『戦姫絶唱シンフォギア XV』レビュー：音楽とバトルの究極の融合

戦姫絶唱シンフォギア XV - センキゼッショウシンフォギア エクシヴ - の全方位的評価と推薦

■公開メディア

TVアニメシリーズ

■原作メディア

アニメオリジナル

■放送期間

2019年07月07日 ～ 2019年09月29日
1:00～

■放送局

TOKYO MX、BS11

■分数

30分

■話数

13話

■原作

上松範康、金子彰史

■監督

小野勝巳

■制作

・アニメーション制作／サテライト

■著作

©Project シンフォギアXV

■ストーリー

神の力を以ってして、神そのものを討ち斃さんとした原初のヒトガタ、アダム・ヴァイスハウプトは、サンジェルマンたちの理想の源パワーソースであるラピス・フィロソフィカスにて黄金錬成されたシンフォギアによって撃槍される。

暗躍してきたパヴァリア光明結社はここに瓦解し、その残党は、各国機関の活躍によって追い詰められていくのであった。

そして――
追い詰められているのはパヴァリア光明結社だけではない。

かつての超大国アメリカもまた、日本に向けた反応兵器の発射事実を非難・追及され、国際社会からの孤立を招いていた。

閉塞した状況は、新たな世界規模闘争の火種にもなりかねないため、速やかなる政治的解決が望まれているが、複雑に絡む国家間の思惑は軋みをあげるばかりで、遅々として進んでいない。

当該国である日本も、アメリカとの協調政策を打ち出して関係修復をアピールしているものの、どこかうすら寒い表面的なムードに終始して、局面打開には至っていない。

いまだ見えない世界の行く末。

さらに、張りつめた空気はここにも。

都内ランドマーク各所が一望できる、デートスポットとしても人気の大観覧車のゴンドラに乗っているのは、私立リディアン音楽院に通う高校生、立花 響と小日向 未来。

ふたりが手にした鯛焼きは白玉入りであり、絶品。
甘すぎず、まるでぜんざいもかくやという口当たりの餡は申し分が無かった。

それでも、ふたりの間に緊張が走るのは、何の気なしに未来が響に発した、問い掛けに始まるものであった。

返答に窮した響の胸の奥にあるものは、果たして。

過去から現在に向けて紡がれたいくつもの物語は、XVに集束していく。

聖骸を巡る攻防は、どこまでも真夏の只中。

はじける湖面を舞台に、少女たちの歌声が輝きを放つ。

■解説

サウンドプロデュースグループ「Elements Garden」の代表を務める上松範康と、RPGをはじめ、ジャンルを問わずゲームタイトルを企画開発してきた金子彰史が原作を手掛ける、歌曲と物語の融合を目指したオリジナルテレビアニメーション「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズの集大成にして最新作。

■キャスト

・立花 響／悠木 碧
・風鳴 翼／水樹 奈々
・雪音 クリス／高垣 彩陽
・マリア・カデンツァヴナ・イヴ／日笠 陽子
・月読 調／南條 愛乃
・暁 切歌／茅野 愛衣
・小日向 未来／井口 裕香
・エルフナイン／久野 美咲

■メインスタッフ

原作／上松 範康、金子 彰史
監督／小野 勝巳
シリーズ構成／金子 彰史
音楽プロデューサー／上松 範康
音楽／Elements Garden
キャラクター原案／吉井 ダン
キャラクターデザイン／藤本 さとる
総作画監督／藤本 さとる
副監督／光田 史亮
アルカ・ノイズデザイン／光田 史亮
総作画監督／椛島 洋介、普津澤 時ヱ門
アクションディレクター／式地 幸喜、杉江 敏治、中小路 佳毅、髙嶋 宏之
メインアニメーター／大久保 義之、坂本 俊太、ハニュー
メカニックデザイン／大河 広行、川原 智弘
美術デザイン／ニエム・ヴィンセント、ロキャテリ・ロイック、ルガル・ヤン、ギヨーム・ジョアナ、小山 真由子、青木 智由紀
美術監督／渡辺 幸浩、菊地 明子
色彩設計／篠原 愛子
CGディレクター／森野 浩典
撮影監督／志村 豪
2Dワークス／影山 慈郎
特殊効果／飯田 彩佳
編集／兼重 涼子
音響監督／本山 哲
アニメーション制作／サテライト
製作Project ／シンフォギアXV

