『世界名作童話 白鳥の王子』の魅力と評価：感動の物語と美しい映像の融合

『世界名作童話 白鳥の王子』：愛と勇気の物語

■公開メディア

劇場

■原作メディア

童話

■公開日

1977年03月19日 ～ 0000年01月01日

■配給会社

東映

■映倫番号

18792

■分数

61分

■話数

1話

■原作

グリム兄弟、ハンス・クリスチャン・アンデルセン

■監督

西沢信孝

■制作

東映動画

■著作

©東映アニメーション

■ストーリー

ヒルデブランド王が後妻に迎えた魔女のグレタは、嫉妬ゆえに先妻の子供である6人の王子たちに呪いをかけ白鳥の姿にしてしまう。末娘のエリザは兄たちの呪いを解くために、6年間一切言葉を話さずにイラクサの肌着を編むという試練に立ち向かう。その姿を哀れに思った若きフリードリッヒ王はエリザと婚約をすることに。しかしグレタに邪魔をされることによって、エリザは火あぶりの刑を言い渡されてしまうのだが…。

■解説

グリム童話やアンデルセン童話などで翻案された原作を劇場アニメ化し、モスクワ国際映画祭「児童・青少年映画」部門美術家同盟賞を受賞。大人も一緒に楽しめるファミリー向けのラブファンタジーに仕上がっている。大切な家族の為に自分の身を犠牲にして試練に立ち向かう主人公の姿を通して、子供たちに愛の大切さを伝えている。

■キャスト

・エリザ／増山江威子
・グレタ／岩崎加根子
・涙／宮崎恭子
・ヒルデブランド／近藤洋介
・魔女／杉山とく子
・フリードリッヒ王／望月太郎
・6人の王子たち／小宮山清、つかせのりこ、神谷明、古谷徹

■メインスタッフ

・原作／グリム兄弟、ハンス・クリスチャン・アンデルセン
・製作／今田智憲
・企画／有賀健、旗野義文
・製作担当／白根徳重
・脚本／隆巴
・演出／西沢信孝
・作画監督／阿部隆
・美術監督／千葉秀雄
・編集／井関保雄
・音楽／小森昭宏
・制作／東映動画
・主題歌
「白鳥の王子」
作詞／隆巴
作曲／小森昭宏
歌／増山江威子、ザ・チャープス

「なみだとねんね」
作詞／隆巴
作曲／小森昭宏
歌／大杉久美子、ザ・チャープス

■メインキャラクタ

・エリザ
ヒルデブランド王の末娘で、何事にも一生懸命な心優しい少女。父や兄たちから可愛がられて育つ。

・6人の王子
ヒルデブランド王の息子たち。王に愛されていることをグレタに妬まれ、呪いで白鳥の姿に変えられてしまう。夜の間だけ人間の姿に戻る。

・ヒルデブランド王
ヒルデブランド国の王で、7人兄妹の父親。前妻の亡き後も、子供たちを溢れる愛情で育てていた。

・グレタ
非情な魔女。森に迷い込んだヒルデブランド王に道を教える代わりに、その妃となった。王と仲の良い先妻の子供たちに嫉妬し、様々な策略をめぐらして子供たちを追い出そうとする。

・涙の精
エリザがこぼした涙から生まれた妖精。試練に立ち向かうエリザの心の支えとなる。

・フリードリッヒ王
フリードリッヒ国の王。エリザを心から愛するが、口を利かないエリザが魔女なのではないかとも疑ってしまう。

■詳細な評測

『世界名作童話 白鳥の王子』は、1977年に公開された東映動画制作の劇場アニメーションであり、グリム兄弟とハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話を原作にしています。この作品は、家族愛と自己犠牲のテーマを描き、子供から大人まで幅広い層に愛される作品となっています。

ストーリーは、ヒルデブランド王の後妻である魔女グレタが、嫉妬から6人の王子たちを白鳥に変えてしまうところから始まります。末娘のエリザは、兄たちを救うために6年間言葉を発さずにイラクサの肌着を編むという過酷な試練に挑みます。この試練の過程で、エリザはフリードリッヒ王と出会い、愛を育む一方で、グレタの策略により火あぶりの刑に処せられる危機に瀕します。しかし、エリザの純粋な心と愛が最終的に兄たちを救い、グレタの悪事を暴くことにつながります。

この作品の魅力は、何と言ってもエリザのキャラクターにあります。彼女の無私の愛と強い意志は、観客に深い感動を与えます。エリザの試練は、視覚的にも美しく描かれており、特にイラクサの肌着を編むシーンは、彼女の苦しみと決意を象徴しています。また、涙の精というキャラクターも、エリザの心の支えとして重要な役割を果たしており、物語に深みを与えています。

アニメーションのクオリティも高く、当時の技術を駆使した美しい背景とキャラクターデザインが特徴的です。特に、白鳥に変えられた王子たちのシーンは、幻想的で美しいビジュアルが印象的です。また、音楽も小森昭宏による素晴らしい作曲で、物語の情感を引き立てています。主題歌「白鳥の王子」と「なみだとねんね」は、作品のテーマを歌詞とメロディで表現しており、視聴者の心に響きます。

キャストも豪華で、増山江威子がエリザを、岩崎加根子がグレタを演じるなど、声優陣の演技も作品の魅力を引き立てています。特に、エリザの純粋さと強さを増山江威子が見事に表現しており、視聴者の共感を呼びます。また、6人の王子たちを演じる声優陣も、それぞれのキャラクターの個性を生かした演技を見せており、物語に深みを与えています。

この作品は、モスクワ国際映画祭「児童・青少年映画」部門で美術家同盟賞を受賞しており、その芸術性とメッセージ性が高く評価されています。ファミリー向けのラブファンタジーとして、子供たちに愛の大切さを伝える一方で、大人もその美しさと感動に涙する作品となっています。

■推薦内容

『世界名作童話 白鳥の王子』は、家族で楽しむことができる素晴らしい作品です。特に、子供たちに愛や自己犠牲の重要性を教えるための教育的な視点からも推薦できます。また、アニメーションの美しさや音楽の素晴らしさを楽しみたい大人にもおすすめです。

この作品を視聴する際には、以下のポイントに注目してみてください：

• エリザの純粋な心と強い意志
• 白鳥に変えられた王子たちの幻想的なビジュアル
• 涙の精のキャラクターとその役割
• 小森昭宏の美しい音楽と主題歌
• 豪華なキャストによる声優の演技

さらに、この作品をより深く理解するためには、グリム兄弟やハンス・クリスチャン・アンデルセンの原作を読んでみるのもおすすめです。原作とアニメーションの違いや共通点を探ることで、作品の背景やテーマをより深く理解することができます。また、他の東映動画の作品や、同じテーマを扱ったアニメーション作品を視聴することで、比較してみるのも面白いでしょう。

『世界名作童話 白鳥の王子』は、愛と勇気の物語として、多くの人々に感動を与える作品です。ぜひ、この美しいアニメーションと感動的なストーリーを体験してみてください。