『星を追う子ども』:深淵からの失われた声を追う感動の旅

『星を追う子ども』:深淵からの失われた声を追う感動の旅

『星を追う子ども』:新海誠の新たな冒険譚

■公開メディア

劇場

■原作メディア

アニメオリジナル

■公開日

2011年05月07日 ~ 0000年01月01日

■配給会社

メディアファクトリー/コミックス・ウェーブ・フィルム

■映倫番号

118941

■分数

116分

■話数

1話

■原作

新海誠

■監督

新海誠

■制作

コミックス・ウェーブ・フィルム

■著作

©Makoto Shinkai/CMMMY

■ストーリー

ある日、父の形見の鉱石ラジオから聴こえてきた不思議な唄。その唄を忘れられない少女アスナは、地下世界アガルタから来たという少年シュンに出会う。2人は心を通わせるも、少年は突然姿を消してしまう。「もう一度あの人に会いたい」そう願うアスナの前にシュンと瓜二つの少年シンと、妻との再会を切望しアガルタを探す教師モリサキが現れる。そこに開かれるアガルタへの扉。3人はそれぞれの想いを胸に、伝説の地へ旅に出る―。

■解説

現代の青春を美麗なアニメーションで描ききった名作『秒速5センチメートル』から4年――。デジタル・アニメーションシーンを革新した鮮烈なデビュー作『ほしのこえ』以来“心の距離”を丹念に描き続け、若者の絶大な支持を得てきた新海誠。そのもとに気鋭のスタッフが再び集結し、2010年代に描かれるべき冒険譚に挑む!

■キャスト

アスナ/金元寿子(かねもと ひさこ)
シュン/入野自由(いりの みゆ)
シン /入野自由(いりの みゆ)
モリサキ/井上和彦(いのうえ かずひこ)
リサ/島本須美(しまもと すみ)
マナ/日高里菜(ひだか りな)
ミミ/竹内順子(たけうち じゅんこ)
アスナの母/折笠富美子(おりかさ ふみこ)

■メインスタッフ

・原作/新海誠
・脚本/新海誠
・監督/新海誠
・作画監督/西村貴世
・キャラクターデザイン/西村貴世
・美術監督/ 丹治匠
・音楽/ 天門

■メインキャラクタ

・アスナ
山間で育った少女。母と二人暮らしのため、年齢よりもしっかりしているが寂しさも感じている。少年シュンとの出逢いにより、冒険に旅立つことになる。
・シュン/シン
アスナと出逢う少年シュンとその弟シン。アスナと出逢い世界の魅力を知ったシュンは彼女の前から姿を消す。その後、兄の残したものを引き取りにきたシンはアスナと逢うことに。
・モリサキ
アスナが通う学校に赴任してきた国語教師。若い頃に妻を亡くした教師はもうひとつの顔を持つ。

■主題歌・楽曲

・ED1
・Hello Goodbye & Hello
・歌/熊木杏里

『星を追う子ども』の魅力と評価

新海誠監督の『星を追う子ども』は、2011年に公開されたアニメーション映画であり、その美しいビジュアルと深遠なテーマで多くのファンを魅了しました。この作品は、新海誠が描く青春と冒険の物語であり、地下世界アガルタへの旅を通じて、人間関係や喪失、そして希望について深く掘り下げています。

ビジュアルと音楽

新海誠の作品は、その美しいビジュアルで知られていますが、『星を追う子ども』も例外ではありません。背景美術は丹治匠の手により、現実世界と幻想的な地下世界が鮮やかに描かれています。特に、アガルタの風景は、神秘的で美しい色彩と光の表現が印象的です。また、天門による音楽も物語を盛り上げる重要な要素となっており、特にエンディングテーマ「Hello Goodbye & Hello」は、熊木杏里の歌声と共に感動的なフィナーレを飾ります。

ストーリーとテーマ

『星を追う子ども』のストーリーは、少女アスナが父の形見の鉱石ラジオから聞こえてきた不思議な唄をきっかけに、地下世界アガルタへの冒険へと旅立つというものです。この物語は、単なる冒険譚ではなく、喪失と再生、そして人間関係の深さを描いています。アスナがシュンと出会い、そして彼が突然姿を消すことで始まる物語は、彼女の成長と自己発見の旅でもあります。また、モリサキ教師の妻を亡くした過去や、シュンとシンの兄弟関係も、物語に深みを与えています。

新海誠は、この作品で「心の距離」をテーマにしています。アスナとシュン、シン、モリサキの間にある距離感や、彼らが抱える孤独感が、物語の中心にあります。新海誠は、デビュー作『ほしのこえ』から一貫してこのテーマを追求しており、『星を追う子ども』でもそれが引き継がれています。

キャラクター

アスナは、山間で母と二人暮らしという環境から、年齢よりも大人びた一面を持ちながらも、心の奥底では寂しさを感じています。シュンとの出会いが彼女の人生を大きく変え、冒険へと駆り立てます。シュンとシンは、兄弟でありながら対照的な性格を持ち、彼らの関係性も物語の重要な要素です。モリサキ教師は、妻を亡くした過去を抱えながらも、アスナの旅に同行し、彼女の成長を見守る存在です。これらのキャラクターが織りなす人間ドラマが、物語を豊かにしています。

評価と受け入れられ方

『星を追う子ども』は、公開当時から高い評価を受けました。特に、新海誠のビジュアル表現とストーリーテリングの巧みさが称賛されました。また、青春と冒険をテーマにした作品として、若者から幅広い世代まで支持を得ています。ただし、一部の視聴者からは、物語の展開がやや複雑で理解しづらいという意見もありました。しかし、それもまた新海誠の作品が持つ独特の魅力であり、何度も見返すことで新たな発見があると評価されています。

推薦と関連作品

『星を追う子ども』を楽しんだ方には、新海誠の他の作品もおすすめです。特に、『秒速5センチメートル』は、青春の切なさを描いた名作であり、新海誠のスタイルを感じることができます。また、『君の名は。』は、新海誠の最新作であり、美しいビジュアルと感動的なストーリーが話題となりました。これらの作品を通じて、新海誠の世界観をさらに深く理解することができるでしょう。

また、地下世界や冒険をテーマにした作品として、『スタジオジブリ』の『天空の城ラピュタ』や『千と千尋の神隠し』もおすすめです。これらの作品は、ファンタジーと現実が交錯する世界を描いており、『星を追う子ども』と共通するテーマを持っています。

結論

『星を追う子ども』は、新海誠の才能が詰まった作品であり、美しいビジュアルと深遠なテーマが魅力です。青春と冒険、そして人間関係の深さを描いたこの物語は、多くの視聴者に感動を与えました。新海誠の他の作品や関連するアニメーション映画も合わせて楽しむことで、彼の世界観をさらに深く理解することができるでしょう。『星を追う子ども』は、何度でも見返したくなる、心に残る作品です。

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