■メインキャラクタ

・立花響
ひょんな事から過酷な戦いに身を投じる事になった元・普通の少女。

前向きで、自分だけでなく周囲にも作用する強靭な明るさの持ち主。

当初は適合者ではなく、「融合症例」として聖遺物「ガングニール」の欠片より造られたシンフォギアを身に纏っていた。

聖人の死を確認して以来、ガングニールには2000年以上に渡って呪いが積層し、神に対する必殺の一撃となるよう機能改竄が成されていた。
そのために響の拳は、畏怖、あるいは希望を込めて「神殺し」と称される。
・風鳴翼
日本より英国進出を果たしたトップアーティストにして、今防人。

幼い頃より研ぎ澄まされた戦技と心意気は頼もしく、戦場(いくさば)においては比類なき存在感を放っている。
(反面、日常生活は愛すべき程に隙だらけであり、一言で表すとだらしない)

身に纏うは、聖遺物「天羽々斬」の欠片より造られたシンフォギア。

かけがえのない片翼を喪った際には心の脆さも垣間見せたが、悲しみを乗り越え、進むべき道を見出すと、覚悟も口調も完成した。
・雪音クリス
政情不安定な南米の内戦地バルベルデ共和国にて育った天涯孤独な少女。

かつては、ささくれだった心のままに響や翼と敵対したが、剥き出しの感情でぶつかり合った果てに和解し、現在に至る。

身に纏うは、聖遺物「イチイバル」の欠片より造られたシンフォギア。

乱暴な言動とは真逆となる、きめの細かい優しさの持ち主。
また学業においても優秀な成績をおさめているのだが、やはり乱暴な言動のせいか、そうと思われないことが多々あるようだ。
・エルフナイン
あらゆる超常事件と対決するS.O.N.G.において、異端技術、とりわけ錬金術分野の顧問として八面六臂に活躍する才女。

その身体は、もうひとりの自分ともいえる錬金術師キャロルから譲り受けたものである。

ワーカホリックというよりも、仕事以外を知らないタイプ。
休日も本部より出る事無く、研究室にて趣味ともいえる脳領域の観測に没頭している。

■メインロボ・アイテム

・シンフォギア・システム
S.O.N.G.の前身となる、特異災害対策機動部二課に所属していた技術主任、櫻井 了子が提唱した「櫻井理論」に基づき、聖遺物の欠片から生み出された各機能の総称。

シンフォギア・システムを起動し、身に纏う装者の感情や想いに共振・共鳴し、旋律を奏でる機構が内蔵されているのが最大の特徴であり、その旋律に合わせて歌唱することにより、シンフォギアはバトルポテンシャルを相乗発揮していく。

開発者である櫻井 了子亡き今、新たなシンフォギア・システムを生み出す事は不可能であり、現在、失われた技術と化している。
・聖遺物
世界各地の神話や伝承に登場する、超常の性能を秘めた武具等を指す言葉。

現在では製造不可能な異端技術ブラックアートの結晶であり、多くは遺跡などから発掘されている。

発掘されても、経年による劣化や損傷から、かつての状態をそのまま残したものは希少であり、ほとんどの場合は、「聖遺物の欠片」として存在している。

基底状態にある聖遺物は、歌の力によって励起状態となり、その力を解き放つ。
・LINKER
シンフォギア・システムと人体の神経を繋ぐ接続補助薬。

ある程度の資質(適合係数)さえあれば、その「ある程度」を無理矢理引き上げることで、シンフォギア・システムへの適合者へと即席させる効果がある。

当然、資質の引き上げ幅が大きいほど人体への負荷も大きく、被験者は通常、ショック症状に見舞われ昏倒、適合者を生み出す以前に死者や廃人を大量生産するという、危険なまでに激しい薬理作用を示す。

