関西テレビ、創映社

■主題歌

• オープニングテーマ「ゼロテスター」
  • 作詞：鈴木良武
  • 作曲・編曲：山本直純
  • 歌：子門真人
  • レコード会社：ワーナーパイオニアレコード
• エンディングテーマ「愛する大地」
  • 作詞：高橋良輔
  • 作曲・編曲：山本直純
  • 歌：ロイヤル・ナイツ
  • レコード会社：ワーナーパイオニアレコード
• 改題後オープニングテーマ「ゼロテスター地球を守れ！」
  • 作詞：杉山政美
  • 作曲・編曲：山本直純
  • 歌：杉並児童合唱団
  • レコード会社：ワーナーパイオニアレコード
• 改題後エンディングテーマ「地球要塞スーパー5」
  • 作詞：鈴木良武
  • 作曲・編曲：山本直純
  • 歌：ロイヤル・ナイツ
  • レコード会社：ワーナーパイオニアレコード

■メインキャラクタ

• 吹雪シン

  テスター1号、マーク1のパイロットで15歳。元ジェット・ライダーで、鋭い反射神経と頭脳を持った主人公。宇宙で行方不明となった父を探すため、0テスターに志願した。

• 荒石ゴー

  テスター1号、マーク2のパイロットで、20歳。宇宙開拓団と宇宙へと旅立ったが、アーマノイド星人の攻撃で開拓団は全滅。その仇を撃つために0テスターへと志願。フブキにライバル意識を持っている。

• リサ

  テスター1号、マーク3の女性パイロットで15歳。8歳のとき、宇宙をロケットで漂流していたが、タチバナ博士に救い出された過去を持つ。男勝りの大胆な性格と行動力をタチバナ博士に認められ、0テスターへ入隊した。

• タチバナ博士

  テスター隊の最高責任者で、地球最高の頭脳と誉れが高い。未来化学開発センターで対アーマノイド用の兵器を開発している。リサの育ての親でもある。

■サブタイトル

• 第1話：ゼロテスター誕生
• 第2話：ハリケーンコマを叩け
• 第3話：宇宙の落とし穴
• 第4話：SOS! 第一惑星基地
• 第5話：恐怖の人間改造機
• 第6話：テスター3号出動せよ!
• 第7話：地下発電所を爆破せよ
• 第8話：南極のっとり作戦
• 第9話：フブキ! 生命維持度ゼロ
• 第10話：地球は燃える
• 第11話：レーザーカーを守れ!
• 第12話：宇宙要塞をたたけ!
• 第13話：アーマノイドのおくりもの
• 第14話：メビウスの逆襲
• 第15話：危機一髪! ねらわれた三人
• 第16話：太陽をすくえ
• 第17話：ねらわれた海底都市
• 第18話：宇宙クラゲポリーブ
• 第19話：妖星シルバーブロンコ
• 第20話：狂った人工太陽
• 第21話：乗っとられたタンカー宇宙船
• 第22話：秒速一万キロの恐怖
• 第23話：遊星マシンを撃ち落とせ
• 第24話：宇宙幽霊がでた!!
• 第25話：くもの巣バリアを突破せよ
• 第26話：モンスター頭脳マッド
• 第27話：秘密テスターZ1
• 第28話：人工島がおそわれた!
• 第29話：タチバナ博士のうらぎり?
• 第30話：激闘! デクニンガーとの対決
• 第31話：強敵! ロボット大要塞
• 第32話：改造バルギスの反撃
• 第33話：アーマノイド深海の罠
• 第34話：キャプテン決死の反撃
• 第35話：出現! メカ植物ダイラー
• 第36話：冷凍人間で勝負!
• 第37話：標的はゼロテスター
• 第38話：ゼロロボット登場
• 第39話：強敵バルギスの最後
• 第40話：ガロス七人衆登場
• 第41話：アニマルガロスの襲来
• 第42話：来たぞ! 恐竜軍団
• 第43話：強烈! アシュランガー
• 第44話：ファイヤーガロスの待伏せ!
• 第45話：エスパーガロスの挑戦
• 第46話：妖怪ガマガロス
• 第47話：三段変形ガロス
• 第48話：メカ蟻の恐怖
• 第49話：試煉のゼロフライト
• 第50話：進め! クラッシャー7
• 第51話：透明ガロスの罠
• 第52話：スリースター号発進
• 第53話：2号機要塞化計画
• 第54話：深海のゼロチャージ
• 第55話：ガロス超特急を撃て!
• 第56話：幻のゼロテスター
• 第57話：地底ガロスサソリギュラ
• 第58話：ゼロバギー変身せよ!
• 第59話：爆弾島を脱出せよ
• 第60話：悪魔のスペクターガロス
• 第61話：少年ロボット・ユウキの秘密
• 第62話：SOS! ロボット大会
• 第63話：地獄ガロスの笑い
• 第64話：恐怖のサイボーグ計画
• 第65話：アーマノイド星接近
• 第66話：アーマノイド星の最期

■作品の魅力と評価

『0テスター』は、その独特なメカデザインとストーリーテリングが高く評価されました。特に、ジョン・デドワによるメカニックデザインは、当時の視聴者に強い印象を与えました。また、物語の展開も多彩で、宇宙での戦闘シーンや地球防衛の緊張感が視聴者を引きつけました。第39話以降のタイトル変更と物語の方向性の変更は、視聴者の年齢層に合わせた戦略的な試みであり、その後のアニメ制作に影響を与えたと言えます。

■歴史的意義

『0テスター』は、70年代の日本アニメ業界におけるSFブームを象徴する作品であり、その後のロボットアニメやメカアニメの発展に大きな影響を与えました。特に、サンライズ（創映社）の初期作品として、その後の同社の成功に寄与したことは特筆すべき点です。また、和製『サンダーバード』を意識した制作スタイルは、当時の視聴者に新鮮な驚きを与え、SFアニメの可能性を広げました。

■推薦と関連作品

『0テスター』を楽しんだ視聴者には、同じく70年代のSFアニメである『マジンガーZ』や『ゲッターロボ』もおすすめです。これらの作品も、メカデザインとストーリーテリングの面で『0テスター』と共通する魅力を持っています。また、現代のSFアニメファンには、『ガンダムシリーズ』や『エヴァンゲリオン』なども推薦します。これらの作品は、『0テスター』の影響を受けつつも、さらに進化したストーリーとメカデザインを楽しむことができます。

■結論

『0テスター』は、70年代の日本アニメ業界における重要な作品であり、その独特なメカデザインとストーリーテリングは今なお多くのファンに愛されています。SFアニメの歴史を知る上でも、またその後のアニメ作品の発展を理解する上でも、『0テスター』は欠かせない一作です。ぜひ、この作品を通じて70年代のSFアニメの魅力を再発見してみてください。