敬語を使おうとして、文が長く複雑になることはありませんか。言い換えをたくさん覚える前に、誰の動作を述べているのかを確かめると、選び方が整理できます。文化庁の「敬語おもしろ相談室」を手がかりに、五つの種類と、日常の文を見直す手順を紹介します。
動作をする人と話す相手を分ける
文の中で動作をする人と、その話を聞く人は、いつも同じとは限りません。例えば「先生が明日来る」という内容を友人へ伝える場合、動作をするのは先生で、聞き手は友人です。まず敬語に直す前の短い文を作り、主語、動作、動作の向かう相手を書き出してみましょう。関係する人がはっきりすると、どこに敬意を示したいのかも考えやすくなります。
尊敬語と二種類の謙譲語を知る
尊敬語は「いらっしゃる」のように、行為をする人などを立てる表現です。謙譲語Ⅰは「伺う」など、自分側から向かう先の人を立てる働きがあります。一方、「参る」「申す」型の謙譲語Ⅱは、自分側のことを聞き手に丁重に述べます。例えば、相手のお宅を訪れる文と、自分の移動を丁重に報告する文では、同じ「行く」でも敬語の働きを分けて考えられます。
丁寧語と美化語は別の働きがある
「です」「ます」は、話や文章の相手に対して丁寧に述べる表現です。「お料理」などの美化語は、物事を上品に表す働きとして整理されます。「お」や「ご」が付けば、すべて同じ種類の敬語になるわけではありません。「先生のお名前」のように誰かを立てているのか、言い方を整えているのかを文全体で見ます。接頭語だけを増やすより、内容が伝わる形を選びましょう。
完成した文を短くして確かめる
見直す時は、主語と敬語の対応を確認し、不要な重なりがないかを読みます。文化庁は「御利用される」より、「利用される」「御利用になる」などを適切な形として示しています。迷ったら、覚えている言い回しを継ぎ足すより、一つの形へ整えてみてください。相手との関係や場面によって自然な丁寧さも変わります。用件が明確で、読んだ相手が行動しやすい文になっているかも大切な確認点です。
覚えておきたいポイント
- まず誰の動作かを書き出す。
- 動作をする人、向かう先、聞き手を区別する。
- 表現を重ねすぎず、文全体で確かめる。