開発者はシンフォギア・システムと同じく櫻井 了子であるが、その後にF.I.S.の生化学班は、ウェル博士を中心にさらなるLiNKERの改良を進め、「あなたに優しい」をメインテーマに、より負荷の小さいLiNKERや、より安全な体内洗浄方法を確立。
最終レシピは、S.O.N.G.の錬金技術顧問であるエルフナインの手によって完成した。

現在、マリア・カデンツァヴナ・イヴ、月読 調、暁 切歌ら三名の装者が、LiNKERを介しシンフォギア・システムを身に纏っている。

■サブタイトル

・第1話／人類史の彼方から
・第2話／天空(ソラ)が墜ちる日
・第3話／Penny Dreadful
・第4話／花の名は、アマルガム
・第5話／かばんの隠し事
・第6話／ゼノグラシア
・第7話／もつれた糸を断ち切って
・第8話／XV
・第9話／I am a father
・第10話／卑しき錆色に非ず
・第11話／ハジメニコトバアリキ
・第12話／戦姫絶唱
・第13話／神様も知らないヒカリで歴史を創ろう

■関連作品

戦姫絶唱シンフォギア
戦姫絶唱シンフォギアG
戦姫絶唱シンフォギアGX
戦姫絶唱シンフォギアAXZ
戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED
戦姫絶唱シンフォギアPORTAL

■評価と推薦

「戦姫絶唱シンフォギア XV」は、シリーズの集大成として期待を裏切らない素晴らしい作品に仕上がっています。物語は、神の力を以って神を討つという壮大なテーマを背景に、立花響をはじめとする少女たちの成長と戦いを描いています。特に、響と未来の関係性や、各キャラクターの内面の深掘りが見事で、視聴者を引き込む力があります。

アニメーション制作を担当したサテライトのクオリティも高く、戦闘シーンの迫力やキャラクターデザインの美しさは見事です。特に、シンフォギア・システムのビジュアル表現は、歌と戦闘が一体化した独特の世界観を強く印象付けます。また、音楽もElements Gardenのプロデュースにより、物語と一体化した感動的な旋律が響き渡ります。

キャストも豪華で、悠木碧、水樹奈々、高垣彩陽など、声優陣の演技力がキャラクターの魅力を最大限に引き立てています。特に、響の成長を支える立花響役の悠木碧の演技は、視聴者の心を揺さぶる力があります。

ストーリー面では、パヴァリア光明結社の瓦解やアメリカとの国際問題など、現実世界の問題を反映した展開が見られます。これにより、単なるファンタジーだけでなく、社会的なメッセージも含んだ深みのある作品となっています。また、各エピソードのサブタイトルも物語の展開を象徴しており、視聴者の興味を引きつける工夫がされています。

関連作品として挙げられる「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズは、各シーズンごとに異なるテーマとキャラクターの成長を描いており、XVはその集大成として位置付けられています。特に、過去のシリーズを見てきたファンにとっては、響たちの成長と結末を見届ける感動的なフィナーレとなるでしょう。

推薦するポイントとしては、以下の点が挙げられます。

• 壮大なテーマと深いキャラクター描写
• 高品質なアニメーションと音楽
• 豪華なキャストによる演技
• 社会的なメッセージを含んだストーリー
• シリーズ全体を通じたキャラクターの成長と結末

「戦姫絶唱シンフォギア XV」は、歌と戦闘が融合した独特の世界観と、深いストーリー、そしてキャラクターの成長を楽しむことができる作品です。シリーズのファンだけでなく、アクションと音楽を楽しみたい方にも強く推薦します。ぜひ、この感動的なフィナーレを体験してみてください。